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【 M-1グランプリ2019 】を道楽的にウラヨミ

M-1グランプリ2019について、優勝したミルクボーイやかまいたち、ぺこぱについて、いかにして勝ち上がったかということを、先日コラムにしました。

今年のM-1について、もう一つ語らなければならないことがあるので、日が空いてしまいましたが、続編をお送りします。

「和牛」の優勝予想は小ハズレ

私は、今回の優勝は「和牛」だと、声高らかに?宣言しました。

しかし、見事に予想は外れ、大方の予想とは違う結果になったと思います。
敗者復活はダントツの1位で決勝の舞台に立ちましたが、結果は最後のぺこぱに2点差で破れ、決勝には残りませんでした。ただ、もし最終決戦に残っても、ミルクボーイの優勝は揺るがなかったでしょう。
和牛を揺るがすとしたら、変化球のすえひろがりずかぺこぱかなと思っていたら、見事にぺこぱにやられてしまいましたね。


ただ、敗者復活を勝ち抜き、大外れというわけではなく、見えてきたものがあるので、言い訳の弁を正々堂々と述べていきたいと思います(笑)


和牛を優勝予想した理由

正直、予想がかすりもしなかったら、なかったことにしてスルーしようかとも思いましたが、ギリギリのところまではいったので、優勝予想した理由を明かします。

和牛は、前回大会までの3大会連続で2位という結果でした。昨年は、優勝かなと思いましたが、霜降りの若さと勢いが勝ったんでしょう。

「来年こそは!」と多くの方が思ったのでは無いかと思いますが、そこで頭をよぎるのが「笑い飯」です。

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笑い飯は、最多の9回連続出場で、最後となる大会で、念願の優勝を果たしましたが、その結果には賛否がありました。確かに面白かったと思いますが、M-1を盛り上げた功労者でもあり、どこか「優勝させてあげたい」という同情の余地があったように感じます。それは、当時松っちゃんもちらっと言っていました。

今回の和牛は、笑い飯と似たような状況のように感じたのです。

しかし、和牛は準決勝で敗退しました。そのニュースを見たときに、とても驚きましたが、M-1当日、ふと思ったんです。

「これ、和牛を優勝させる筋書きちゃう?」

準決勝で敗退したコンビの中から一組、敗者復活で決勝に上がります。和牛の実力なら、敗者復活で勝ち上がる可能性は高かったでしょう。その上で和牛が優勝すれば、最初から決勝に残って、笑い飯のような同情優勝になってしまうより、実力で優勝を勝ち取ったように感じます。

きっと、制作の意図として、そういう筋書きがあり、そういうストーリーが一番盛り上がり且つ、自然なシナリオで和牛に花を持たせたかったのではないかと思います。

しかし、勝負の現場は、思い通りには運びません。私はお笑い好きではありますが、ミルクボーイは全く知りませんでした。出場者の中で唯一知らなかった、そのミルクボーイが優勝したんです。決勝の舞台では、こういうことが起こるんですよね。前回のコラムで、優勝の鍵は「勢い」と述べましたが、M-1は昔からヤラセだとか言われることがあるものの、決勝だけは、生で審査するので、ヤラセようがないと言われています。確かにそうだと思います。

和牛は、優勝する実力は間違いなくあると思います。しかし、笑神籤の順番も影響し、勝負は時の運でもあります。ミルクボーイが最高得点を出した時、嫌な予感がして、的中してしまいました。
3年連続の2位で、今回も敗者復活から勝ち上がった。和牛に勝たせてあげたかったですが、勝たせてあげたいでは、優勝はできないのかもしれませんね。


優勝予想したことで、純粋に楽しめなかった

そして、今回はそんなシナリオが見えたので、偉そうにも堂々と優勝予想なんぞをしてみましたが、するもんじゃないですね。冷静に楽しめない(笑)
優勝を和牛だと宣言しましたが、予想をすれば当たって欲しいと思うものなので、純粋に観られないんですよね。3組目に和牛が出て、その時点で1位になれなかったので、余計にヒヤヒヤしながらみましたが、結果は最後のぺこぱに2点差で負けてしまった。

そこで、やっと結果の予想も関係なくネタを楽しめるようになり、一つ気づいたことがありました。

「予想」したことで、純粋に楽しめない。これは「道中を楽しむ」という道楽家に反することだったんですよ。「道楽家」としてまだまだ未熟だなと痛感しました。道楽家は、結果に拘らず、道中を楽しむものです。しかし私は、結果を予想してしまったことで、道中を楽しめなくなってしまいました。今回のことで、改めて道中を楽しむことの大切さを痛感しました。

緊張から解放された後、純粋に楽しめると思ったFinal Round。事情により、録画で追っかけ再生で観ていたのですよ。なので、ネタバレを注意していたものの、和牛が負けたことで気が抜けてしまったのか、ネタを見る前に優勝者を知ってしまったんです(T^T)

「あぁ、道楽家なのに、反することをしてしまったことへの罰だ」

そう思ってしまいました。しかしですよ、「"せい"を"おかげ"」にするのが道楽家です。優勝予想をした"せい"で楽しめなかったのではなく、ネタバレをした"せい"で楽しめなくなるのでもなく、その"おかげ"で、本来のお笑いの楽しみ方で観ることができるようになったことに気付けました。
結果はわかっていても、3組のネタはとても面白く、楽しませてもらいました。
ギリギリになって、その大事なことに気付けるなんて、やっぱり私は、道楽家なんだなぁ。


審査員・松本人志への忖度漫才

もう一つは、問題提議です。

トップバッターのニューヨークの漫才に対して、審査員長の松っちゃんは、「怒るようなツッコミが好き」と発言してから、二組目以降、いつもよりキツめのツッコミを意識したそうです。
これは、まさに「忖度漫才」ですよね。M-1は、結果だっけではなく、爪痕を残すことも、今後の活躍に大きな影響を与えます。そういう意味では、ニューヨークは最下位だったものの、あのふてくされた態度は一番面白かったので、爪痕を残したかもしれません。

この松っちゃんの発言があったとき、「これ絶対忖度するやん。良くないなぁ」と感じました。M-1の打ち上げでも、皆キツめのツッコミを意識したと言っていましたが、逆に審査員に忖度せず、己を貫く漫才をした人が勝ちそうだなと感じました。

思った通り、己を貫いたミルクボーイが優勝しましたし、ぺこぱに関しては、ツッコまないので真逆です。かまいたちも和牛もいつも通りでした。やはり、忖度せずに自分を貫いたコンビが、上位でした。

希望通りのネタをすれば、面白いのは間違いないですが、想定を超えることはありません。感動や爆笑というのは、予想を超えるからこそ起こります。そこに忖度はありません。

巨人師匠が、司会の今田さんの発言に、「それは君の言うことやない」と早口で注意するシーンがありましたが、審査員は、終了まで審査方法を明かしてはいけないと思います。特に、松っちゃんのような発言力があったり、審査員長であればなおさらです。上沼さんも大概ですが(笑)、まぁ「こういうの好き」という感想程度のものなので、ギリ良しという感じですが、松っちゃんには失礼を承知で言わせていただきますが、正直審査員失格だと思いました。


ということで、今回のM-1についてのコラムはこれにて終了です。個人的には、今回のコラムの方が需要な内容だと思っていますが、そう受け取るのも皆さんです。道楽家になって以来、物事をより道楽的に見るようになりました。合ってるかどうかなんかはわかりません。的外れかもしれませんが、自分にとってはとても納得するものなので、同じように受け取ってくれるそんなあなたは、道楽家予備軍かもしれませんね!


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