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プロローグ②ペルセポネー

「ようこそトロピカルへ、まさかアナタが
ここに来るとはね」
「よろしくお願いします」

柔和な雰囲気を醸しながら、
キリッとした目つきは母親の面影がある。

「お母さんとはちゃんと話し合えた❓」
「埒が空きません。もう私20です。
自分の事は自分で決めます。」
強い意志…母親を心から尊敬し、
本当は祝福されたいのだろうか。

「そう、まぁアナタなら処女宮を任せられるわ」
「それで、例の集中研修を受けたいのですが」
「日程は追って伝えるわ。もう1人受講希望者がいるの」
「わかりました」
書類関係を渡して、下がっていった。


秋らしい秋もなく、冬に入りそうだ...
世間はRPG8の話題で持ちきりだ。
来年間違いなくトロピカルは
その注目を集めることになるだろう…

現状は麗菜を筆頭に水穂、昴、レオナが上位を
争う形だ。
出稼ぎの娘も来て、値下げの効果か
客足も戻りつつある…

さて、彼女の源氏名を考えておくか
穂の字を入れるか❓
それとも…しかしハーデスか
確かに彼女の母親にとっては我々は冥界の王ハーデスだな。
春の神ペルセポネーにしてしまったのなら
春のような暖かな華やかな源氏名にしてやろう…

    ▲ ▲ ▲ ▲


昼だと言うのに豊子は酒に溺れた。

あの男の子どもを産み
途方に暮れるなか、
私はソープ嬢となった。

他に道はあったかもしれなかったが
だだでさえシングルマザーというのに
金銭的な負い目だけはさせたくなかった。
玲子と名付けた天使にはなに不自由ない
生活を与えてあげたかった。

幸いなことに…ソープ嬢として客に恵まれ、
川﨑最高峰と呼ばれるトロピカルから
声をかけられた。

処女宮 麦穂として、平成後期のトロピカルを
支えたという自負がある。

玲子との関係も予想より穏やかなものだった。
母親が娼婦をしていることに
反発をするかと思ったが、
感謝され、彼女は清楚な美少女に成長した。

しかし反発しなかったことをもっと
真剣に考えるべきだったのだ。

「私、お母さんの後を継ぐわ❗️
今トロピカルは大変なんですって!
処女宮も空席のままだし…」
玲子は天真爛漫な笑顔で宣言した。

「なにバカなこと言ってんの!」

「バカなことなんかじゃないわ❗️
私、真剣よ!お母さんみたいな、ナンバーワン
ソープ嬢になるわ‼️」

平手打ちをあげても、玲子は考えを改めず
話を進めていく…
「どうして?どうしてなの。私、お母さんを
尊敬しているのに…お母さんのような
素敵な女性になりたいだけなのに…」

デメーテルがコレーをハーデスに攫われた時
きっとこんな気持ちだったのだろうか?

「ゼウス、私を助けてよ」

ホントにありがとうございます😭 さらによい作品を作り還元していきたいと思います♪