理想の職業について

私の夢は子供に勉強を教えることだけれど、それだけではつまらないので夢の中で教えることにしておく。夢歩きの技術をみにつけた大人が子供に教授するのだ。夢歩きとは自分の夢から他の人の夢にハシゴをかけて渡ることを言う。夢と夢を繋ぐ空間は雲のようにモコモコとしているものだが、落ちたら最後。二度と元の世界に戻ることは出来なくなる。それに、夢歩きに失敗してしまうとハシゴを掛けた相手にも深刻な影響が出てしまう。そのため、夢歩きを国家資格が必要なのだ。夢歩きが出来るというだけで、ほかは何も普通の教師と変わらない。ただ違うのは勉強を教える時間や場所である。時間はもちろ夜だが、夜と言っても明るいことの方が多いかもしれない。夢なので、朝でも昼でも夜でもなんでもいいのである。場所に関しても、とても自由でどこでもいい。人によっていろいろだが、私が子供の頃は雲の上や海の底が好きだった。他には金星の分厚い硫酸の雲の上や太陽の中心なんかも好きだった。いつもと違った気分になって、勉強が捗るのである。私はそこで三次関数と直線で囲まれた面積を求めたり、逆関数の微分をしたりする。それがとても面白く、大嫌いな数学ですらも上手く頭に入ってくるのだ。私はいつか、夢歩きをする教員になって空を飛びながら生徒とアスパルテームの構造決定がしたい。その時は原子量を与えるのを忘れないようにしよう。それが私の夢なのだ!

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