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「こだわり」と戦う事は愚か。

ASDは反復的で常同的な行動、いわゆる「こだわり行動」がみられる。
ASD支援の現場では、この「こだわり行動」なくそうと、真っ向から戦ってしまう支援者がいる。やめたほうがいい。勝ち目がない。

さらに「こだわり行動」はピーク時は強迫行動か見分けがつかなくなるほど止める事ができない状態になる。特にピーク時は行動を変えようとしても無理である。お互い疲弊しきるのは目に見えている。

それと、こだわり行動と戦っている場合、大抵こだわっているのは支援者側である。なので、支援目標から外す。ありきで考える。支援目標を別の事にシフトする事をお勧めする。ASD支援において「こだわりと戦う事は愚かである」という原則があるからである。実はかるーく流すのもテクニックである。「このままこの「こだわり行動」が一生続いてしまうのか、だからここでやめさせなければ」と思ってしまうのかもしれない。大丈夫、こだわりはブームがあり、変化するから。

ASDは診断基準でもあるように「こだわる」。診断基準にある「症状」だからネガティブな印象を持ってしまうのか?おそらく根底には「治す」という考えがあるからだと思う。特性は強みでもある。だから、良いこだわりをたくさん育てる。

この時注意したほうが良いのは、良いこだわりは視覚支援や構造化を使いながら共同開発していく事。なぜなら、彼らが自分で見つけた遊びやこだわりは、残念ながら、周囲にとっては迷惑となってしまう事が少なくないからである。それと、ブームがある事。何らかな認知的な方略を伴わせていないと良いこだわりもブームが去ったらなくなってしまう。

そして、社会に受け入れられやすいやり方を教えるのが「教育であり、しつけである」と考えるからである。(「しつけ」については誤解がないように。しつけとは人間社会における約束事を守りながら行動できる事を、子どものトライ&エラーを見守りながら、導いていく事。)

パターン的なスキルを積み重ねていくと、柔軟な対応ができなくなってしまうのは?と聞かれることがあるが、たくさんのパターン的なスキルを積み重ねていく事が、彼らの生きていくための財産になる。それが彼らの社会適応の仕方ではないだろうか。

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