『若いz世代と関わらないと脳みそ退化するぞ』と言われ、ガールズバーに連行された。


トイレで妻に電話している間、私は怯えていた。

『1ミリの浮気で、離婚。』
これが我が家のルール。

電話一本が命綱だ。

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ガールズバーの入店前、
妻に入店許可をもらうルーティンをしている。

なんで?

と思われる方もいるかもしれないが、
それほどまでに私は、"家庭教育"されている。

『そもそも行くな!』と聞こえてくるが、付き合いや仕事というものがあるのだ。

そう簡単に割り切れるものではない。

結婚直後はもちろん誘いを断り、仕事であっても行かなかった。


誘ってくる既婚者の友人は許可なくガンガン行く人が多い。


仮面でも🎭
誠実を貫いていた私だが、

家でたまたま水商売の話題になった事があった。



『海外出張で工場から接待された時の話なんだけど』 

『工場の社長らは接待に困ったのか?、カラオケに私を連れて行き、そこで5人くらいのイケメン風の男性をつけてきた事があるのよ。中途半端なホストみたいなので笑ったわ。』

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今だ!と思い、

ガールズバーに仕事で行くケースについて、
話題をはさんでみた。

妻『"場合によっては"、お店に行く事もあるよね』

一応の許可を得た。

(しかし、この許可はトラップなのでは?)

との疑いは晴れないもので、
産み出したのが『事前電話』である。

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前置が長くなったが、


居酒屋で知人に
『若い世代と話をちゃんとしているか?』と聞かれた。


知人はネット関連の会社運営をしており、女子大生インターンをたくさん雇っている。

人件費は多少赤字でも採用を続け、一定卒業する人を見込んで、良い循環を作っている。

知人に比べ、私は流行や世代間の感覚にやや遅れていると感じたようだ。

確かに私もインターン生を何人も雇ってきたが、結局は経験値のある育休女性メンバーが中心になってきている。
なかなかインターン生で上手くいく子は少なかった。

社風が今の世代に合わないのかもしれないし、
業務難易度が高く、期待値も高すぎた可能性もある。メンターとして不足していたのかもしれない。

(社員が多くない企業では、中途採用人材や同世代中心に参画し、経験者中心に固められる事も多いと思う。)

いずれにせよ、若手とガッツリ話す機会はここ半年減っていた。

そこを見透かされたか、


知人
『脳みそ老化したくなかったらガールズバーに行くのだ。』

(じぶんがこの後行きたいだけじゃ?)


というツッコミは言わなかったが、


老化まで言われたら、
何としても若返りしたくなる。

...
....

結局冒頭のガールズバーのトイレに行き着く。 

入店前の電話は間に合わず、店内で急ぎトイレに駆け込んだのだ。

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久しぶりの女性店に涙しつつ、

女性の話に集中する。

短いスカートがチラつくが、
集中するのは脚ではない、
話である。

人は考える脚である。

そんなくだらないネタを思いつきながら耳を傾ける。

分かったことは、
みんな推し活をしている。


昔でいうファン活動や応援が推し活として
言語化されただけとも言えるかもしれないが、

ネットで簡単に推しが見つかる現在、
vtuberから日向坂、ビジュアルバンドまで多種多様なジャンルを女性スタッフは推していた。

ここまで浸透しているのか。 

そんな気づきに感動しつつ、
時間はあっという間に過ぎた。  

知人はなぜか、
女性に説教していた。

(...こういうタイプいるよな)

またまた心のツッコミをおさえて、
感謝をのべた。

知人の言う通り、学びがたくさんあった。
関わりが少ないことに反省した。

一応スタッフとLINE交換しておいた。
情報交換は大切である。

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その後、人件費はキツイが、
新しいインターン生に来てもらう事にした。

彼はフレッシュな思考で、いろんなユーザー目線を教えてくれる。


また彼の話をたくさん聞く時間を増やした。


いろんな改善に繋がり、
色々なアイデアが浮かぶようになった。
効果抜群であった。

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ガールズバーの帰り、

薄暗い店内から明るい出口に向かう。

エレベーター前で
女性スタッフが並んで私に挨拶をしてくれた。


出口のLEDライトが女性スタッフにあたると
よく見ると若手ではなく、同世代であった。

なんならちょっと歳上である。  


接待してくれた人で、
気が合いら長く話せたのは
同世代以上であったのだ。


これが脳みそ老化の兆しなのか。

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