マーラーの未完の遺産:交響曲第10番の輝き
マーラーの交響曲第10番は、未完のままに終わった悲劇的な作品でありながら、その補筆完成版には私の心を捉える何かがあります。私のコレクションには、この交響曲の既発のディスクがほぼ全て揃っています。
デリック・クックによる補筆完成版が最も有名ですが、他にも多くのバージョンが存在し、それらに対する批判も多いのが現状です。マーラーマニアの友人でさえ、第2楽章については「全くなってない」と否定的な意見を持っています。
しかし、私にとってこの交響曲は、マーラーの全作品中でも特に際立っ