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プーさんの甲子園独自の目線で解説 第96回選抜大会 大阪桐蔭ー報徳学園 準々決勝

第96回選抜大会 大阪桐蔭ー報徳学園 準々決勝

見どころ
大会屈指の甲子園常連校同士のベスト4をかけての白熱の戦いが始まる。ハイレベル同士で高い期待が持てる試合。最近はどの世代でもレベルの高い選手を出場させ、当然のごとく、上位進出の大阪桐蔭。先発平嶋は最速154キロの真っ直ぐで打者を手玉に取る本格派ドラフト候補。このピッチャーの立ち上がり次第でゲームが決まるのでは。一方報徳学園は去年も春の選抜で準優勝の強豪校。圧倒的な投手陣や、鉄壁の守備陣で勝ち上がってきた。選抜は今朝丸。去年もブレークした長身本格派右腕は去年からどんな成長を見せているのか注目だ。二番手の真木も内外角に素晴らしいコントロールを持っている計算できる投手なので報徳はなんとか2点、3点以内で失点を抑えたい。ベスト4をかけた白熱の戦い、プレイボール!!

先発
大阪桐蔭 平嶋
報徳学園 今朝丸

1回表 大阪桐蔭の攻撃
今朝丸の立ち上がり。早速1番境がセンター前ヒット、2番吉田がバントで流れるような攻撃。3番徳丸との勝負。徳丸の兄は智弁和歌山高校の4番バッターで同じく甲子園に出場している、エリート野球一家。徳丸にはストレートで勝負し三振。この回はストレートで押している印象だ。インコースも意識していて、内外にきちんと投げ分けて甘いボールがあまりなく、素晴らしい立ち上がり。ピンチを迎えだがなんとか抑えた。特に5番山路に対してのギアを上げたピッチングは見事だった。フォークも投げていたが、低めにいっていて見事だ。結局ショートゴロに抑えて無失点。0ー0
1回裏 報徳学園の攻撃
平嶋の立ち上がり、少しボールが荒れている印象だ。1番の橋本にはフォアボール。両チームとも先頭バッターが出塁。やはり、平嶋コントロールが乱れていて、続くバッターにも四球。立ち上がり、浮き足立っている印象の平嶋。3番西村はエラーでノーアウト満塁のチャンス。王者大阪桐蔭らしからぬ守備だ。ここで4番斎藤がレフトへのタイムリー。先制は報徳学園。平嶋はここの場面で146キロのストレートを計測。まだコントロールが定まっていないが、要所要所でいい球がいっている。そしてセカンドゴロの間に追加点。2ー0。ここでもう一点追加点を取ると大阪桐蔭にとっては痛い痛い失点になる。報徳にとっては今日の勝利への大事な1点となりそうだ。さあどうなる?結果はセンターライナー。2ー0。
2回表 大阪桐蔭の攻撃
平嶋はコントロールが安定しないが一方今朝丸はコントロールが安定している。立ち上がりは見事なピッチングだ。今朝丸は左足を上げて右足に溜める間がとてもよい。しっかり右足に体重が乗ってから、投げているのでしっかりとしたいい球がいくのではないか。この回は3人でリズム良く三者凡退。
2回裏 報徳学園の攻撃
平嶋はこの回はリズムよく、投げ込み、抑えていきたいところ。肌寒い中の試合なので、右のお尻のポケットに手を入れる動作が多い気がする。この回は開き直ってコントロールも少し安定してきた。表情も良くなってきた。結局二つの三振を奪って三者凡退。リズムが出てきた。
3回表 大阪桐蔭の攻撃
ストレートも低めに決まっていて、フォークも低めにいいところに決まって素晴らしいピッチングだ。打線は2回り目。最速は151キロの今朝丸。結局三者凡退。
3回裏 報徳学園の攻撃
試合が落ち着いてきた印象。どちらが動いてくるか。平嶋の替え時はいつになるのか。平嶋はボールが先行するがその後ストライクを投げ込んで粘り強く投げている。ストレートの力は申し分ないので安定したコントロールになれば面白くなってくる。この回も三者凡退。両チーム三者凡退が続く展開になる、好ゲーム。
4回表 大阪桐蔭の攻撃
先頭の徳丸は打球がとても鋭い。打球速度がとても速い。左のいいバッターだ。高校通算27本塁打。将来ドラフトにかかるだろう天才スラッガーだ。結果はセカンドファインプレでセカンドゴロ。この回はいい当たりが続くバッティングを大阪桐蔭はしたが鉄壁の守備で三者凡退。試合が落ち着いている。
4回裏 報徳学園の攻撃
先細ファインプレーの山岡がヒットで出塁したが続く打者はダブルプレー。結局三者凡退。
5回表 大阪桐蔭の攻撃
この回はなんとか先頭が出てチャンスを作りたい。今朝丸は今日はなかなか失投がないので難しいがこのままだとズルズルいってしまいそうなので、なんとかしたい。結局先頭バッターは出れなかった。今朝丸は満面の笑顔ではないが少し笑顔も見られるようになった。そんな中小学生時代オリックスJr.の選手だった成長著しい宮本が内野安打で出塁。ようやくランナーが出てこの回がチャンスで、ここぞの場面で西谷監督が動いた。内山が代打で打席に。平嶋は交代となる。つまり継投となった。名将西谷采配どうなるか。最後は145キロの内角ストレートで三振。結局無得点。
5回裏 報徳学園の攻撃
二番手の南に交代した大阪桐蔭。コントロールとストレートの質が素晴らしい安定したピッチャーだ。ストレートが糸を引くような魅力ある真っ直ぐだ。惚れ惚れしてしまう。球速は140キロには届かないが何度も言うが質が素晴らしい。簡単に三者凡退。南の安定した落ち着いたピッチングで抑えた。
6回表 大阪桐蔭の攻撃
試合は後半開始。2ー0で進んでいるがどちらに流れがあるかと言ったら流れはどちらでもない。一つの些細なワンプレーで試合が動きそうだ。この回は俊足の境から。なんとか出塁したい。やはりポイントとなるかもしれない。境が内野安打で出塁。ノーアウトから足の速い境が一塁ランナーに。なんとかこの回是が非でも1点は取っていきたい。少し今朝丸、徳丸、ラマルとの対戦で力が入っている。高めに球が浮いてきた。徳丸はセカンドゴロ。ここで4番ラマルと今朝丸の3度目の対戦。大会屈指のピッチャーとバッターのワクワクするような対決だ。ここの対決は今朝丸がインコースに投げ切りショートゴロに。ポイントとなるイニングは無得点。
6回裏 報徳学園の攻撃
南はコントロール抜群。テンポよく投げ込んでくる。最速は146キロだ。だか斎藤が2本目のヒット。ツーアウトから、出塁。少しランナーを背負うとコントロールがバラけるが次の打者を三振。この回も0に抑える。
7回表 大阪桐蔭の攻撃
6回まで無得点の王者大阪桐蔭。どんな攻撃で追い上げを図るのか。注目だ。なんとか今朝丸をマウンドから引きずり下ろしたいところ。球数は80球を超えてきた。この回もゼロを刻んだ。三者凡退。
7回裏 報徳学園の攻撃
報徳はなんとか追加点をあげたいところ。打線がいい大阪桐蔭なのでいくらでもビッグイニングは考えられるため、1点でも多く追加点をあげたい。しかし南は落ち着いている。コントロールが抜群だ。結局三者凡退。白熱した投手戦になっている。
8回表 大阪桐蔭の攻撃
残り2イニング。1点ずつを返してもやっと同点のスコア。なんとかこの回得点をもぎ取りたい。しかし簡単に今朝丸が崩れずツーアウト。しかししかし、境がツーアウトから、ストレートを思いっきり引っ張ってライト線へのスリーベースヒット。ツーアウトから大チャンスに。今朝丸にとっては一気に大ピンチに。球数が100球に近づいてきた。そんな中吉田が流し打ちでレフトへのタイムリーヒット。今朝丸をようやく捉えた。これで一点差。勝負強い徳丸が打席に。ここで打線が繋がればビッグイニングになる可能性が高まる。ここがこの試合のターニングポイントだ。ツーアウト一塁。抑えられるか、好投の今朝丸。好打者ラマルに繋げられるか、徳丸。同点になるか、報徳が粘るか、緊張が高まる中、臨時代走の境が盗塁するが徳田が強肩を披露しランナーを刺した。スリーアウト。2ー1
8回裏 報徳学園の攻撃
ここで大阪桐蔭、継投。3番手で中野がマウンドに。気迫溢れるピッチングが持ち味。躍動感が感じられるフォームでストレートで押してくる。この回を三者凡退で抑えて9回に繋げられるか。逆転をして勝利するにはこの回0に抑えるしかないと言っても過言ではない。しかしヒットとエラーでワンアウト1、3塁に。先頭を三振に抑えて中野の良い滑り出しに見えたが、一気に大阪桐蔭にとってはピンチに。逆に報徳は突き放すチャンス。2回目のターニングポイントだ。中野はこんな場面でも笑顔が出る余裕も見える。気迫も十分だ。フォークで西村を三振。ツーアウトとなり、打者は今日二安打の斎藤。少し投げ急ぎが気になる中野。ここでやはりストライクが入らなくなる。斎藤はフォアボール。ツーアウト満塁から安井が四球の後の初球をライトへ引っ張ってタイムリー。これで貴重な貴重な追加点。3ー1。これは大きい。押せ押せムードの報徳。報徳の魔曲アゲアゲホイホイがボリュームを増す。大阪桐蔭にとってはもう一点も与えられない。緊迫した場面。ここでなんとピッチャーのワイルドピッチで4ー1。大阪桐蔭にとっては痛恨の失点。大粒の雨が降ってきた。3点差。もうこれ以上は追加点は与えられない、王者大阪桐蔭。去年の準優勝の雪辱を果たしたい報徳。準決勝に勝ち上がるにはこのまま安全圏で9回に繋げられる。ここは抑えて4ー1で9回に。
9回表 大阪桐蔭の攻撃
さあ最終回、王者大阪桐蔭がついに追い詰められた。ここで涙を飲むのか。それとも王者の意地を発揮するのか。雨が強くなってくる。今朝丸は淡々と最終回も投げ込んでくる。ここで球数が100球を超えた。先頭出られるか。今朝丸抑えらるか。結果は徳丸をセカンドゴロ。大事な先頭を抑えた今朝丸。続くラマルには全てストレートを続ける強気のピッチング。さあラストボールは?真ん中高めのストレートで空振り三振。見応えのある対戦だった。さあ報徳あと1人で準決勝。山路はファーストライナーでスリーアウト。結果は報徳学園が4ー1で勝利。王者大阪桐蔭を見事に抑えて準決勝進出。

感想
大阪桐蔭の平嶋はコントロールが安定しない中で序盤に2点を失う形となり、最後までそれが響いてしまった。2番手の南は惚れ惚れするストレートを投げ込む落ち着いたピッチングで抑えていた。しかし3番手中野が先頭は素晴らしい入りでゲームに入ったが、自らのエラーなどでピンチを広げてしまい、ワイルドピッチなどもあり、4ー1と点差が開いてしまう形となり、結局、8回に一点差まで詰め寄ったが点差が開くといった悪循環になってしまった。たらればになるが、中野があの場面で3人でリズム良く抑えていたら、9回の反撃で大阪桐蔭が勝利していたかも。
一方報徳は初回に2点を上げたのが勝利への決め手となった。立ち上がりが安定しない平嶋をうまく攻めての先制は見事な攻撃だった。そしてなんと言っても今日のMVPはピッチャーの今朝丸だ。糸を引くような真っ直ぐに、低めに決まるフォークボール、内外にコントロール良く決まる制球の良さで最後まで衰えなかった。球数は100球超えていたが驚異のスタミナで投げ切った。8回の報徳の攻撃もさすが。大阪桐蔭中野が投げ急いでいたのを察知したのかフォアボールから、一気に追加点を挙げたのはやはり、昨年の選抜準優勝の経験が功を奏したか。やはり強豪校同士の行き詰まる対戦、手に汗にぎる見事な投手戦で見ていてハラハラさせられた。素晴らしい試合、お疲れ様。