A001_反対意見「こんなことやっても意味がない。他にやるべきことがある。」
【1】あなたはどう反応しますか?
これからのことを皆で話し合っていたときです。ある方のアイデアが大変に素晴らしく、あなたも他の方々もその素晴らしい意見に賛成しました。
話は進み、「どうやってやっていこうか、あれをしようこれをしよう」と誰もが協力の姿勢です。
皆の話が盛り上がり始めたころ、冒頭の反対意見が表明されました。
「こんなことやっても意味ないですよ!
もっとやるべきことがあるじゃないですか!」
さて、あなたはどう反応しますか?(どう思いますか?)
候補を10個挙げました。いかがでしょう。あなたの反応に近いものはありますか?
あいつは何言ってるの?意味がない?意味ないわけないでしょ。実際、こんなにみんなで盛り上がってるのに。
また始まった…。もうあの人をグループに入れるのやめようよ。話し合いたくないよ。いっつも反対反対って…。嫌な人。
え…。待って。みんなで楽しくやろう!って盛り上がってきたのに…。「もっとやるべきこと」って…。すごい盛り下がる…。
こわっ!真面目過ぎ…(笑)何言い始めると思ったら…。
意味ない…。たしかに意味は無いかもしれないけど、もっとやるべきこと…もちろん、やるべきことがあるならやった方がいいけど…。やるべきことって何だろう…。やっぱり、あの件かな…。
これ以上良いアイデアなんて無いと思うけど、「もっとやるべきこと」って何だろ。めんどくさいことじゃなきゃいいけど。
協調性無いなぁ…。この場であんなこと、あんな言い方でするなんて、態度悪すぎ!
学級委員長かよ…。めんどくさ。
なんで議論を根底から壊そうとするんだろ…。やだやだ。
なんで今になって言うの。もっと早く言えばいいのに。
【2】ファシリテーターならこう反応する
おっ。すごい本音だ。意味ないとか強い表現!もっとやるべきことがあるって、どんなことだろう。このアイデアよりももっと優先度の高いことってどんなことだろう。気になる!!
【3】ファシリテーターならこう関わる
〇〇さん。ここまで多くの方々はこのアイデアに賛成で、今もこれから具体的にどうやって進めて行こうかという話が展開しはじめたところだったかと思いますが、〇〇さんは「もっとやるべきことがある」と自信を持っておっしゃられた。その「もっとやるべきこと」について聴かせてもらってもいいですか。(好奇心を全面に持って、お願いする)
【4】ファシリテーターならこう考える
「こんなこと」と言っているが、この人は「このこと」をどんなふうに捉えているのだろう。気になる。
「意味ない」と言っているが、そこまで言い切れるだけの考え・思い、そして根拠があるのだろう。是非聴かせてほしい。
「もっとやるべきこと」と言っているが、このアイデアよりも優先順位が高いこととは一体どんなことだろうか。興味深い。
ファシリテーターは、相手の物事の捉え方や考え・思い、意図を決めつけようとはしません。「聴いてみなければ分からない」を大切にします。
【5】ファシリテーターはなぜそう考えるのか
ファシリテーターは、賛成を「賛成する人」とみなし、反対を「賛成するにあたって条件を提示している人」とみなします。
つまり、反対を「賛成する人には見えていない『問題・課題・阻害要因・優先順位』が見えているからこそ、成し得る態度表明」と定義します。
だから、反対意見は興味深いのです。
仮に、当初素晴らしいと皆が絶賛していたアイデアが、徐々に進行するにつれて大きな問題に直面するかもしれません。
やがて訪れる大きな問題を「今」この場で気づき、対処しておくことができる可能性を秘めているのが「反対意見」です。
「こんなことやっても意味ないですよ!」
「もっとやるべきことがあるじゃないですか!」
上記のような発言に対するあなたの捉え方が、このnoteをご覧になる前と後とで、少しでも広がったなら……有難いです。
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