#7 破天荒なホストマザーと完全アウェーなPartyNight☆
留学初日。長時間のフライトで疲れていた私はホストファミリーの家につくとシャワーをあびて、すぐに寝てしまった。
ドアをノックする音で目が覚めた。外はすっかり暗くなっていた。
ドアを開けると中年の、肉付きのいい女性が立っていた。ホストマザーだ。
家に到着した時は謎の青年が迎えてくれたので、この時初めてホストマザーと対面した。
「Hi! Nice to meet you」
笑顔で挨拶してくれた。私も「Nice to meet you too」と笑顔で返事をする。
ホストマザーが何か喋っているが、あいにくほとんどききとれない。唯一きき取れたのが「I have a party with my friends. Do you wanna come?(今日パーティあるけど一緒に行く?)」というお誘いだった。
パパパパーティ?!
と思ったが、
当時の私は誘いはなるべく断らない精神でいたため、2つ返事で
「Yes!」
と返事した。
ホストマザーが「じゃあ準備して8時くらいにでかけましょ」
といいドアを閉めた。
当時の私はこの後起こる悲劇を知るよしもなかった…
8時になりホストマザーがノックでしらせる。準備をした私達は家を後にした。
ホストマザーは黒のミニワンピ姿に、コートを羽織っていた。
車の中で、「日本人よね?」とか簡単な英語で一生懸命話しかけてくれるホストマザーと対象に、私は相槌しか返すことができなかった。ほとんど言っていることがわからず、自分の英語力のなさに悲しくなった。
しばらくするとホストマザーはとあるアパートの前の道路に車を止めた。彼女について行きアパートに入ると、部屋は薄暗く、アパートの一室にミラーボールかレーザービームか不明だが、中はネオンで光っていた。
ホストマザーがひととおり彼女の友達に私を紹介していた。
「この子が新しくきた留学生よ」と紹介してくれたので私も「初めまして」と笑顔で挨拶を交わしていった。
しばらくすると彼女は「あっちで話してくるから、ご飯食べてて」と言って私のそばを離れていった。
しかたなくテーブルにあったチャーハンみたいなご飯をよそって端の方で食べた。正直味は覚えていない
数十分たっても彼女は私の側にはこず友人達と喋っている。ときどき「大丈夫?」と様子を見にくることはあったが、すぐに別のところに行ってしまった。
そんな彼女はときどき部屋の真ん中で友人たちとダンスをしたりしていた。
私も音楽聴いて楽しもうと思っていたが、流れている音楽はヒットチャートに乗るような洋楽のPOPミュージックというより、ラテン系?の音楽で、聞きなれないリズムと音楽に衝撃を受けた。
(リズムに)乗れねぇ〜、わかんね〜(泣)
日本では数回クラブに行くことはあり、最新ヒットチャートは割と分かる方だと思っていたがほとんどラテン系の音楽で何の曲かさっぱりわからなかった。
ノリノリのホストマザーとその友人達を眺めながら、次第に後悔がつのってきた
なんて場違いなところにきてしまったんだ!
こんなことならお家でゴロゴロしている方がましだった。
後悔してもしきれなかった。
ずっと泣きそうだった。
楽しかった日本での生活が走馬灯のように蘇った。
ひとりでボーっとしているとおじさまが1〜2名ほど喋りかけてくるが、壊滅的に英語が話せない私と話してもつまらないため、2言3言会話すると、すーっとおじさま達も私から離れていき、アパート到着から帰るまでほとんど一人で過ごした。
私に無関心で踊り倒し、飲み倒し、友人達と喋ってご満悦なホストマザー。
そんな彼女に「そろそろかえりましょうか」と声をかけてもらった。
私のこと覚えていてくれたんだと少し安心した。
時刻は確か11時〜0時頃だった。この人飲酒運転してないかな〜と思ったが、海外では合法なこともあるため、そこまで気にはとめなかった。
車を走らせていると警察が検問していた。どうやらアルコール検査をしているようだ。
少し緊張した様子のホストマザー。車の窓を開けてホストマザーと警察が何か喋っている。彼女は車のライセンスカードを警察に見せて、その後呼気検査を受けた。
無事検査を終え、警察が通してくれた。
通りすぎた途端ホストマザーが
「YES!」
と満面の笑みでガッツポーズをした。 とても嬉しそうだ。
どうやら彼女は本当に飲酒運転をしていたがバレなかったらしい。(基準値内だったのか?)
パーティーで彼女がシャンパングラスを持って飲んでいるのを見ていたので、呼気検査大丈夫かなと心配していたが、大丈夫だったようでその後の車内でハイテンションだった。
飲酒運転こわ〜と思いながら無事家まで到着し、
案の定その日はホームシックになって眠りについた。
今日の学び
「仲良くない人のパーティには行かない」
そんな破天荒なホストマザーだが、
その後も彼女の破天荒さを知ることになるのであった…
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