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大学の財政状況を知るヒント&国公立大学への転職がNGな理由

ラクそうな大学職員という職業。
実際は部署や季節によりますが、競争が激しくなっていることやコロナの外部要因により、昔ほど余裕はありません。どの大学に転職するべきか、高校生はパンフレットやDMで選んでしまいがちですが、それは大学の良し悪しを決める目安にはなりません。制作会社や印刷業社の努力により、見栄えだけ良いものに仕上がることは多々あります。それでも視覚から入る情報を元に、印象を持ってしまいがちです。

本日は大学へ転職したい方のために、間違って財務状況の悪い私立大学に入職しないために見ておくべきポイントや、国公立大学への入職がいかにNGなのか体験談を元にお届けします。

「財務状況」といえば簿記を勉強したことある方なら、各大学が公表しているバランスシートや項目の意味を理解されると思いますが、学校会計は少し分かりづらいのが現状です。そのため、財政状況の悪さが浮き彫りになっている場合や、大学の持つ考え方にも違いが見られますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

後半は国公立大学への転職を取り上げます。
また一見すると安定していそうな国公立大学ですが、入職して知った内部の状態は悲惨なものでした。私は旅行会社から公立大学に入りましたが、いかに世間とズレて居心地が悪かったか思い出したくもありません。いち早く私立大学へ転職しようとし、今に至ります。特に一般企業から国公立大学への転職をお勧めしない理由を3つお伝えしますので、ぜひご参考になればと思います。

大学の収入源「検定料収入」

検定料は1回の受験で3,000円〜60,000円と、様々です。共通テスト利用入試だと手数料感覚で安くなる傾向にありますし、その他の入試では一般的に30,000円が多い印象を持ちます。医療系は50,000円を超えることはよくある話です。

この検定料はそのまま大学の収入源となります。
大規模大学だと年間20億、検定料だけで利益をあげているものです。その額は、小規模大学の年間収入額とほぼ等しく、財務状態の規模の差は明白です。

千葉工業大学がコロナに便乗し、2021年度入学の試験で共通テスト利用入試の検定料を無料にし、その年の志願者上昇大学No.1になりました。入学すればこっちのものと思ったのか、2022年度入試も継続していますし、他の大学では今まで15,000円かかっていた共通テスト利用入試の検定料が、3,000円とか5,000円で受けられるようになりました。大学側としてはデフレ状態にあるものの、やはり定員割れのリスクを回避する方策と考えたのです。

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