ジョンガル

こんにちは。ジョンガルです。ふだんは小説を読んだり、小説を書いたり、ときどき仕事をした…

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こんにちは。ジョンガルです。ふだんは小説を読んだり、小説を書いたり、ときどき仕事をしたり、遊んだりしています。映画と漫画と小説が好きです。よろしくおねがいします。

最近の記事

読むことについて

読むって行為は、とても不思議な行為だと思います。 ここに一冊の本があって、文字が書いてあって、ぼくはそれを読むことができる。 ただそれだけの行為ですが、ぼくの内面で何が起こっているのか、ぼく以外の誰も知りようがありません。 本当に読んだのかどうかすら、分かりません。 長編小説を読み終わって、感想を言ったりあらすじを説明したりすれば、他人は「ああ、この人はこの本を読んだんだな」と勘違いしますが、実はネットで事前に内容を調べておいただけかもしれない。 速読について調べたときに、そ

    • これが推し活か! いや、ちがうか?

      昨日は、当て所なく街をうろうろしていたわけです。 いやまあ、当て所なく、というのはウソで、例によって古本屋などを巡りながら、ときどき喫茶店に寄っては、戦利品を眺めてにやにやする、という作業をくりかえしていました。 昔、植草甚一が好きで、自分を植草甚一に準えて悦に入っていたものですが、昨日は久しぶりにそんな感じに振舞いました。 しかし、じつをいうと、ぼくの心はそんなふわふわした楽しい気分ではありませんでした。 ぐろぐろと得体の知れない不安が渦巻いている。 この不安をなんとかした

      • たぶん、まちがっている『松本人志』と『ながい坂』

        松本人志さんの悪行が話題になっていますね。 人によっては、日本版MeeToo運動とも言います。 松本さんは、文春に書かれた記事の内容を認めていないようですが、数々の証言が上がっていることから、見解の相違はあるにしても、事実そのものはあったのではないかと思われます。 少し前に、園子温監督の、似たような悪行も話題をさらいました。 園監督の映画が好きだっただけに、とても残念に思うと同時に、映画の内容を考えると、「さもありなん」とも思いました。 どうも、こういう事件は芸能界にはありが

        • ふしぎなできごと

          これはぼくが、むかしアルバイトをしていた警備会社でのできごとです。 警備員には、いくつかの種類があります。 工事現場の警備員もいれば、要人警護なんていう煌びやかな仕事もあります。 ぼくがやっていたのは施設警備でした。 24時間張り付いて、廃墟になったホテルを見張るのです。 倒産したホテルに、一年契約して宿泊料を先払いしている住民がいました。 ホテルは倒産したので、宿泊料を返せません。 しかし住民は納得がいかないので、自分の泊まっていた部屋にそのまま居座ったのです。 ホテルの経

        読むことについて

          今度こそ!まちがっていない(はずの)創作術

          創作術の本をたくさん読んでいます。 どれくらい読んでいるかというと、たぶん千冊くらい。 小説の書き方、シナリオの書き方、戯曲の書き方から、プレゼン術、TEDトークの本、文章の書き方、ブログの書き方などなどなど。 そんなに読んでどうするの? ってほど読んでます。 ほとんど創作術マニアです。 そんなぼくが最終的に「これに尽きるな」と思った本が、 スティーブン・キングの『書くことについて』です。 「なんだ、超有名な本じゃないか」 とがっかりされた方がいるかもしれません。 でも、いい

          今度こそ!まちがっていない(はずの)創作術

          たぶんまちがえている『立禅』論

          こんばんは。 最近は投稿をがんばっています。 いままでは、ぼくのやってきたことや考えを(なぜか)なるべく外に出さないようにしてきました。 なぜかはよくわかりません。 出しちゃいけないような気がしてきたのです。 親の教育のせいか、人生の紆余曲折のせいか、さまざまなことに興味を持ち、いろいろなことをしてきたのに、全部、誰にも何も言いませんでした。 なぜだろう。なぜなんだろう。どうしてぼくは自己開示できないんだろう。 そこで今まで全く語ることがなかった件について、初めて語りたいと思

          たぶんまちがえている『立禅』論

          【小説】『金賀堂古書店』

          ※これは、以前ぼくが書いた小説です。おもしろいかどうかわかりませんが、ここに発表します。 ================================  由藻氏はよく金賀堂古書店に通った。  N駅という、由藻氏の自宅の近所にある駅は、JRと地下鉄のそれぞれの駅が重なっており、近隣地域のターミナルとして機能している。それなりに大きな駅の駅前に古くからある金賀堂古書店は、そこそこ客が入ってはいるものの、あまり商売上手とはいえない店主の施策により、廉価なリサイクル本をあまり

          【小説】『金賀堂古書店』

          山本周五郎『さぶ』における構成について

          こんばんは。まじめなタイトルですが、タイトルで期待してはいけません。 どうせ、ぼくの戯言ですから、お時間の許す人だけ、ゆるゆると読んでくださいね。 『樅ノ木は残った』を読んで以来、山本周五郎にハマっていまして……というほど読んでいないっちゃあ、読んでいないんですが、『さぶ』も読んでみました。 いまのところ、一番好きな作品かもしれない。 文庫本で一冊で終わるところがいい。 栄二とさぶの友情の話がいい。 どうして山本周五郎が好きなのかって考えたときに、思い出したのがケストナーです

          山本周五郎『さぶ』における構成について

          山本周五郎『樅ノ木は残った』の凄み

          最近になっても、宮藤官九郎さんが『季節のない街』を映画化するなど、人気の作家、山本周五郎。 漫画家の望月ミネタロウさんも、『ちいさこべ』を原作にした漫画を書くなど、一部に根強いファンがいる山本周五郎ですが、一般の読者、特に若い読者は読んでいるのでしょうか。 ぼくはもともと黒澤明監督のファンなんですが、黒澤監督は生涯に監督した30本の映画のうち、3本(『椿三十郎』『赤ひげ』『どですかでん』)が山本周五郎の原作であり、遺作として遺した脚本(『雨あがる』小泉堯史監督作品)の原作も山

          山本周五郎『樅ノ木は残った』の凄み

          手塚治虫の『ブッダ』はすごい

          手塚治虫の『ブッダ』ってすごいなーという話 いまさらですが、手塚治虫ってすごいな、と思います。 すごい作品はいろいろとありますが、ぼくとしては『ブッダ』を一押しにしたいです。 なぜか。 もともと仏教が好きで、いろいろな本を読み漁っているせいかもしれません。 数ある手塚作品のなかで、わりとまとまりの良いほうの作品だからかもしれません。 『火の鳥』は壮大すぎて、ついていけないところがある。 『ブラックジャック』は玉石混交で、おもしろい話とそうでないものがある。 『ブッダ』は、い

          手塚治虫の『ブッダ』はすごい

          エンタメと純文学のちがい2

          ごめんなさい。ちっとも記事を書かないジョンガルです。 NOTEの偉大なプログラムの賜物か、ぽつぽつとスキをしてくれる方がいらっしゃり、人知れず励まされています。 であれば、もっと記事を書きなさい! と自分自身に突っ込みを入れますが、なかなか書けません。恥ずかしくって。 先日も奇特な方が、スキをしてくださったので、「ああ、こんなこと書いたんだなー」と思い出して、うっかり昔の記事を読み返しました。 「エンタメと純文学のちがい」 なんて恥ずかしいお題なんでしょう。 以下のような突っ

          エンタメと純文学のちがい2

          たぶん、まちがえている村上春樹の小説論

          こんにちは、ジョンガルです。 前回投稿してからだいぶ月日が経ちました。 不定期投稿といえど、いいかげんにせい、という月日が経っています。 しかし最近、こんなぼくにも、スキをしてくれる人が現れて、それでやる気がでたので投稿してみます。 …で、なぜか村上春樹論 みなさん、村上春樹の小説は好きですか? いままでいろいろな人にこの質問をすると、大好き、という人と、大嫌い、という人がいて、どっちでもない、という人は少ないみたいですね。 嫌いな人はまさに蛇蝎のごとく嫌っているようで、こう

          たぶん、まちがえている村上春樹の小説論

          エンタメと純文学のちがい

          おはようございます。 はじめての投稿になります。 だれが読んでくださるのかわかりませんが、とりあえずおはようございます。 最近、2本の映画をたてつづけに観ました。 『女神の見えざる手』と『モーリーズゲーム』です。 ともにアマゾンプライムビデオで、いまなら無料です。 アマゾンプライムに加入しているひとは見て損はないと思います。 どちらもすごくおもしろいです。 しかし2本を比較すると、共通点と相違点が際立っていて、ストーリーのおもしろさとは別に、ちがうおもしろさが

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