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沖縄に縁もゆかりもない僕が三線屋を始めたきっかけ

知ってる人も知らない人もご覧下さって有難うございます。夢弦流三線店というお店を始めた克樹と申します。


普段はギターを中心とした講師活動をしておりますが、ひょんな事から気付けば世界一の三線屋になるという目標を掲げブランドを立ち上げました。
そこで今回はただの三線講師だった僕が何で三線屋をやろうと思ったのかお話ししていきます。

適当に運営していたセカンドchだったはずのギターチャンネルが先に1万人行きました。嬉しいけど不本意です、何故だ。。

僕は大きな夢に破れた

3年前のワンマンライブ

僕は2年前までとあるシンガーのプロデュースをしておりまして、それこそ東京ドームで1万人のお客さんの前で演奏するのが夢です!という感じのtheインディーズミュージシャンのテンプレだったわけなんですが、5年経っても一向に売れる気配も無く結局はシンガーのハンドリングさえ出来なくなって終わりました。シンプルに僕が無能ゆえに失敗して夢もお金も失いました。

鎌倉で根っからの商売人である事に気付く

お金は無いが暇を持て余したのでそこから2週間に一度の頻度で鎌倉に足繁く通いだしました。単純に寺とか神社の造詣が好きだったのと昔から鎌倉の雰囲気が好きだったからです。今思えば時間を潰せればどこでも良かった説もありますが。

鎌倉の瑞泉寺
江ノ島の巌谷もかなり好きです

そこで殆どの寺やハイキングコースを散策した中で常にここをこうしたらもっと人の流入を増やせるなとか、ここのお寺の知名度を上げるとしたらこうゆう施策が打てるなとか考えていました。

ふと僕は有名になりたいのと同じ位商売が好きだった事に気付きました。

三線屋が手っ取り
早そうだったから

そうと決まれば何をするか?と考えるわけですが、新規の生徒さんが入って来るたびサウンドハウスさんとかアソビバさんや宮古木工芸さんを紹介してたわけですが、ふと自分で作って売ったら良くね?と思ったのがきっかけです。

三線は本物のニシキヘビの皮を使った楽器です

凄いエピソードを期待してた人はごめんなさい

そもそも三線始めたのも恩師の小雨さんに「ギター弾けるんだから何とかなるっしょ?」って講師の代理を頼まれたのがきっかけですから。

ってな感じでそこから直ぐにfacebookで職人を探して早速会いに行き、自分のやりたい事を伝えたところ「全然いいよ!!」みたいな沖縄らしい軽いノリで始まりました。僕は全く木工の知識もなければ技術もありません、だからうちはいわゆるOEMという形態なのです。

因みに今も分からない事は電話とか突撃訪問して聞いたりしてます、お世話になった方や企業さんには儲かったら絶対10倍にして恩返しします!

世の中に欲しい三線が無かった

これ言うとかなり怒られそうですが、ぶっちゃけ僕が欲しいなーって思う三線に今まで出会った事がありませんでした。動画でも言ってますが僕は楽器を選ぶ基準は見た目が第一です。そんな僕からすると100万の三線も5万の三線も多少の違いはあれど大きな枠で見たらどれも同じに感じてしまいました。

断っておきますがそのどれもが楽器として素晴らしいクオリティなのは間違いありません、ただ僕の琴線には触れなかっただけです。

自分が心から欲しいと思える三線を作りたかった

だから僕は自分のモデルを作る事にしました。僕が100%納得出来るクオリティで、心の底から欲しいと思える三線を作る事を第一の目標にして今猛烈に動いています。その為にお店を始めて早々に資金繰りに悩まされてるわけですが。

三線にイノベーションを
もたらしたい

ぱっと見同じですが20万から
100万まで色々あります

三線は並べられたら見た目だけで違いを判断するのは困難です。言い換えれば伝統的な作りから殆ど変わってないとも言えます。ギター歴が長いのもあってギターのイノベーションを何度も目の当たりにしてきました。もちろん賛否両論だと思いますが、破壊と創造こそが物事を進化させる最も大事なことだと思います。

このギターは1本で色々な音を出す為に中身の
6割が機械で埋め尽くされてます

恐らく三線組合などに入ってたり三線で生計を建てられているお店や職人には色々なしがらみでそれが出来ません。でも僕は幸いな事に自分で勝手に三線の流派を立ち上げたし、誰かの元で人を集めてるわけでもないし、講師というメインの仕事もあるので好き勝手が出来るのです。失敗しても全然良いと思ってるので遠慮無く新たな試みを試しまくっています

三線職人の生活を守りたい

僕の親父は製本屋の社長でした。子供の頃から自然と会社の職人達に可愛がって貰ってたので、従業員や職人を大事にしない会社や業界が大嫌いです。

新たに三線を始められる方の多くはAmazonとか楽天とかで三線を買われると思いますが大体35000円くらい、人工皮の安いやつとかだと2万円台で買えるはずです。

そうゆうのが売れるほど三線全体の相場が下がるし、結果的に職人は超薄利多売を強いられる事になります。

蛇皮の下にナイロンの布を挟み強度を高めた
強化張りと呼ばれる三線

具体的に数字出すと色々面倒なので割愛しますが、強化張りでざっくり材料費と備品で20000円くらい+郵送料4500円(沖縄から本土はマジで高い)+サイトの手数料が約5%+基本お店が職人に発注してるので販売手数料が引かれるとして恐らく1本売れて職人の手元に残るのは実質4000円とかでは無いでしょうか。

何年も厳しい修行と努力を重ねた結果がこれです。以前取材をした宮古木工芸の与儀さん曰く三線職人になると言ったら親戚一同や友人から全力で止められたそうです。それほどまで厳しい上にもはや商売として認知されてないのです。

因みに蛇皮をボディに貼り付けるだけで2〜3時間位かかるはずなので1日に2本作れたらいい方だと思います。これで真っ当な生活が出来るとは思えません、そしてここに家賃とか光熱費とか計算に入れたら手取りはもっと少ないはず。

三線製造や販売を含め構造改革が必要である

でもお店も搾取したくてやってるわけじゃありません、競合がいる中で安売りすれば取り敢えず売れるだろうと場当たり的な施策に走ってしまったのだと思います。僕はこの流れを絶対に変えたい。

職人が安心して暮らせる環境を
作らなければ三線のクオリティを
上げるなんて到底出来ません。

現に激安三線は色々なところで手抜きをしてるので、買って間も無くチューニングやらネックの状態の問題で修理が必要になります。売れるほど職人は疲弊するしお客さんも嫌な気持ちになるし三線を辞めちゃうことだってあるかも知れません、要するに安売りって全員不幸になってくだけです。

文化を継続させる為には綺麗事
だけでは絶対上手くいきません
プロデュースを失敗した僕は身を持ってそれを痛感しました。

そしてお情けや行政に頼り切るのも限界があります。だからビジネスとして成立するようにとことん変えていくしかありません。

なので夢弦流の三線は絶対に
安売りしません

厳しい事を言うとプロのギタリストから見て仕上げの粗さや、クオリティに対する意識や対応の杜撰さが見られるのも事実です。お客様の殆どは本土の人間ですし世界一と言ったからには必ず海外進出もしなくてはなりません。
その為にはてーげー(適当)だったり、うちなークオリティでは絶対に許されません。根底にある意識から変えていく必要が絶対あります。ですから偉そうに言うからには先ず結果を出さねばなりません、ここでは分かりやすく売上ですね。

ワシントン条約で規制されている高級な黒檀をネックに使っています

因みに職人には出来上がった時点で報酬をお渡ししてるので、売れない場合は僕だけが責任と損を被るだけです。なので絶対に妥協もしません、少しでも気になる事があれば職人に具体的に指摘して改善するように申し伝えますし、コストカットや効率化は膝を突き合わせ一緒になって考えて全力で行動します。

お客様には僕が本当に良いと思った三線を見合ったお値段でご提示していきます。それは儲けたいというよりはそれを元手に僕は更に新たな挑戦をしていきたい。

因みにマンドリン屋としても世界一を目指します、職人を育てる為の不動産業や泡盛事業にも進出するつもりです。僕は音楽家と実業家の二つの夢を死ぬまで追いかけたいのです。まあ長くなるのでそれはまた別の機会に。

というわけでこんな僕を応援してやってもいいな!と思って下さったら
是非ご支援よろしくお願いします!

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