土産話

クライアントを交えた宴が開催された。

クライアント先に自転車が趣味な若者がおり「この連休は何処へ行った。昨年はまだママチャリだったが東京から四国まで行った」という話に「アホなんじゃないだろうか」と思いながらも、そういった場で「この連休何をした?」という話題が止めとけばいいのに僕にも振られてきた。

ウチのディレクターが言う。
「なるほど、凄いですね…。色んな所へ行かれているんですねぇ。ウチのメンバーは…。そうですね、城西も結構やりよるんですよ。おーい、城西。この連休何かしただろ?何か面白い話聞かせて!」

雑な振りにイラッとしたので「いやぁ、僕何も面白いことしてないです。単純に帰省する時に渋滞が邪魔くさかったくらいの話題しかないですよ」と適当に返す。

「いやいや、帰省先で何か良い事あったんじゃないの?何した?(笑)」
「いや、本当に何もしてないです。昔のツレとも今はそんなに会わないですし。親戚回りしたくらいですよ」
「そうか…。すみません、面白い話出ませんでした!(笑)」

「あ!でも面白いか分からないんですけどね。僕結構Facebookで昔のツレと今でもめちゃ仲良くて連絡とるんですよ。で、『帰省してま〜す』的なことを投稿するじゃないですか?」
「お、そういう話、そういう話!」
「そしたらある後輩の女の子が『○○ちゃんと飲んでるけど来る?』って連絡くれたんですよ」

「お!それで?行ったんでしょ?」
「いやぁ、行かなかったんですよ。ってか、僕昔地元にいる時その2人共とエッチしてるんで、そこに合流したら絶対3Pでしょ?それはもうスケベなオトコ共が憧れる逆3なわけですよ。あ、ちなみにオンナ2人の3Pってやったことあります?」

その場の全員が「このヒト何言ってるの?」といった表情をしたのが分かった。加えてテーブルの向こう側で全く別の話題で盛り上がっていたグループもこちらに耳を傾け始めたのが分かった。
「僕に振るとこうなるだろうが」と思いながらも後にも引けないと構わず続ける。

「カラダ目当てって分かってるんで『恐くて行きませんでした』って話です。だって僕も2人の乳首の色も乳輪のデカさも今でもはっきり覚えてますからね。そんなのと会ったら『今はどうなんだ?』ってなるじゃないですか」

更に「このヒト何言ってるの?」って顔でクライアント先の方々も困惑した表情を見せながらもとても興味が有りそうだ。
ディレクターが間を取り繕いつつ続ける。
「今日だけ!本当ここだけの話にしましょう。男性しかいないから、ね!今まで一番凄いの『こんなことした!』みたいなの何かある?」
「いや、そんなのないですよ。その話だって結局行ってないですし凄くもないでしょう。日常会話ですから(笑)」
「何だ?この展開は…」そう思いながらも皆が何か聞きたそうだ。

「分からないですけど、めっちゃ美人とやった時って顔にぶっ掛けたくなりません?昔モデルと同棲してた時めっちゃやってました。アレ多分コンプレックスから綺麗なモノを汚したくなる欲求だと思うんです。分かります?」

遠くからおしぼりが飛んできた。
だから止めておけば良いのにと思っていたんだ。

帰りにディレクターが自転車好きの若手に詫びていた。
「何だか済みませんね。彼が全部持っていっちゃったみたいになってしまって...」

「持っていっちゃったじゃねーよ」と見切りをつけた僕は、2次会へは行かず夜の街へと消えた。

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※逆3に発展したオンナ友達宅での飲みの場のエピソードはコチラから。


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