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森美術館で女装っ娘を探してきたよ

六本木ヒルズにある森美術館で、9月24日まで開かれていた「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」に行ってきました。
現代アートのオンパレードで、すごく面白かったです(語彙力)。
トーハクの浮世絵の女装探しのように、最初からアートにある女装っ娘を探しに行ったわけではないのですが、菊地智子さんという1973年生まれの写真家が中国のプロ女装(ドラァグクイーン)たちを撮った「Iand I」という一連のシリーズがとても印象深かったです。
印象深かったのは、写真にあった説明で知った中国の女装者への社会の受容の変化です。菊地さんが2005年に北京の女装たちと初めて会ったときは、社会の片隅でひっそりと隠れるように生きていたのが、数年後には社会で認められて、普通の食堂にいるところ、2008年以降は重慶という地方都市で、みずからのアイデンティティをドラァグクイーンとカミングアウトしてる1985年以降生まれの若いドラァグクイーンなど。
女装への社会への認知・許容度は、日本では2010年ころから一気に上がってきましたが、この写真の説明を読む限り中国ではもっと早かったのかもしれないというのは、意外でした。
というのも、「韓国・中国は儒教の影響で、同性愛に歴史的に寛容だった日本よりも、女装を含めた同性愛には社会的に厳しい」という定説を、訪日して日本のハッテン場に来た韓国人や台湾人から聞いていたからです。中国大陸では文化大革命などの共産化で一度、旧来の常識がオールリセットされているので、もしかしてジェンダーの越境についても認容が早く進んだのかしら?とか想像しました。
今の中国の習近平体制はリメンバー文革なので、進歩的なトランスジェンダーやドラァグクイーンたちが抑圧されていないかは、心配なところです。

ちなみに、一女装者として、この一連の写真、とくに後者の重慶の女装子をドラァグクイーンとするのは、森美術館のような意識高い系でも、ドラァグクイーン(LGBTのGゲイ)と、女装(LGBTのTトランスジェンダー)との違いが分かってない(知らないで、知った気になってる)んだなぁと、たぶんドヤ顔して鑑賞してました。

そして、現代アートの総まとめ展ですから、〈ジェンダーをトランスしない〉日本で主流である女装スタイルの先駆者、森村泰昌さんの作品もありました。






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