儲かる医者・倒産する医者

前回の話と逆に、地元の心ある医者の話

年齢や持病以外で、経営上の理由で「店じまい」した医者がいた。

うちの家族もよく通った医者だ。

医者が店じまいするなど、めったに聞く話ではない。

お医者さまであれば基本的に、現実的な範囲で融資はほぼ無限に受けられるわけだし、医師だけの税制上の優遇もある。

その医者は、とても腕がよく、県内最大の公立病院の部長まで勤め、整形外科を独立開業した。

本当に商売気が0で、

住宅街の路束帯のようなスペースにある質素な建物
見た目度外視の「実務的な」最少人数のスタッフ(約3人)
しかし、無駄な処置、無駄な金は一切とらない優しさ
必要であれば他の専門医をすぐに紹介する
広告・宣伝一切なし

というようなスタイルで約20年弱運営していた。

軽傷だったときは1,000円もとらないことも何度かあった。

骨折のときでさえ、10,000円も取られなかったと記憶している。

マイナスの話としては、

客の関係ない話を遮る
無愛想
客が分からないと怒気も含んだしゃべり方になる

など、客の機嫌には一切配慮しないところがあった。

そういった経営を20年弱続け、ある日
親族伝手に、「あの先生閉めて〇〇病院で勤めることになったんだって」と聞いた。

同時に、経営状況の話とかも。
狭い地域だと、親族に金融機関勤めなどがいればそういった情報はすぐに流れて来る。

本当に資金繰りが立ち行かなくなったとのことだった。
医者でも経営できなくなることがあるんだとその時驚いた。

あの、ピンセットで5分で5,000円請求された皮膚科の話
あまりに対照的で

仕事って何なんだろう?
サービスって何なんだろう?
人のためって何なんだろう?
経営って何なんだろう?
社会って何なんだろう?
この世ってなんなんだろう?

やっぱり狂ってるな
と思わざるを得ない出来事でした




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