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サタンに憑りつかれた弟(ひどい!)

志田わらびです。
連続投稿を目指していましたが、
昨日、
お休みしました。
毎日はできなくても
書けたら投稿していきたいと思います。

今日は、小さな弟が中2のある日のおはなしです。
弟はちいさくてかわいかったので、
文中ではまろくんと呼びます。
本名も素敵な名前なんですけどね✨


登校拒否のまろくん

まろくんが学校に行っていたころは、
母はエホバの証人からは抜けていましたので
学校での活動も、
みんなと同じように参加しながら育っていました。
でも、学校に行けなくなる理由は
宗教に限らず、ほかにも色々あったのかもしれません。
まろくんは途中から学校に行かなくなりました。

学校に行くのが正解、当たり前
という考えからなかなか抜け出せない時代、
困ったことだと
家族中で悩んでいました。
今から思うと、ほんの一瞬休憩していただけのことです。

ちょうどそのころ、
私は一回目の離婚をして、
実家に帰っていてまろくんと一緒に暮らしていました。
そういうのも、男子としては
うざかったかもしれません。

毎日、母に小言をいわれ続けて
まろくんは部屋で、布団をかぶって丸まっていました。
亀が甲羅に手足と頭をひっこめているみたいな形でした。
私は、もしかしたら、体育祭のときに履いていく白い靴がないから、
いやなのかもしれないと詮索して、
「明日一緒に靴を買いに行こうか」
と言いましたが、
「ううん」と、蚊の鳴くような声で辛うじて返事をしてくれただけでした。

学校の先生が家まで来てくれたときには、
布団を頭から体に巻いて、
本当に貝殻の閉じたみたいな形になって、
かちんかちんに固まっていました。
その時は、家に誰もいなくて、
「先生が来てくれたのに、顔も出さんて
どういうことなん」
と、私はまろくんにすごく怒ったのを覚えています。
布団をはぎ取ろうとしても
ぎゅんぎゅんに握って、はぎ取ることができませんでした。
中2は力持ち。

まろを殺してオレも死ぬ

そんなある日、
母が「あの子、私に皿を投げて反抗してきたわ」
と、父に言いました。
それまで、母は毎日まろくんになんやかんや
小言を言っていましたが、
父は、なんにも言わずにいました。
でも、それを聞いたときに
なにかスイッチが入ったのか、
「あのやろーゆるさん!オレが成敗してやる!」
と、包丁を持ち、まろくんの部屋へ向かっていきました。
私はあわてて
「そんなもんもってどうするんや」
と、父に抱きついて制止しました。
「はなせ!まろくんを殺してオレも死ぬ!」
「どうしてそうなるのー!」
私は、なんとか父から包丁を取り返しました。
私の力で取り返せたのだから、
父も全力ではなかったんだと思います。
脅しの演技だったのかな。
それならそれで腹が立ちますけど。
まろくんは、階下でこの出来事があってから、
私たちが部屋に来たことを知らないと思います。

この子にはサタンが憑りついてるんや

丸腰(笑)の父が母と一緒にまろくんの部屋に入っていきました。
私もついていきました。
危険があったら、また体を張って阻止せねばなりません。
父は、涙と鼻水を垂らして
おいおい泣き始めました。
「なんでオレらの気持ちが通じんのや。
みんな一生懸命やないかー。」
すると母が
「この子にはサタンが憑りついとるんや」
と言いました。えっ?
これには驚きでした。もう、
エホバの証人の活動は抜けたけど、
いま、この場面でそれ言う?
「そんなら、みんなで祈るんじゃ。まろを返してくれ。オレたち家族を守ってくれ。
アーメン。」
と父が言うので、これまたびっくりでした。
アーメンてあんた…。

この時のことを、まろくんは、私の妹である、彼の姉に、
大人になってから話したそうです。
「なんか、僕のまわりで祈祷みたいなことになった」
と。
かわいそう。トラウマね。

もう、ほとんどギャグ
ありえない愚かさです。
思い出したら、笑えて涙が出てきました。
でも今、こうして、笑い話にしていることが
本当に信じられないくらい、
その時は、悲しかったです。
もう死ぬかと思いました。私も父も弟も。

私にできることはなんだろう

当時、よく行っていたお店のマスターに
ふと弟が学校に行かなくて、
と漏らしたことがあります。
そのとき、マスターは言いました。
「だいじょうぶだいじょうぶ。
彼は、みんなより一足先に大人になってるだけだから。」
その言葉に少し救われた気がしました。
確かにまろくんは
いつも家では私たち年の多い兄姉に囲まれて、
大人のなかで育ってきたし、
ちいさい子らしく
無邪気にしていられなかったかもしれません。
そう考えだすと、
もっと優しくしてあげればよかったな。
と後悔の気持ちが生まれますが、
もうあの頃には戻れないから、
なにもできないのならせめて
今は、余計なことを言わない
おねいちゃんでいようと思っています。

いつか、
私の目から見た
家族の様子を知ってもらえたら。
少しでも不可解だった事を解かすきっかけになったら。
それも余計なお世話かもしれないけど、
ここに書いておこうと
思いました。
今はまだ秘密のnoteですが。

Thank you for your reading my story. 
ありがとうございました。




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