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腸内細菌と私 第6章 いかされている自分とは



いかされている自分とは


大切なのはまず自己を知ることです。そして現在の意識の位置からポジティブゾーンに自分の意識を高めていくこと。そのためには主体的な努力と謙虚さが必要になります。一方ネガティブゾーンに入ると、人はなんの努力をしなくとも簡単に滑り落ちてしまいます。すなわちネガティブな想念は気を付けていないとどんどん意識に染み込んでくるのです。つねにポジティブゾーンに意識をとどめるのはなかなか難しいことなのです。
自己を知ることが大切だといいましたが、それは究極的には「生かされている自分」を自覚することだと思います。そして生かされていることに対する感謝の気持ちを知り、その気持ちを忘れないことでつねに明るく前向きな感情が湧いてくるものと考えます。
いったい、生かされているとはどういうことでしょう。地球上に生かされている植物や動物、腸内細菌によって生かされている自分を認識することではないでしょうか。こうした自分を素直に受け入れ、感謝する心と互いに助けあう心を大切にする。そのことが頭でだけでなく、心の底から本当に理解できたとき、自分を知ったといえるのではないでしょうか。
 

常識にとらわれない自分になる


現在、世の中の価値観は大きく変わってきています。荘子の書に「無差別の自然」という考え方があります。それは「汚いときれい」「長命と短命」「幸福と不幸」といったものは人が勝手に定めたものであり、本来の自然は「ありのまま」ですべては等しいのだという思想です。人の力でどうしようもない場合は、運命に従うのが至上の徳だということが説かれています。幸福も不幸も同じだったらどんな運命にも従えるし、不安もなくなってくるわけで、一切をすべてあるがままに受け入れることにもなり、「生と死」すら等しいものであるという考えに行きつきます。それは虚無主義ではなく、死をも恐れなくなるという肯定的な側面を持っています。
今までの常識にとらわれることなく、いま生きている自分は社会のおかげ、家族のおかげ、そのずっと以前に、自分を生かしてくれているもう一人の自分(腸内善玉菌)のおかげと気づいて、共に社会に役立つ無限の可能性を持っている自分を発見してほしいのです。
おなかで息をするということ(腹式呼吸のすすめ)
 

長生不死の薬は己の中に


人は本来健康で活力に満ちた生涯を送る潜在的エネルギーを持っています。にもかかわらず現代文明の中で自ら、その生命力にブレーキを掛けているように思えてなりません。
白隠禅師の言葉に「長生不死の薬は、己以外のどこを探してもみつからず己の中にある」とあります。しかし多くの人の生活は自らの力を心配事や恐怖心などで蓋をして、自ら出せるエネルギーにブレーキを掛けているように思えてなりません。この蓋をはずす方法として深くおなかの底から息を吐き出すようにしましょう。

腹から息を吐くことでストレスを軽減


現代の情報社会と長引く不況の中で個人的にも社会的にもストレスは増すばかりです。ストレスは、おなかの善玉菌にとって最悪です。腸内善玉菌のおかげさま、という視点に立って善玉菌にやさしい生活の工夫をすることも大切なことです。
私たちの行動を活発な方に向けるのが交感神経の働きで、興奮を鎮めリラックスに向けるのが副交感神経の働きです。車に例えると、エンジンのパワーを引き出すアクセルが交感神経系で、車のスピードを制御するブレーキにあたるのが副交感神経系であり、この両方を使い分けることで車の安全運転が保たれています。

ストレス過剰の現代社会

において、人々は常に交感神経系優位の状態にいます。本来、心穏やかに暮らすには副交感神経系が優位であるべきといわれます、当然、意識的に副交感神経系を働かせることが必要とされるのです。
交感神経系を抑制し、副交感神経系を賦活させるために、リラックス療法がいろいろ考案されていますが、何より簡単な方法は、ゆっくり長く息を吐くことです。吐く息に心を集中し、とにかく息をはく、ハク、吐く。最後の一滴までも吐き出すこと。交感神経系優位の自律神経系をコントロールする有効な方法が、息を深く吐くことなのです。

江戸時代の白隠禅師から脈々と伝わってきた方法

に、丹田(下腹)を鍛える意識呼吸がありますが、人は頭ではわかっていても実際はなかなかそのとおり意識を集中することができません。しかし、息を深く長く吐き出すことは、理論などわからなくても誰にでもすぐに実行できます。例えばカラオケを楽しむ、詩吟やお謡い、お経を読むのも同じく深い呼吸そのものです。
その他、日常生活のあらゆる場面で、意識して深く長く息を吐くと、すべての面で好結果が生まれます。電車の中で吊り革を持って立っているとき、議論をしていてカッカするときなど、この腹の底をゆっくり空っぽにする呼吸をしてみてください。
何ごとが起ころうともびくともしない精神状態を、「肚が据わっている」といいます。肚が据わるということは、自律神経のバランスが非常に良くとれており、副交感神経、交感神経が、いつでも、いかなるときでも、調節機能を発揮できるということです。
このように副交感神経の賦活は、疲れた脳を癒し、新たに脳の覚醒と活動をもたらすとともに、おなかの緊張もとれ、腸内善玉菌にとって好ましい環境になります。
おなかいきいき健康法ですすめる息を深く長く吐く呼吸法は、ストレスを軽くするにも大いに役立ち、腸内悪玉菌の繁殖を抑えるのに役立つ方法です。

リラクゼーション入門 軟蘇の法
https://www.youtube.com/watch?v=uMoVfPqYBbA&t=155s

健将グループ

https://www.youtube.com/watch?v=72WvaErN1OY&list=PLvvlO1rJRqzkdENcD5H1XVIP1s-UO1qWK&index=3

次回は 第6章 4つの健康より良く生きるためにです。お楽しみに。


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