マイアミ

自己紹介記事アップしました。読んで下さいませ。【短編小説】是非読んで下さい。

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最近の記事

偏見と平等 第三話【短編小説・ショートショート】

ピピピピピピピ……。 目覚まし時計が鳴り、私はガバッと飛び起きた。 睡眠時無呼吸症候群だろうか。起床してからも息が詰まっているような感覚がある。 酷い悪夢だった。人事AIが学習を重ねて偏見と不平等を身に着けるなんて。 けれど、あり得ない話ではない。人事AIが機械学習を重ねてどのように進歩していくかはブラックボックスで、開発者にも予測することは不可能なのだから。 『人事AIはいずれ必ず破綻をもたらす』。 私は考古学者となって元上司の言葉を掘り起こした。この忠告には黄金の

    • 偏見と平等 第二話【短編小説・ショートショート】

      次の日。 目覚めると、私は高級ホテルのプールサイドで長椅子に腰かけていた。ビキニにサングラス、そして麦わら帽子を被り、日傘が影を作る中でのんびりと羽を伸ばしていた。サイドテーブルにはトロピカルなカクテルとタブレット端末が置かれ、真夏の刺すような陽射しがプールの水面で反射していた。 「入ります」 プールサイドの反対側から声が聞こえた。 視線を向けると、そこには畳の敷かれたテラスがあり丁半博打が行われていた。銀髪、白髪の男性たちが大勢たむろする中、ふんどし一丁姿の壺振りが指に

      • 偏見と平等 第一話【短編小説・ショートショート】

        人間には先入観や偏見を持たずに平等な判断を下す機能が備わっていない。 これは長年人事部で経験を積んできた私が辿り着いた結論だった。 見た目、人柄、人付き合い、結婚、妊娠……。仕事の実績とは関係ない事柄がバイアスとなり、人事担当者の目を曇らせる。その割を食うのは、多くの場合私を含めた女性社員たち。数値化できない物事のせいで不当な評価が下され会社内での地位が、いつまで経っても向上しない。 そんな不都合な真実がまかり通っているのが大企業という場所である。 個人の力で状況をひっく

        • 自己紹介

           初めまして、マイアミです。 昨年読んだ本、120冊の中から選んだベスト3 ・語学の天才まで1億光年 高野秀行 ・スマホ脳 アンデシュ・ハンセン ・アルルカンと道化師 池井戸潤 詳しい感想は読書メーターに載せてあります。 1位は断トツで「語学の天才」です。 感想を、高野さんにご本人にリツイートしていただけたから。というちょっと不純な理由も含めて。 高野さんの本はどれも面白いです。納豆シリーズは特に。 好きな番組ベスト3 ・ゲームセンターCX 初めて見たのは地上波で放映さ

        偏見と平等 第三話【短編小説・ショートショート】

          マガマガ 第3話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          私こと(PRK‐0000)AKAオルガ・キムはニュートンタウンの地下三階、擬人専用訓練施設にいた。 ドーム型の空洞内に、ダーウィンタウンを模した建物があり、物影で息を潜めている兵士たちの姿が擬人の全方位視野で確認できた。兵士たちは戦闘用のボディアーマーをまとっていた。擬人の研究によって造られた全身を覆う戦闘用防護服だった。 残り時間三十秒。網膜に埋め込まれたコンタクトレンズ型端末の視界に、訓練のタイムアップまでの時間が表示された。 隠れていた兵士が数名飛び出してきて、構えた銃

          マガマガ 第3話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          マガマガ 第2話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          ダーウィンタウンの住宅街に銃声が響いていた。 僕こと(KOR‐0001)AKAユン・祇園は中国語でティレン(擬人)と呼ばれる戦闘メカに乗り、敵を背後から追跡していた。 ティレンは人型をしたメカで、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)によって自分の体のように自由自在に動かすことができる。 僕はティレンの電動式銃のバレル(砲身)をショットガンタイプからアサルトライフルタイプへ変更し、装甲の剝げた頭部をエイムしてトリガーを引いた。 集弾率が悪く一部の弾丸が頭部に残っている装

          マガマガ 第2話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          マガマガ 第1話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          「肥満は犯罪だ!」 校門のそばにいた卒業生一同が、(USA‐0213)AKA千代丸・メランコリーを指差して叫んだ。 待て待て待て待て。 ここから物語を始めるのは良くない。唐突過ぎる。かもしれない。 もう少し前から回想を始めようと思う。 そんなことができるのは、僕が死の間際にあり走馬灯を見ているからだ。 背中をショットガンで打たれ、地面にうつ伏せに倒れ、ずたずたにされた背中から血を流している。 裏切者が僕のことを見下ろし、複雑な表情を浮かべている。 泣いているのか?  笑って

          マガマガ 第1話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          マガマガ あらすじ【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          僕、AKAユン・祇園は、死の間際にあり走馬灯を見ていた。 eWarゲームのランカーである高校生の僕は、教室で卒業証書を受け取ると『お礼参り」を済ませ、正門で幼馴染の千代丸とベガと合流し、千代丸の誕生日を祝った。 千代丸は巨大なケーキを平らげるが、そこにジュリエッタの罠が仕掛けられていた。 千代丸のBMIが25.0を超え肥満と判断され、警察に拘束されてしまう。 怒りで我を忘れて暴れた僕も拘束され、人体実験場送りにされてしまう。 人体実験施設で175と出会い、僕は戦闘メカティ

          マガマガ あらすじ【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          コラテラルー転生という名の災害ー あらすじ【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          十年前。災害により、心身に傷を負った月山玲と東根イマは、記念式典で再会する。 月山の「許す」という一言で再び救われた気持ちになるイマだったが、自分の狡さも自覚していた。 月山のスマホが震え。上司から自衛隊に災害派遣行動が命じられたことを知る。イマにその機密情報を伝えると月山は現場へ向かった。 イマは名誉挽回の絶好の機会だと捉え、月山を追って災害現場へ向かう。 イマは葛藤を抱えながら災害現場の撮影を終えると、そこへ自由党の党首・遊佐未来から連絡が入る。 殺された児童は転生者に

          コラテラルー転生という名の災害ー あらすじ【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          コラテラルー転生という名の災害ー 第3話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          「番組の途中ですが、報道特別番組をお伝えします。番組の途中ですが、報道特別番組をお伝えします。間もなく最上総理の会見が始まる予定です。総理が会見場に現れました。それでは総理官邸からの中継です」 総理大臣の最上は一礼して話し始めた。 「えー本日午前十一時二十分頃、世田谷区三軒茶屋大風第二小学校にて転生者が確認されました。死傷者が発生したことに伴い、防衛大臣が自衛隊に対して災害対策行動が発令し、これを排除いたしました。排除から一時間後の午後一時三十四分にJアラートは解除され………

          コラテラルー転生という名の災害ー 第3話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          コラテラルー転生という名の災害ー 第2話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          東根イマは大風第二小近くに聳え立つ十階建てのマンションの駐車場で天童と長井と合流し、最上階の1012号室まで来ていた。月山から災害対策行動の場所を聞かされた直後、友人の美雪に連絡を入れ、撮影の協力を求めたのだった。 ウーーーーー。 スマホから不気味な警報音が鳴った。 「緊急安全確保。緊急安全確保。至急安全な場所に避難してください。至急安全な場所に避難してください」 「悪いけど私はこの子と隠れてるね。すみません。何のお構いもできないで」 「いえ、こちらこそ突然押しかけてしま

          コラテラルー転生という名の災害ー 第2話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          コラテラルー転生という名の災害ー 第1話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          代々木第一体育館。 インターハイ東京地区予選決勝。 昨年のインターハイ覇者名桜学園 VS 昨年準優勝の清和高校。 「ディーフェンス、ディーフェンス」 「オーフェンス、オーフェンス」 大歓声がこだまする第四クォーター残り三分。 電光掲示板に表示された得点は名桜学園86点。対する清和高校は84点。 ブザー音が鳴りタイムアウトが明けた。 パスを受け取った清和高校キャプテンの月山玲(つきやま・れい)は名桜学園キャプテンの大蔵とスリーポイントラインを挟んで、一対一向き合っていた。二人

          コラテラルー転生という名の災害ー 第1話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          ILIA≠(AILI) ―イリア・ノットイコール― 第3話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          「死ねやぁ!」  空から降ってきた一鉄は、『三つ巴』の三人とアイリの間にドスン音を響かせて着地し、間髪入れずフェイに殴りかかった。  ブオンッ。  しかし、拳は空を切っただけだった。  フェイは拳が顔面を捉える直前、何もない空間に向かってバク転していた。 「フェイ!」  アイリは叫びながら通路の縁まで駆け寄り、下を覗いた。  落下したフェイは、手すりも何もない幅三十センチ程の細い通路の上で、体を前後に揺らして「おっとっと」とバランスを取っていた。 「大丈夫?」とアイリが訊ねる

          ILIA≠(AILI) ―イリア・ノットイコール― 第3話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          ILIA≠(AILI) ―イリア・ノットイコール― 第2話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          「俺達『ホーククロウズ(鷹の爪団)』からよお、簡単に逃げられるとでも思ってたのかよ?」  運搬型ドローンの上に乗った赤髪リーゼントのリーダー格の男が言うと、 「そうだ」「そうだ」「そうだ」  と同じ格好をしたリーゼントの三人が続けた。  裾にリブがついたストレッチ素材の黒のジョガーパンツ。青いチェック柄のネルシャツ。背中に龍が描かれた黒のスタジャン。唐辛子のレリーフがあしらわれたシルバーネックレス。黄色のサングラス。リーゼントのサイドには爪で引っ掻かれたかのような剃り込みが施

          ILIA≠(AILI) ―イリア・ノットイコール― 第2話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          ILIA≠(AILI)  ―イリア・ノットイコール― 第1話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

           月面開発公社の超長望遠カメラが、月と地球の間に漂う夥しい数のソーラーセイル型太陽光発電機を捉えていた。  誰が操作しているのか不明だが、超長望遠カメラがズームされ地球がクローズアップされた。さらにズームされ日本列島が。さらにズームされ沖縄諸島が。さらにズームされ沖縄本島が。さらにズームされ沖縄本島の立体構造乱立都市がクローズアップされた。  都市の四方は壁で囲まれ、大小様々な高さと広さを持ったビルが隙間なく乱立しひしめき合っている。ビルとビルの間には蜘蛛の巣のように張り巡ら

          ILIA≠(AILI)  ―イリア・ノットイコール― 第1話【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          ILIA≠(AILI) ―イリア・ノットイコール― あらすじ【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】

          「キャアアア」。 月の望遠カメラが沖縄立体都市をズームし、高層ビルから突き落とされた女の子アイリを捉えた。 他方、都市内部の監視カメラはフェイ、ドゥンビア、ゼフラの三人を映す。彼らは追跡するリーゼント頭の四人組を振り切ろうと高層ビルから飛び出した。 フェイとアイリはビルの合間転落する中で運命的な出会いをする。 二人は何とかエアマットに着地し事なきを得るが、リーゼント軍団に追いつかれてしまう。 ドゥンビアの作戦で一時は撃退したかに思えたが、リーダーが舞い戻り、戦闘が始まる。 再

          ILIA≠(AILI) ―イリア・ノットイコール― あらすじ【ジャンププラス原作大賞・連載部門応募作品】