昨日4/26(金)、Vシネクスト2本立て「キングオージャーＶＳドンブラザーズ」「キングオージャーＶＳキョウリュウジャー」が公開され、早速見てきたので感じたことを書いていく。
まずは「キングオージャーＶＳドンブラザーズ」編。
【ネタバレ注意】

メタ的な笑いが多く”戦隊的しきたり”をとっぱらった「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」と王と民と反逆をシリアスに描いた「王様戦隊キングオージャー」、全く異なる世界観で描かれた作品たちが一つの物語に集約されたら一体どんなことになってしまうのか。とにかく楽しみで仕方がなかった。

結論から言うと、最初から最後までニヤケっぱなしだった。面白すぎた。

ドンブラザーズのやりすぎなくらいのふざけた展開にキングオージャーのメンツがナチュラルに乗っかっている一方で、キングオージャーらしいしっかりとしたストーリーラインがいい塩梅で描かれる。脚本は「ドンブラザーズが大好き」と言う高野水登さんことたかみな先生。タロウ役の樋口幸平さんは井上敏樹大先生が書いたのかと思ったと舞台挨拶で語るほど「いつものドンブラザーズ」感があった。

物語は登場人物全員が死ぬところから始まる。と言うかそれがほぼメインだ。
ギラはきび団子を喉に詰まらせ、タロウは「ギィちゃんはハーカバーカ」にいるとブーンから聞き出したことでギィちゃん会いたさに自殺し、猿原とジェラミーとヤンマは嘘発見器で感電死、犬塚翼とソノニは駆け落ち逃走中のところをシュゴッダムの橋？の上から転落死、ジロウはカグラギに筋肉で勝負を挑んだ結果2人とも戦死、雉野はゴッカンで凍死、そして「ヒトツ鬼常習犯のおじさん」こと大野はトラックに轢かれ異世界転生し王様鬼となり、「もっふんといっしょ(実写版)」を鑑賞し言い争っていたヒメノ、リタ、はるか、ソノザをハーカバーカへ送り込んだ。
わけがわからないしツッコミどころしかない。しかしこれがドンブラザーズの世界だ。

個人的に興味深かったのはヒメノ、リタ、はるか、ソノザの言い争いである。
ソノザは「もっふんといっしょ」を「良作」としつつも、はるかは「この面白さが子供に伝わるのか？」疑問を投げかける。リタは自身がもっふんのオタクであることから「子供も大人も楽しめてこそ良作である」とするが、はるかは「ターゲットである子供に作品を確実に届けるのがプロだ」と譲らない。ソノザも同意する。ヒメノはリタの友達として援護するのかと思いきや「私は子供達のために作ってるんだけど…」とはるかの肩を持つ。
この批判は正にキングオージャーそのものが受けてきた批判であり、それをメタ的に作品の中に取り込んだのは非常に「ドンブラ的」だと感じた。そして批判に対する返答を「自身の作品」と言う形で返すと言う意味でストーリー制作に関わる者として模範的だと私は思った。

というわけでキングオージャーの世界で敵対したキングオージャーとドンブラザーズは戦うことになる。個人的にはタロウの「おもしろい」とギラの「何もおもしろくない」が作品の世界観の良い対比になっていたと思う。

そして王様鬼が「俺が最強！！」とか言って彼らの戦いを邪魔するのでどこからともなくゼンカイザーブラックが現れ（なぜハーカバーカにいるのか全くわからない）ドンオージャクラウンをギラとタロウに「いいもの、あるよ」と手渡す。こうして2人は共闘するのだがタロウの「ハッハッハッハッハ！」とギラの「ナーッハッハッハッハ！」が同時に聞けて大満足だった。
そして「悪い奴倒したらスッキリした」戦士たちは戦うのをやめ、和解し、王様鬼がいなくなったことで全員がそれぞれの世界に戻っていく。

そしてなぜかソノイがハーカバーカでおでん屋を開いていて、そこにタロウとギラが来店する。ソノイはギィちゃんに会いたがるタロウに「なぜ死者を求めるのか？」と問いかけ、ギラが帰る道を尋ねると「なぜ生にこだわるのか？」と問いかける。
「生きていても、死んでいても縁で繋がってる」
真面目なメッセージで締めるところはややキングーオージャー的だろうか。最後にソノイがギィちゃんに「顔を見せなくて良かったのか？」と聞くところはなかなかグッときた。
一方でエンディングで雉野が「あとはキョウリュウジャーの皆さんがうまくやってくれますよ」的なメタ発言をするのだが、これは完全にドンブラザーズのノリである。

エンディングでは後日談が流れているのだが、「スーツアクターの高田さんがあらゆるところに出てくる」という噂を聞いていたのでエンドロールを確認しつつ見た結果どちらにも集中できなかった。これはもう一回見るようだな。

にしても正直スタッフクレジットはちゃんと見たいので、パンフレットかホームページにフルで載せてもらえないだろうか…

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