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初めてV系バンドの単独ライブに行った話

先日Dというバンドの活動休止前のラストライブがあり、その2Days公演に行ってきて、初めての単独ライブへの参加だったこともあり、なかなか鮮烈な体験だったので語りたいと思う。
ライプレポートというより日記感覚で読んでほしい。

初日

私は今回が最初で最後ということでグッズを買ってメンバーとチェキが撮りたかった。お目当てはボーカルでリーダーのASAGIさん。どうしてもこれまでお世話になったお礼が直接言いたかったから。グッズの販売は16:30で終了とのことだった。ファイナル公演では限定グッズも大量に出るということもあり、売り切れないか心配だった。
私の仕事は16時に終わる。職場から会場まですごく急いで行ったとしても着くのは16:30。そもそもグッズ販売に間に合わない。しかし会場に着いてみると時間を過ぎても長蛇の列ができていた。Xを見るとグッズを求める人の多さに販売時間を延長したとのことだった。しかし列の進みが遅い。ブースを見てみると販売員が5人くらいしかおらず、一人一人がそれなりに時間がかかっている。待っていると時間は17:55を過ぎたが買える気配が一切無く、諦めて18:00の開演に間に合うように列を後にし会場へ入った。スタンディングと違い、指定席だったので入場が遅くても問題なかった。

「In the Name of Justice」で開幕した本編は、結論から言うと最高に楽しかった。Justice Dayということで、彼らが描いてきたヴァンパイアストーリーの中のJustice曲でセットリストが組まれており、私はとにかく「In the Name of Justice」が大好きなのでこれが1発目でテンション爆上がりだった。

ここで気づいたことが1つ。
私は家で音楽をかけて踊ったり、それこそヘドバンしたりもするのだが、いざライブハウスに入ると隣の人とぶつかるのが不安でなかなか思い切ってヘドバンできない。「さっきはぶつかっちゃってすみません」と一言声をかければ済む話ではあるのだが、さっぱり体が動かなかった。後半は少しコツを掴んで小さめに八の字ヘドバンをしたがコンパクトすぎてV字になっていたかもしれない。直立で八の字ヘドバンができるにはまだまだ練習が必要そうだ。折りたたみとひっぱりは、前の人との間に椅子があるので問題なくできた。
フラッグ曲(グッズの旗を振る曲)はそこまでスペースの有無は気にならなかった。というのも普段行っているアイドルのライブではうちわは胸の高さまで、ペンライトは(ジャンプなどの煽りがない限りは)頭の高さまでというのが暗黙のルールなのだが、バンドはサウンドが本分ということもありフラッグも手も頭上に掲げるのが普通。自由に手を上げてノれるのはやはりいいものだなと感じた。

あとバンギャのフリは全員揃っているイメージだったのだが、意外とそうでもなく、同じパートでも頭を振る人、手扇子する人、横揺れの人、地蔵(棒立ちの人)と様々だった。ロリータさんやメンバーコスプレの方もいるので髪型を崩したくない人もいそうだったので、自由なノリが認められている雰囲気はとても良いと思った。

あと歓声が全く違う。アイドルのライブはMCが始まり、自己紹介をした直後に名前を叫ぶくらいだし、曲の合間もメンバーを呼ばないわけではないがパラパラそういう人がいるくらいだ。しかし今回のライブは違った。曲の合間、小道具を取りに行っている間、チューニングをしている間、歓声が鳴り止まない。しかもただメンバーの名前を呼ぶのではない。「あさぎあさぎあさぎ〜!!!」と名前を連呼するのである。これはいいなと思った。客席からの声がここまで続くのはメンバーもきっと嬉しいことだろう。アイドルファンもこのくらいやってもいいかもしれないと思った。
それにアンコールも一部の人が「アンコール!」と叫ぶとそれに続けてその他の人たちが「アンコール!」と叫ぶ。アンコールが分担性なのだ。私はいつもアイドルのライブでグループ名を連呼して途中で息を切らして疲れていたのだがこの方式はとても良いと思った。これならメンバーが出てくるまで叫び続けられそうだ。

さて、ライブ終了後改めてグッズ列へ。並ぶこと数十分、ようやくお目当ての新グッズが買えた。ランダムチェキは残念ながら売り切れだったので代わりに別の商品を購入し、合計1万円にしてチェキ撮影券一枚をゲット。ここまではよかったのだが、この後衝撃の展開が待っている。

お目当てのASAGIさんの列はとんでもなく長かった。グッズを購入してその後に並んだのもあってものすごい長さに列が伸びていた。その最後尾に並んでいると急に偏頭痛が。私の偏頭痛はかなり重症で、吐き気や嘔吐が伴うものなので、これはまずいと思いすぐに薬を飲んだ。私は列で口を押さえしゃがみ込んでいたが、驚いたのが誰にも声をかけられないこと。他のアイドルのライブでは様子がおかしい人がいるとファン同士で「大丈夫ですか?」と声をかけるのが一般的なのだが、ファンはおろか、頻繁に通路を行き交うスタッフさえ全くの無視である。
しばらく様子を見ていたのだが、吐き気が改善されず、列の後ろの人に「ごめんなさい、少し具合が悪いので一瞬抜けてもいいですか?」と声をかけると了承いただけた。スタッフにお手洗いの場所を聞き会場を出て私はすっ飛んで行った。そして5分も経たずに私は列に戻ろうと会場の中へ入ろうとした。するとスタッフに止められ「どうしましたか?」と問いかけられた。「ASAGIさんの列に並んでいたが体調を崩し列を離れた」ことを説明したが、「それっていつ頃ですか?」と聞かれ、スタッフ同士が何やら話し合いを始めた。何がそんなに問題なのか訝しんだが、その理由が後ほど発覚する。
ようやく入れてもらえ、「後ろに並んでいた方に声かけたのですが」と説明するとそこに入って良いとのこと。しかし焦っていた私はその方をすぐに見つけられず、「もう撮影を終えられたのかもしれない」とその旨スタッフに報告すると「じゃあ最後尾に並び直しになります」と言われた。割り込み防止なのは理解できるが、体調不良というやむを得ない事情で抜けたにも関わらず会場になかなか入れてもらえず、挙げ句の果てに最後尾に並べとは恐れ入った。幸い私の後ろにいた方は見つけることができたのだが、その数分後「撮影会は中止です!」とスタッフが一言。確かに私がスタッフに最後尾へ促された時、ASAGIさんはスタッフと何やら話をしていた。
前方にいたファンは激怒。「どうしてくれるんですか!?」と揉め出した。スタッフは「券は明日も使っていただけますので…」と説明するが「明日は衣装違うじゃん!!!」ごもっとも。今日はJusticeの衣装で翌日はDreizehnの衣装。代替にはならない。何より、その日限りのライブ直後という興奮があるからこそ一緒に撮りたいという気持ちが高まっているのだから納得がいかないのも当然だ。「Justiceで別日対応も考えますので。」すると今度は「わざわざ行かなきゃいけないってこと!?」とまた詰め寄る。地獄絵図だった。「後ほどホームページで発表します。」という形で落ち着いたようだったが、泣き出すファンもおり気の毒だったし、私も今日撮れないなら翌日会社があるので早く知りたかった。時間を返してくれと思った。あと頭痛薬の薬代。マクサルトは10錠で4,000円くらいしてかなりお高いのだ。とにかくスタッフの対応が地獄だと思った。

運営からの謝罪

バンドの公式Xとブログに謝罪と翌日の特典会の会場変更が告げられた。会場側とスタッフの間で会場使用時間の認識に相違があったらしく、それが急激な撮影会打ち切りの理由だったらしい。個人的には経緯を説明するのは悪いこととは思わないのだが、正直、謝罪をするなら謝るだけにして経緯は書かない方が心象はいいなと感じた。1〜2時間並んだのだから残念に思う気持ちの方が大きく、理由なんてどうでもいいと思ったからだ。とりあえず、代替日は翌々日に設定された。しかしその人は私は予定が入っている。終わった後向かうと、遠方のため、かなり時間がかかってしまう。何時までやるつもりなのかくらい書いておいてくれないだろうか…。運営に問い合わせた。翌日に返事が来て、夜まで開けているとのことだったので、ライブの熱の冷めないうちに指定日に行くことにした。
翌日の特典会は会場すぐ隣のカフェスペースでの開催に変更された。そこなら深夜まで使って良いと言われたのだろう。

2日目

この日も急いで16:30過ぎに会場に着くとグッズ列はガラガラ。初日の列はみんな限定グッズ目当てだったようだ。というわけでランダムチェキも手に入った。この日は合計2万円購入し、ASAGIさんだけでなくベースのTsunehitoさんとも撮ってもらおうと思ったのだ。今日こそは絶対撮るぞと意気込んだ。

席はスタンディングで、私の整理番号は一桁代前半。「いいとこ取るぞ」と小走りでエリアに向かうともう10人以上人がいる。どういうことなんだろう…。

ライブ本編はやはり楽しく、ボーカルのASAGIさんの何がすごいかというと舞台に用意された玉座に座りながらも立っている時と変わらない声量で歌うことである。凄すぎる。あれはもはや特技だ。セットリストも良く私が日本に来て初めて買った「闇の国のアリス」を生で聞くことができた。ドラム→ベース→下手ギター→上手ギターとソロが続くことが特徴的なよくできた曲なのだが、それを生で聞けてとてもよかった。

なんだか切なかったのが、終演アナウンスの後も「アンコール!!」と叫び続けているファンがいたことだ。活動休止や解散ライブではありがちな光景なのだが実際に目の当たりにするとやはり心が痛む。

さて、問題の特典会である。「人の少なめのTsunehitoさんの列に先に並んで、ASAGIさんは後にしよう」と並んだ瞬間、スタッフから「ASAGIさんとASAGIさん以外のメンバーと撮りたい方はASAGIさんの列に先に並んでくださーい」のアナウンス。なんだそれ、早く言ってくれないか。おかげでASAGIさんの列のかなり後ろになってしまったではないか。またも嫌な予感が漂う。そもそも特典会の開始は22時とアナウンスされていたのにライブは終わったのが22時だ。
列が会場の豊洲PITを出発し別施設のカフェへと向かった。列は室外で何重にも折り返しておりものすごい人数だった。たどり着いて30分くらい待った頃だろうか。施設はガラス張りで中の様子が見えるのだが、ついにASAGIさんが登場。
お隣のRuizaさんの列から「すみません、終電やばいんですけど〜!」とスタッフえ声をかけている方がいたが「今日は終電対応しません。アナウンスでも流しています。」とピシャリ。普段は終電がある人を先に撮らせてあげていたんだろうか。しかし今回は対応しないとは、正直、やはり地獄の運営である。

ライブの鑑賞に浸り待つこと1時間、23:30頃だっただろうか。ついに順番がきた。「ありがとうございました!」と声をかけると彼は優しい声で「ありがとう〜!」と言ってくれた。声がとんでもなく優しい。さっきまで腹の底から声を出して歌ったり、デスボで歌ったり、シャウトしていた人間(吸血鬼)がめちゃくちゃソフトな声で話してくれる。これがギャップか。かわいすぎる。チェキはせっかくの「血界」ツアーということでオリジナルの「血界ポーズ」をお願いした。「ありがとうございました!また会いましょう!」と言うと「ありがとう〜!またね〜!」とまた柔らかい声で答えてくれた。かわいい。これが沼か。

続いてTsunehitoさんの列の場所をスタッフに聞くと道路を辿っていくと列があるとのこと。また豊洲PIT前へ戻って一番後ろへ並んだ。ファンのみんなが口々に「寒い!」と言っている。私は会社帰りでウールのスーツに厚手のコート、さらにファーのスヌード姿だったので寒くはなかった。防寒してきてよかった。XでTsunehitoさんが「外かなり寒いのでなるべく暖かくして来てください!」と投稿していたのだが、言うことを聞いてきてよかった。こちらは30分くらい待つと列が動き出し施設へ移動した。こちらも建物がガラス張りになっており、ファンとチェキを撮るTsunehitoさんの姿が見れた。びっくりしたのが彼が女型にも関わらずものすごく体格が良かったことだ。背中がとにかく大きかった。衣装からのぞく腕も逞しく、さすがベーシストだなと感じた。近くで見ないとわからないこともあるんだなと思った。
そして0:30頃、建物に入り自分の順番が来た。「お疲れっす〜!」と明るく迎えてくれた。「ごめんね、寒い中待たせちゃって。」そう謝って「ポーズ何がいい?」と聞いてくれた。せっかくなのでハートをお願いした。「ありがとうございました!またね〜!」とお互いに言い合ってお別れ。出来上がったチェキを見てみると彼と私の手の大きさが違いすぎてハートが綺麗なハート型になっていなかった。まあ、これも思い出だ。
帰りは父に車で迎えに来てもらい、帰路に着いた。

会場に着いた16:30からチェキ会終了後の深夜0:30まで立っていたと言うことは合計8時間以上立ちっぱなしだったと言うことになる。8時間あれば職場から家まで歩ける。震災の時も歩いて帰れるかもしれない。もうあれから二日たったが筋肉痛はおきていない。

ASAGIさん(Justice衣装)代替撮影日

この日は就労支援機関へ就職先が決まった旨を報告すべく必要書類を揃え出かけていた。その後父の車で八王子にあるStudio Rosariumへ向かった。
現地へついてスタッフに「結構並んでますか?」と聞くと「全然。2人くらいしかいないですよ〜」とのこと。階段を上がると5人前後はいた。前の人たちの会話を聞いていると、撮影の様子が見えたようで「照明付きです。前の人3分くらい話してます。逆にこっちが申し訳ないくらい…」と話していた。それを聞いた別の人は3分というのが想定外だったのか胸を手で押さえ緊張を見せていた。確かに突然「推しと3分話せます」と言われたら「えっ、何話そう、どうしよう」とはなるだろうなと納得。
待つこと20分くらい、ついに自分の番が来た。「こないだはごめんね〜。来てくれてありがとう」と相変わらず優しい声で迎えてくれた。私は話すことには迷わなかった。「昨日『闇の国のアリス』やってくれて嬉しかったです。日本に来て初めて買ったDのCDだったのですごく感動しました。」と話すと「そうなんだ!やってよかったあ」と微笑んだ。「ずっと海外に住んでいて、心が辛いこともあったけど私の育った国の言葉も曲に織り込んでくれて国や文化を嫌いにならずに済みました。心の支えでした。本当にありがとうございます!」と伝えると彼は「ありがとう。嬉しい!」と答えてくれた。「うん、うん」と頷きながら私の目を見て話を聞いてくれて嬉しかったし、何よりDのリーダーであるASAGIさんに感謝を伝えることができてよかった。時間が来るとスタッフが「ではポーズを」と促し、私は「フラッグで!」とお願いするとASAGIさんは「フラッグ!おっけい!」とノリノリでグッズのヴァンパイアフラッグを手に取り、撮影に応じてくれた。帰り際に「またASAGIさんの素敵な歌声聞かせてくれますか?」と聞くと「聞かせる!絶対歌うから。またね」と答え手を振ってくれた。
ちなみにせっかくの撮影だ!と意気込んで胸元がハート型に開いたヴィヴィアン・ウェストウッドのブラウスを着て行ったのだが白飛びして写真ではただの白いブラウスになってしまった。これも思い出だ。

これを持って私にとってのD 無期限活動休止前 Last Tour 2023~2024「血界」豊洲PIT公演が終了した。

帰りは我が家のお墓の近くを通ったので立ち寄った。お花代は「高速代の代わりに払うよ」と言って私が出した。祖父母たちにやっと就職できたこと、ここ数日かけがえない思い出ができたことを報告した。

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