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宗教や信仰についての雑記 #33

◯ミラーニューロン

みなさんは「ミラーニューロン」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
ミラーニューロンとは、霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態との、両方で活動電位を発生させる神経細胞のことです。
他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように「鏡」のような反応をすることから、この名が付けられたそうです。
そして、他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられているとのことです。

また、このミラーニューロンは言語の習得にも深く関わっている可能性があるらしいです。
まだ確たるエビデンスはないそうなのですが、もしそうだとすると、ミラーニューロンは自ら補完的な役割も果たしているようにも思えます。

言葉は便利な道具であると同時に、世界を分節化して「我」と「他者」を分断してしまうというリスクをも持っています。
ミラーニューロンはそんな言葉の習得に関わりながら、それと同時に共感作用をも司ることにより、言葉による断絶のリスクをカバーしているようにも思えます。

以前の投稿(#31)で、「実在」の「願い」が我々の存在の奥深くまで織り込まれている、と書きましたが、我々が他者に共感し憐れみの心を持てることは、その織り込まれた「願い」の表れのような気がします。
そしてこのミラーニューロンが、その「願いの表れ」が形をなして現れたものの一つのような気がするのです。

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