【詩】大木
【大木】
自分の根付いた大地を愛し
太陽と雨の無限の施しに感謝して
文句は言わずに大きくなった
嵐や風の強い日は柔軟に体を動かして
倒れないように
日照りが強い日は水を体に溜めて
枯れないように
季節ごとに綺麗に衣替えして日々を楽しむ
時に通り過ぎる人や自由に飛ぶ小鳥たちを羨ましいと思いながら
自分は1歩だって動くことはできやしない
いつかは紙にされてしまうかもしれない
いつかは木材にされてしまうかもしれない
そんな事も思いながら
ただ静かに立っている
小鳥たちが巣を作れるように腕の幹を伸ばし
人が木陰で休めるように手の葉っぱをかざす
自分には、そんな事しかできないけれど
今を精一杯生きている
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