車「ブォォォン」ワイ「スバルやな…」

ボクサーエンジンの野太いサウンドが聴こえて思わず車道を振り返る。
やはりインプレッサだ。
正解である。

心の中で小さなガッツポーズをしているとまた別の音が聴こえてきた。
バイク「ダララララララrrrrr」
これは…ツイン?
交差点の向こうを走るのはW800。
やはりツインの音だった。
正解である。

乗り物オタクの私は普段こんなことを考えている。
何をしているかお分かりだろうか?
エンジンの音を聞いて種類を当てるゲームである。

最近気づいたのだが、普通の人はこのゲームをしないらしい。

友達と一緒に歩いていても、私だけがキョロキョロして、
勝手に喜んだり悔しがったりしていることがある。
友達は車道を見ないし、私が一人でクイズに興じていることも知らない。

外出していると音のデカい車やバイクに遭遇することがあるだろう。
普通の人にはそれが騒音としてしか聞こえない。
しかし私のような乗り物オタクは違う。
エンジンには種類があって、それぞれ音が違うことを知っている。
楽器ができる人は音を聴くと音符や楽譜が頭に浮かぶらしい。
きっとそれと一緒だ。

大学生の頃、自動車部というサークルに所属していた。
メシ行くか、と皆でキャンパスの外を出歩いているときのこと。
車「ンバァァァァ!!」
「VTECだ」と言って振り返り、通り過ぎるシビックを目で追った。
その場にいる全員がそうだった。
自動車部にいるような人間は、こういう変態が多い。

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