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なぜアスリート、スポーツ選手はクイックリフト・ウエイトリフティングをしなければならないのか。

今回は日本では普及が少し遅れていると感じられるクリックリフト(クリーン・スナッチなど )について、なぜスポーツ選手は行うべきなのかを解説していけたらと思います。

今回のクイックリフトに限らず、少しでもアスリート・スポーツ選手に、なぜこのトレーニングを行うべきなのかを知って頂けたらなと思います。少し難しい部分もあるかもしれませんが、できる限りわかりやすいものにしたいと思いますので、是非読んでいただければと思います。

クイックリフトとは

ウエイトリフティング競技で実施される
・クリーン
・ジャーク
・スナッチ

やそれぞれバリエーションを用いて行うものの総称です。

伝統的なレジスタンストレーニング(スクワットなど)との違い

スクワットなどは最終的に速度を0にしなければならないのに対して、クイックリフトではバーベルや自身の身体が空中に放たれるため、コンセットリック局面全体で脚伸展動作を行うことができます。

スクワットでは挙上途中からバーを止めるために減速をしなければならないため、減速局面が生じます。それはコンセットリック局面(スクワットだと立ち上がる場面)のうち40%がが減速局面と言われています。(42%1RM)

RFDとトレーニング


RFD(力の立ち上がり率)を高めるということがアスリートにとっては必須になります。
RFDとは簡単に言うと、力をどれだけ早く大きく出せるかということです。
レジスタンストレーニングを行うにことによって、筋肥大をさせること、最大筋力を高めることは可能です。しかし、パワーリフターとは違い、アスリートは、スプリントやジャンプ、方向転換など、短い時間で力発揮をしなければならないのです。
例:スプリントの接地時間 0.08~0.1秒
  垂直跳び:~0.3秒
  最大筋力:0.3秒~

このように最大筋力を発揮する前に基本的なスポーツ動作は終わってしまうのです。極端に言ってしまえば、どれだけ最大筋力を高めたところで意味がないということにもなります。(極端すぎますが、、、、)

では、高めた最大筋力をどのようにして活かすのか。その解決策がクイックリフトプライオメトリックトレーニングなんです。
(今回はクイックリフトを扱うため、プライオメトリックトレーニングについては省かせていただきます)

クイックリフトでは先ほども述べたように
RFDを高めること
高速筋力を高めること
を効果として得ることができます。

NSCA パワーのためのトレーニング原理より引用

高重量レジスタンストレーニング群が一般的なレジスタンストレーニング(スクワット等)を行った者、爆発的/バリスティック筋力トレーニング群がクイックリフト等を行ったもの、です。
先ほども述べたようにスポーツにおける力発揮は0~0.2,3秒で行われることが多いです。そうなった場合、高重量でトレーニングを行っていたものより、爆発的なトレーニングを行っていた者の方が0.2秒時点での発揮できている力は大きいのです。つまりは競技特性にもよりますが、スポーツにおけるパフォーマンスが高いわけです。

しかし、もちろん最大筋力を高めることも大切です。パワーを高めるだけでは頭打ちがきてしまいます。ですのでしっかりとどちらも行い、スポーツパフォーマンスを高めていきましょう。

参考文献
・アスレティックパフォーマンス向上のためのトレーニングとリカバリーの科学的基礎 平山邦明 編

・一流短距離選手の接地期および滞空期における身体運動に関する分析 福田らhttps://www.jaaf.or.jp/pdf/about/publish/2013/2013_11.pdf

・筋パワーを最大化するための最大筋力と力の立ち上がり速度https://www.nsca-japan.or.jp/journal/27_2_42-48.pdf

・NSCA パワーのためのトレーニング原理
https://www.nsca-japan.or.jp/journal/20_4_16-26.pdf


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