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ミライの小石16.平均出身小学校数は20校超!?――旅して学ぶ子どもたち

その日、体験入学から戻った6歳の娘の顔は、つき物が落ちたように晴れやかでした。

今年から、私の娘は小学校に通い始めました。入学にあたり、娘はある私立小学校を志望していました。それは、子どもの自主性を第一に、体験からの学びを実践する小学校です。人一倍自己主張が強い娘の性格を考え、親の私も同校の教育方針には深く共感をしていました。冒頭は、同校での体験入学を終えて戻ってきた娘の様子ですが、この時の娘の表情は今でも忘れられません。「学び」に向かう子どもの主体性と、それを受け入れる「学び」の環境が融合することのパワーを、まざまざと見せつけられた思いがしました。
ですが・・・高倍率となった抽選の結果、娘は同校にはご縁をいただけませんでした。

最近、公立小学校でも、休暇を「体験や探究の学び」として認める動きがありました。

愛知県は3月16日、公立の小中高生と特別支援学校の児童生徒が、保護者の休みに合わせて年3日まで平日に学校を休める「ラーケーションの日」を創設し、2023年度の2学期以降、順次導入していくと発表した。同県が各都道府県に確認したところ、全国初の取り組みだという。(中略)「ラーケーションの日」は、同県内の公立学校(小・中学校、高校、特別支援学校)に通う子供たちが、保護者らと共に校外で体験や探究の学びを自ら考え、企画し、実行することができる日として設けられる。

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しかし、私たちが惚れ込んだ「体験や探究の学び」は、たった3日の非日常で達成されるものなのでしょうか。こうした疑問や一連の経験から私が考えた、やって来るかもしれない未来の学びのかたちはこうです。

小学生は自分の好きな場所を「旅」をしながら、旅先の学校に通って「学び」ができる。戦国武将好きの子どもは天下統一の足跡をたどって、鳥好きの子どもは渡り鳥を追いかけて、「旅」をする。そして、ある時、ある場所の、ある教室に集った子どもたちが、ともに「学び」、それぞれの「学び」を分け合い、「またね」と別れていく。そうして育った子どもたちは、幅広い友達の輪や知識、とことん探究する力、あっというまに仲良くなれるコミュニケーション力を手に入れた、頼もしい大人になるのではないでしょうか。

「体験や探究の学び」が一部の子どもだけが享受できる特別な機会ではなく、日本中の子どもたちの日常として、平等に与えられる日が訪れることを願っています。

(引用)
※1 年3日平日に学校休める「ラーケーションの日」 愛知県が導入 | 教育新聞 https://www.kyobun.co.jp/news/20230317_04/ 2023年4月27日閲覧

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