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表紙1色刷り(単色印刷)が好き!

若かりし頃、印刷屋さんに注文するときに一番の問題がお金でした。表紙をフルカラーにするよりも1色刷りにした方が安上がり、ということで1色刷りでお願いしました。
今はお金の問題というよりも、1色刷りが好きで注文しています。インクの発色が美しい。
今回は、これまでに発行した旅行記の表紙を紹介します。カラフルですよ♪


アナログ(紙)原稿➡単色印刷

25年くらい前は、フルカラーの場合も紙原稿で入稿していたので(今のように高度なデジタルの原稿作成ができなかった)、自分のイメージと印刷されたもののイメージが違う、みたいなこともありました。
そもそもフルカラーを描くのが下手(というか作画全般が下手)だったので、私には1色刷りがちょうどよかったのかもしれません。

実際に印刷された本が届くと、白黒だった絵のイメージがインクの色に、華やかに塗り替えられる感じがして嬉しいです。印刷屋さんが刷ってくれた本だ!って感じがします。

冊子体(紙の本)は完売、電子版を販売中。

上の写真の左の本ですが、時間の経過とともに、何度も何度も読んだり本をしまったりすると、ベタの部分のインクが少し落ちる(白くなる)ことが判明(この本は見本用に使っていたので痛みが激しいです)。
表紙がマーメイドという少し凹凸がある紙で、温かみのあるニュアンスがあって好きなのですが、購読者の本が傷まないようにコーティングをした方がよいのではないかという気づきがありました。

扉(写真中央)の「晴れの日も 雨の日も いつでも旅行日和」には、旅に出て晴れたからいい天気、雨だから悪い天気、というのではなく、晴れた日には晴れた日の、雨の日には雨の日の旅の楽しみや味わいがあるよね、という気持ちを込めました。
あれからそろそろ20年経ちますが、やっぱりそうだと思います。

マットPP加工(オプション)

左の2冊は完売、右の「散歩日和1+2」(再録集)に収録しました。

表紙の印刷を保護するために、オプションのPP加工を頼むことにしました。追加料金は早割でカバーだ!
PP加工は表紙の紙にフィルムを圧着、表面をコーティングする加工です。印刷屋さんから「マーメイドは凹凸があるので気泡が入るかもしれないですが、よろしいですか?」と確認がありました。
そのままお願いしました。表面を保護するためなら、多少の気泡はやむを得ない。

上の写真、左の2冊は加工なし、右の再録集はマットPP(つや消し加工)をしてあります。手触りがしっとりした感じがします。

黄色の単色は柄が判然としないかも➡3色刷り

左の3冊は完売、右の「北欧日和」(再録集)に収録しました。

印刷屋さんに注文することと、シリーズっぽい本を作ることに憧れていました。同人誌即売会で机上に並べた時に、カラフルになったらいいなと思い、色がダブらないように心がけています。
それから、同人誌即売会で通りかかった人が、ちらっと見てタイトルなどがわかるように、はっきりした色を選んでいます。

黄色とか銀色(メタル)とかの1色刷りは避けていたので、再録集で3色刷りにするときに使いました(一番右の本)。満足!
一番左はクラフト紙・PP加工なし、他の3冊はマーメイド・マットPP加工です。

アナログ原稿からデジタル原稿へ

体調を崩して以来、紙に細かい絵や字を集中して描くのが難しくなったのでデジタルに移行。つけペンの線の味わいが好きですが、デジタルは細部を拡大できるのがありがたい。
丸ペン(つけペン)で太い線を描く時はそれだけ力を込めて描くのですが、体力が落ちて描き続けるのが大変になってきたという理由もあります。デジタルはペンの太さを設定できる。

チェコ編(中央)は完売しました。

ロンドン編は、本文がアナログ原稿とデジタル原稿の両方が収録されています。表紙はデジタルですが、タイトルの部分など既存のフォントではありません。
黄土色に見えますが、実はメタルカラーの金色(赤口)!
マットPP加工のせいなのかしら?これはこれでアリ?

チェコ編のパキッとした赤、お気に入りです。

右のスイス編は珍しくフルカラーなのですが、景色が素敵だけど描くのは大変すぎるし、美しさが伝わらないから写真で…という感じで作成。
中身はマンガというのが表紙からわかりにくいというのが反省点です。別の人の本っぽいですもんね。でも、これはこれで気に入ってます。

お気づきかもしれませんが、海外旅行は「旅行日和」、国内旅行は「散歩日和」というタイトルです。国内(日本語が通じる場所)は散歩気分で出かけております。

試行錯誤は続く

最初は「安いから」と思って1色刷りで注文しましたが、家庭用のプリンターやコンビニでフルカラーが美しく印刷できるようになった今だからこそ、印刷物としての1色刷りが目を引くこともあるかも、と思います。
メタルカラー(金、銀など)や蛍光色のインクを使うのも楽しい。(印刷屋さんによって、使えるインクの種類が違います。)

私自身は、その本が売れるか売れないかは、フルカラーか1色刷りかの問題だけで決まるものではないと考えます。そして、同人誌を作るときには、売れるかどうかよりも、自分が楽しいかどうかを大事にしています。
趣味なんだし、楽しい方がいいよ!同人誌を作るお金も時間も機会も、無限にあるわけじゃないからね!
(販売数≒他者から評価、という考えを捨てて、自分の満足感を高めた方が楽しい。)

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読んでくださり、ありがとうございました!


【追記】続編「表紙多色刷り(多色印刷)も好き!」もどうぞ↓

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