マネージャーなら進めておきたい。採用チームと連携する3つのこと。

 「マネジメント」をテーマに1年を振り返る「マネジメントアドベントカレンダー2021」の機会を頂いたので、2年弱ぶりにnoteを更新します。

 採用コンサルティング事業を展開している企業のマネージャーとして、「採用」と「マネジメント」を絡めたテーマにしてみました。強めの自戒も込めて綴らせていただきます。

■こんな方に読んでほしい
 - 採用には面接くらいしか関わっていないマネージャー
 - 事業部と採用チームを交わらせたい経営陣
 - 事業部と距離が遠いと感じる採用担当


候補者体験と従業員体験は地続き

 本題に入る前に、採用の前提知識として「候補者体験(Candidate Experience)」という言葉があります。

 採用力向上とファン獲得を目的とした体験設計のことです。候補者が企業を認知してから選考を終えるまでのタッチポイント一つひとつに価値を提供することで、「(採用の合否に関わらず)この企業を受けてよかった」と感じてもらえるかが一つの指標となります。

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 「そもそもマネージャーがより高いレベルでメンバーをマネジメントするなら、何から着手していくべきか」について考えていたところ、マネージャーとして良いスタートダッシュを切るなら、メンバーの入社後ではなく選考期間からできることがありそうだと思ったのが本テーマのきっかけです。

 あとHR界隈で良く言われていることとして、従業員満足度は候補者体験の良さに相関するらしく、であれば良質のマネジメントに向けて良質な候補者体験を提供しましょうという話を述べていきます。誤解されがちではありますが、イイ候補者体験は「候補者さんをひたすらヨイショしていきましょう!」ではなく、キャリアの意思決定を進める上で快適な選考を提供することが主です。

なぜ候補者体験が従業員体験につながるか

 そもそも転職活動は、前職に対して何かしらのキャリア課題を抱えることによって始まります。

・もっとイケてるプロダクトに関わりたい
・キャリアアップが絶望的に遅い
・職場の人間関係がつらい
・給料が少ない
・etc.

 マネジメントの目的は事業成長ですが、マネジメントの本分の1つとして「メンバーに納得感あるキャリアを歩んでもらうためにサポートすること」があるかと思います。

 すなわち、解消したいキャリア課題について入社前から擦り合わせておかなければ事故る可能性があるため、理想を語るとマネジメント対象のメンバーには候補者時代から十分な接点を持つことが重要だったりします。

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Tips① キャリア課題に紐づく選考をデザインする

 そんな背景から、マネージャーが取り組むべき採用Tipsをいくつかまとめてみました。上記に紐づく内容ですが、新人が入社後になって初めて歩むキャリアに違和感を持たれるのはマネージャーにとって一番きついことです。

 なので、選考ではキャリア面談的に立ち回っていきましょう。

・転職のきっかけ
・意思決定を行う不安
・次の職場に求める環境
・自分が最も生産性高く働ける要素
・パフォーマンスを阻害されるふるまい

などなど、自社ならそれぞれの課題にどう向き合えるか、何が解決できて何は解決できないかを開示していくことが大切です。

 また、全てをマネージャー面談で解決できるわけではないため、近しいキャリア課題を持ったメンバーを面接官としてアサインしてみることも一つの手段です。

Tips② 自社のカルチャーを事前に候補者へ伝える

 「なんとなく惹かれたから内定承諾したけど、いざジョインしたら知らないことだらけだった」そんな話を聞くことも珍しくありませんが、結局このケースにおいても入社後のすり合わせが一番大変なのはマネージャーになります......。

 とはいっても自社情報を口頭で伝えていてもキリがないので、選考期間中に理解しておいて欲しい社風、制度、企業思想あたりはコンテンツにまとめましょう。求人票だけではなく、採用広報記事や採用ピッチ資料など、現場を把握しているマネージャー起点で採用チームと連携することが重要です。

 面白いコンテンツじゃなければむしろ候補者体験を損なうため、弊社でもよく参考にさせて頂くnoteを貼っておきます。

Tips③ 組織作りの観点から採用基準を共有する

 組織にもよりますが、採用担当1人で10ポジションを超える採用活動を進めることもあるため、事業部の背景まで理解して採用できている担当者は多くありません。そのため、事業側のマネージャーと人事間でなるべく具体的に共通認識を持っておく必要があります。

 そこで重要になってくるものが採用基準です。採用基準を事業部側から設定している企業は大半ですが、ただそれっぽい必要なスキルから要件を定義するだけではなく、組織成長の観点を大事にしましょう。

 例えばフィールドセールスを採用する場合、「営業経験2年以上、素直、20代、ベンチャー志向......」のような形式ばった要件では、本質的に社風マッチした候補者と出会えることはありません。自社営業チームの社風にハマる人はどんな価値観を大事にしているか営業ポジションのエース人材に共通する要素は何かなど、現場起点でしか見えない領域から採用基準を定義していくことが肝となります。

 下画像はかつて弊社で設定していた採用基準ですが、各項目について理想だけを要求しても人事と軋轢が生まれるため、Best/Better/Normalの3階層に分けて言語化できるとターゲットの母集団形成が捗ります。ご参考ください。

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