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夏休み!アメリカから生徒が帰ってきたよ

皆様ごきげんよう。前回の更新から三ヶ月たっていることに全く気が付かなかったキョウコ先生です。

もっとみやましく更新しろよ、お前。と言いたくなるあなた、そうですその通りです。何がしか更新すべきだったのです。皆さんの役に立つ情報を!!

忙しいなんて言い訳よ!他の方はみんな頑張っていらっしゃるんだから・・・・。

というご意見、本当にごもっとも。私はただ目の前の授業や面談に明け暮れていましたという言い訳を申し上げお詫びにかえさせていただきます。

しかし、今日はそんな私をこのブログの管理画面の前に座らせるような出来事があったのです。

昨年の生徒さんでアメリカに留学した子がいました。

試験科目は「インタビューとエッセイ(英語)」。私の指導は何かというと「頭の中で日本語でコンテンツを組み立てる」という練習の部分です。

つまり作文の下書きです。

アメリカの小学生のよく使っているメソッドがあって、その方法で作文できるように約半年頑張って作文の指導をしました。日本ではビジネスマンの役に立つという事でビジネス関連の本としても人気の書籍をテキストに使いました。

↑こちらです。この中の少しでもマスターできればかなり作文が上手くなります。この技術は一生物です。

毎回「何を書くか」から全て決めます。そのあとテキストのメソッドに従ってキーワードやプレゼンの流れを確認して、本番です。

書いたもののスペルチェックや英語に訳しにくい表現は意味を確認して変えたりなどを行います。白熱すると2時間ぐらいの授業になることもありました。

自分が今気に入っているゲーム(数字のゲーム)の解説やAndroidとアップルに関すること、自分が今まで旅行した中で一番いいと思った場所の紹介、お気に入りのハリボーグミの会社の歴史、大好きな科目「数学」の魅力など、あらゆることを書き尽くして「これ!」という作文を選び英語に訳して提出したそうです。

※英語の所は別の先生と学習しているので、私はなんと訳したのか分かりません・・・。

もちろん合格です。練習の成果がきっと十分に発揮されたのでしょう。

向こうに言って暫くしてから、長文のレポートが「英語で」送られてきてビビりました。生徒さんが学校で書いた「黄金比率」についてのレポートでした。なんでも、数学の時間に課題として出されたもので、自分で好きなテーマについてかいたそうです。

毎日日本語の中で暮らしているキョウコ先生は驚いたのなんの。

だって英語で書いてあるんだから(笑)。


なんとか翻訳ソフトを通して読みましたが、数ヶ月前までの作文のスキルでは到底かなわなかった内容が書かれていました。

そして渡米して数ヶ月、夏休みで帰国した際に「英語ではなく母語である日本語のブラッシュアップが必要だ」ということで再び授業を取りたいと連絡がありました。

正直、13歳としては十分だよとは思うものの、目指す目標に対して伸び続けるのは当たり前のことですから、そのブラッシュアップに協力しようということになりました。

オンラインで繋いで画面越しに見ると少し大きくなっていました。そうだよね、この時期の子供の成長は凄まじいものですもんね。

さて、どんな授業か?

日本語や日本語の思考のブラッシュアップということですから、生徒さんが興味のある内容の本を読んでそれについて語り合うという内容です。

今回は新井紀子先生の「AI VS. 教科書が読めない子供たち」という本を教科書にしました。

この本はかなり古いものですが、今話題のチャットGPTについても触れながら細かく話し合いました。
※数年前この本の一部が四谷の合不合判定模試に出題されたこともあります。Siriに関しての記述でした。当時よりラーニングが進んでいるのでもうこの本の内容のようなことはなくなっているかもしれませんが、でもこの本で示されている本質の部分である部分は変わっていないので入試などで扱われる可能性はあります。読んでおいて損はありません。

予め少し読んでいてくれたので話し合い中心でした。

この本の中では「シンギュラリティー」は来ないという内容や今世の中で言われている「AI」と「AI技術」は違うものであるという定義などがしっかりと書かれていて、必読の書であると思い選びました。
※AI技術で有名なのは「ディープラーニング」ですね。みんなはこれをAIと勘違いしているので注意しましょう。世間ではもうこれを「AI」って呼んじゃってるけど違うからね!

生徒の方も、今プログラミングにハマっているとかでこのジャンルの内容には興味があるらしくとても集中して聞いていました。

チャットGPTに関しても「あれは不完全、結構嘘が書いてあるよ、気をつけないとね、データが古いから今の天気なんかを聞くと2020年の天気を言ってくるし(笑)」と非常に冷静に受け止めていました。

こちらも、誰が誰の資本で作っていて、どういう意図で答えを生成するのかを考えながら、出された結果をしっかり精査しないとねと話しましたら「本当に、その通りだね」と大人の返しが返ってきました。

たった数ヶ月でこんなやり取りができるようになるのだなと驚きました。

授業以外にも脱線して、「ゲーム理論」について話しましたら・・・。

「面白そう!心理学と統計の組み合わせかな・・・」

と話を聞いてその骨組みとなる学問まで思いを馳せるのでした。

興味があるっていうのはやっぱり違うなと思いましたね。

私は作文の指導をすることが結構他の先生より多いかなと思うのですが、作文が得意な子と苦手な子というのは特にいないんです。

でも、何を書いたらいいか分からない子と何を書きたいかを決められる子はいて、その差が出ているのかなって思います。

本を読むことも大事ですが、それについて話し合う時間も必要です。

自分の生活のことを言語化出来ることも作文にも普通の「受験勉強」にも大事な要素です。

話し合ってください。

私とこの生徒さんは昨年から今の今まで話し合いをずっとしてきました。この生徒さんがここまでしっかりとしているのは、色んな人と話し合うことが出来たからです。

そしてこの話からわかるように、語彙が足りないから・・・読解力が足りないから・・・と心配し、外部から詰め込むということではなくお子さんの中にある「表現したいこと」にフォーカスするという学習方法もあるということを忘れないでください。

そのトレーニングは将来お子さんを世界で活躍する人にするかもしれません。

読んで、話して、書くこと。

原始的ですが結局これが全ての学問の基礎で、全ての生活の基本です。

帰国した生徒にそれを教えられた気がします。

アメリカにもどるまでにまだあと一回授業があるので次に何を話そうか、ワクワクしながら考えることにします。

最後に今日面白かった内容は
「今エックスになっちゃったTwitterだけど、あの鳥のマークは黄金比率が使われてるんだって、いい模様だよね。それにアイコンがエックスになちゃっても本能的に青いアイコンを探しちゃうからエックスのショートカットを作ってそのアイコンをTwitterのマークにしてるんだ」
でした。
そうだよね、気に入らなかったら自分で工夫して使いやすくすればいいんだもんね。なるほどね。
「なんだよエックスって、使いにくいんだよ!」って言っていた自分にトラースキックです。

工夫できる知恵と知識。


自分の人生を豊かにします。


ではまた次の更新でお会いしましょう。


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