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TOKYO RAINBOW PRIDE 2019に行ってきた話

平成最後の日に記事更新。特に何が変わる訳ではないですが、平成n年=年齢で生きてきた身としては一つの時代が終わるのは感慨深いものです。さて、去る4月28日と29日に開催された「TOKYO RAINBOW PRIDE 2019」に参加して参りましたので、そのことでも書いてみようかなと思います。

TOKYO RAINBOW PRIDEとは

略称TRP。1969年6月28日、ニューヨークのゲイバー「The Stonewall Inn」にて行われたLGBTQ当事者らによる警察への抵抗運動。それをきっかけに翌年ニューヨークで起こったデモ行進に由来するパレードから各地に広がっていった、性的少数者の存在を社会に広めるイベントの一つです。TRPは日本では最大規模のイベントで、2日間で代々木公園に約20万人を動員。初日のパレード参加者は約1万1千人を記録しました。


私とTRP

私が初めて参加したのは2017年。自認してまだ間もなく、男性として生きていけるのかと模索していた頃でした。「何やらLGBTQの祭典があるらしい」という情報だけを小耳に挟んだ私。パレードで演奏する企画があると知り、楽器演奏が趣味の私は吹奏楽のパレードグループに申し込み渋谷の街を練り歩きました。人見知りの私は誰かと挨拶以上の交流もうまくできず、終了後は早々に帰ってしまったのを覚えています。「自分以外にもこんなにたくさん性別や恋愛のことに悩んでいる人、関心のある人がいるんだ!」ということ自体はとても衝撃で、それがあったからこそ1回きりとはならなかったのだろうと思います。

2018年にも引き続きパレードへ参加。生き方を変えようとする直前でしたね。1年前にご一緒した方が私のことを覚えて下さっていた他、別の楽団で共演経験のある方もおられて、自ら他の人達とも話そうとの思いが芽生えました。新しく数名と知り合えて、企業や当事者団体の出展ブースを回ったり話し合ったりと、パレード以外の時間を始めて楽しく過ごせて充足感を得られました。

そして2019年。性自認とこれからの生き方のビジョンがはっきりして初めてのTRP。パレード以外にもこの1年で知り合えた多くの方々と会場で出会うことができ、人のご縁と世界が広がったことに感謝するTRPとなりました。ブースもくまなく回ることができ、様々な背景を持つ人々が一堂に会しているのを目の当たりに。私自身もようやく何も偽ったり隠したりすること無く会場を…そして街を歩き話すことができ、3回目にしてようやく満喫できたという心地です。


ブースについて

TRPでは、当事者団体から企業まで様々な団体がブースを出しています。当事者団体とひとくちに言っても、年齢・セクシュアリティ・職業・目的・国まで多種多様。学生サークルあり、HIV啓発グループあり、士業の集まりあり、キリスト者の団体あり、自治体あり、LGBTフレンドリー企業あり…老後に焦点を当てた団体や台湾の当事者会、「LGBT」以外のセクシュアリティの存在を訴えるNPOまで、本当に色々です。

3回の参加の中で感じたのは、企業の出展がとても増えたということ。それだけ会社としてダイバーシティ推進に取り組もうという所が増えたのは喜ばしくはあるのですが、単なる外向けアピールだけの企業もあるよう。試供品が貰える所からはありがたく頂戴しましたが、できることならより多くの企業が本腰を入れて取り組んで頂きたいところ。製品アピールも営利企業としては大事だと思いますが、参加者と中の人が話せるブースがもうちょっとあっても良かったんじゃないかな。こんなに開かれた機会ってそうそう無いし。

その煽りを受けて…というのか、当事者団体のブースは昨年に比べて目に見えて少なくなった印象です。出展料、高くなっているそうですね…。場所も会場のステージ周辺から並木道に「追いやられて」しまった感。とは言え、並木道は通行中に目に付くし(=非当事者でも足を止め易いと思われます)意外と広々としていたので、中心部に辿り着くまでに草の根の活動を見聞きできるという場所の設定自体は悪くないかと。


会場外でも

PRIDE WEEKと銘打って、公式・非公式共に多くの催しが行われていました。初日はパレードで足を運べなかったので、私は2日目に幾つかのイベントへ。トランス女性のパイオニアとゲイシンガーのトークショーや、カフェバーでの交流会など。日常に戻りたくない気持ちから、ついつい夜遅くまで長居してしまいました。会場外のイベントは(特にオフィシャルなものは)申し込みが必須のことも多いですが、有志で行っているものはふらっと立ち寄ることがし易く、会場内外を合わせると選択肢は意外と豊富な気がします。大勢で思い切り楽しみたい人、真面目に学びたい人、少人数でゆっくり話したい人…セクシュアリティだけでなく、それぞれの気質や得意不得意に合わせた集まりがあれば、ハードルも下がるというものです。


おわりに

自身の性自認が定まらぬ内から、楽器演奏という自分ができることをハブとして参加を始めたTRP。パレード中は「Happy Pride!」と声を掛け合いながらも、日常では必ずしもhappyばかりとは限らないのもまた事実。クローズアップされるのもゲイやドラァグクイーンが多めで、AceやNonbinaryとなると銘打っていたのは1フロート。そんな中でも、いつか…令和の内には、どんな所でも自分を偽らず生きられる世の中が来ることを願って、祈りの言葉として心で唱え続けます。

Happy Pride!!

もしよろしければ、ご無理の無い範囲でお願い致しますm(__)m