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昭和は遠く

CSで「ザ・ベストテン」という昭和の歌番組がやっていたので観てみた。

84年5月か6月の放送回。
映像の古さもあるけど、何て言うんだろう。

“ ああ、昭和だ ”

って、感じが観ていて強かった。

ピンマイクがまだなかったのか。司会の久米宏と黒柳徹子のも中継先のマイクもすべて有線で演者の前にケーブルが垂れている感じとか。

歌手に質問して答えてもらう時にマイクを向ける前に話し出されると声を拾いきれずに最初だけ声が小さいとか些細というか、分かりづらいとこと思うだろうけど、そういったとこにも昭和を感じた。

アナログタロウという芸人のネタで、

「どうでもいい情報を教えてくれる80年代の歌番組の曲紹介」というのがあるが、まさにそうだった。

アナログタロウのネタだと、

「動物好きの斉藤由貴さん。いまいちばん飼いたいペットは?の質問に、迷いながらも「犬」と答えてくれました。
今週の第1位、斉藤由貴さんで《悲しみよ こんにちは》」

ってのがあったが僕がCSで観た回、1位までは観なかったので第10位の中原めいこという人の曲。
“ 君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね。 ”
だったが、歌い始めにアナウンサーが、

「ベストテンに出演が決まったことを故郷のお母様に連絡した中原めいこさん。お母様は電話越しにとても喜んでくれたそうです。今週第10位、中原めいこさんで“ 君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね。 ”」

ネタとして強調してるんじゃなくて本当に言うんだと、アナログタロウのネタはネタというより真実を伝えてたことを知った。

あと、この曲のタイトル。
作詞作曲は歌手本人が行っているがカネボウの夏の化粧品キャンペーンに使用するのが決定していて、タイトルは広告代理店から指定されたらしい。
この記事を書くのにWikipediaで調べたら、書かれてた。

84年当時って、サラリーマンは皆、背広でネクタイの玉が今より大きめ。髪型はきっちり7:3ってイメージだけど、そういう格好した広告代理店の人たちがタバコの煙で煙たい会議室で喧々諤々の会議を行いながら、

「君たちキウイ…パパイヤ…マンゴーだね…これだ!これだよ!」

って、話してたんだろうか。
シュールだ。

あと、チェッカーズがスタジオゲストで出てたが、司会の久米宏がハガキを持ちながら、

「フアンの方からお便りが届いております。
あ、大学生の方ですね。〇〇 △子さん19歳の女の子です。
フミヤさんは高校時代のバイト先でやっていた薄焼き卵を細切りする錦糸卵作りが得意だったというのは本当ですか?
是非、見てみたいです。
ということで、薄焼き卵をご用意いたしましたので腕前を披露していただきましょう」

そう言うと、大きなテーブルが運ばれてきてスタジオゲストの堀ちえみと他のゲスト2人と計4人で薄焼き卵を細切りする錦糸卵作りが映しだされた。

「あ、すごいすごい、本当にお上手だ」

とか言っている久米宏と黒柳徹子のコメントも含め、歌手に歌を歌う前に錦糸卵作りをさせるという今なら、放送事故みたいな流れにも、

“ 昭和って、こんな感じだったんだ ”

と、今とは感覚がまるで違う世界が面白かった。

こういう番組が毎日、放送されていたらちょっとキツイかもしれないけど、深夜に週一くらいでやってたら観るかもしれない。

単純に知らない時代だからなのかもしれないけど、

昭和というか80年代の感性。
ちょっと中毒性があるかも。

ジュースが飲みたいです('ω')ノ