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【数学・論理】論理的に考えるということ

こんにちは、Junです。

皆さんは仕事やプライベートでのコミュニケーションが上手くいかず、困ってしまうことはありますか?
恐らく多くの方が、特に仕事上でのコミュニケーションに困ってしまうことがあると思います。

私も、仕事上でのコミュニケーションが上手くいかないことがよくあります。

コミュニケーションが上手くいかないことには、様々な要因があると思いますが、ミスコミュニケーションのほとんどに共通した原因があることがわかりました。

それは、論理的思考の不足です。

会社の先輩や上司、客先のリーダーさんなどと打ち合わせをしている時などで、進捗の遅れやインシデント発生など、あまりよくないことについて話しているときは、特に論理的思考が不足した会話がよく発生します。

今回は、この論理的思考とその重要性について書いていこうと思います。

最後の方に問題を用意しています。是非解いてみてください。

⒈論理的思考とは

論理的思考とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法です。

自分が考えていることや、他人が発言したことについて、きちんと筋が通っているかどうかを考えることが大切です。

⒉命題

命題とは、言語や式によって表した1つの判断材料です。

例えば、以下のようなもの

桃は果物である

式にすると

桃 ⇒  果物

この命題は、であると言えます。

このように、命題には「真」か「偽」のどちらかにあるという性質を持ちます。

偽となる命題も挙げておくと、

四角形ABCDで、AB=DCかつAD//BC ⇒ 四角形ABCDは平行四辺形である。

これは、四角形ABCDが等脚台形の場合でも成り立つので偽となります。

⒊逆が正しいとは限らない

命題

P ⇒ Q

の「⇒」の前後を入れ替えた

Q ⇒ P

を、命題のと言います。

ここで気をつけなければならないことは、元の命題が真であっても、その逆が必ずしも真であるとは限らないということです。

例えば、先程の命題

桃 ⇒  果物

これの逆をとってみましょう。すると、

果物 ⇒ 桃

これは正しくありませんね。なぜなら、

果物には桃以外にも、林檎・バナナ・みかん・梨など様々なものがあるからです。

⒋必要条件・十分条件

命題

P ⇒ Q

が真である時、PはQであるための十分条件であるといい、
QはPであるための必要条件であるといいます。

また、

Q ⇒ P

も真である時、PはQであるための必要十分条件である、
または、PとQは同値であるといい、

P ⇔ Q

と書きます。

ビジネスにおいて、以下のような発言があったとします。

「このプロジェクトの遅れを取り戻す為には、人を増やす必要がある。」

この発言を式にすると、以下のようになります。

遅れを取り戻す ⇒ 人を増やす

なので、この発言において「人を増やす」ことは「遅れを取り戻す」ための必要条件であり、
「遅れを取り戻す」ことは「人を増やす」ための十分条件です。

今回の目的が「人を増やす」ことであれば、人を増やしさえすれば良いかもしれませんが、恐らく大抵の場合、この発言の目的は「遅れを取り戻す」ことなので、

R ⇒ 遅れを取り戻す

となる十分条件Rを他に探す必要があるでしょう。

⒌対偶

命題

P ⇒ Q

の「⇒」の前後を入れ替えて、両辺を否定したもの、

¬Q ⇒ ¬P

を、元の命題の対偶といいます。

元の命題が真である時、その対偶も真となり、
元の命題が偽である時、その対偶も偽となります。

再び最初の例

桃 ⇒  果物

の対偶をとってみると、

¬果物 ⇒  ¬桃

となります。

果物でない以上、桃ではないので真となっていることがわかります。

これは、例えば以下の発言の真偽を確かめたいとします。

「結果が出ないのは、努力しないからだ」

これを式にすると、

¬結果 ⇒ ¬努力

これが真であるとすると、これの対偶である、

努力 ⇒ 結果

つまり、

「努力すれば必ず結果が出る」

も真であることになります。

しかし、本当に努力すれば必ず結果は出ますか?

今まで努力してきたことって、全て成功していますか?

恐らく大抵の人は「NO」と答えるでしょう。

この対偶が偽であるならば、元の命題も偽となるので、

結果が出なかったからといって、必ずしも努力していなかったわけではないということが言えます。

⒍背理法的思考

背理法とは、ある命題が真であることを証明するために、敢えてその命題が偽であると仮定して、矛盾を導く証明方法です。

例えば、

√3が無理数であることを証明するとき、√3が有理数であると仮定して、有理数の定義に当てはめた結果、矛盾するので、√3は無理数である

といった証明方法です。

日常生活や仕事では、真偽不明の命題を真であると仮定して、これが真であるとするならば、、、と思考を進めていき、最後まで矛盾が生じなければ真であり、どこかで矛盾が生じれば偽であるとする考え方を、背理法的思考ということにします。

例えば、

業績が悪化しているのは、社員の能力不足が原因だ。
だから、これからは社員教育を徹底する必要がある。
次年度から教育部を設立しよう。

という発言があったとします。

この発言は

業績が悪化しているのは、社員の能力不足が原因だ。

が真である前提で話が進んでしまっています。

この命題が偽であることを想定せずに話が進んでしまっているので、もしこの命題が偽であった場合、次年度から教育部を設置して、社員教育を徹底したところで、業績は上がらないでしょう。

そこで、この命題が真であると仮定して、過去を振り返ってみます。

それで、業績悪化の原因が本当に「社員の能力不足」であった場合は社員教育を徹底しても良いですが、もし別の原因(例えば、「経営層に原因があった」や「オフィスの立地に原因があった」など)で業績が悪化していたのならば、教育部設置の前に、業績悪化の原因となっていることを再度見つけ出し、今後の業績向上のために今やるべきことを考える必要があるということになると思います。

⒎論理的思考を使った問題

ここで、問題を出します。答えだけでなく、なぜそうなるかも併せて考えてみてください。

Aさんは、毎朝コッペパンかクロワッサンのどちらかを食べます。
コッペパンを食べるときはコーヒーを飲みます。
クロワッサンを食べるときは紅茶を飲みます。
Question:このとき、確実に言えることは次の4つのうちどれでしょう?
①コッペパンを食べるときは紅茶は飲まない
②コーヒーを飲むときはコッペパンを食べる
③紅茶を飲まないときはクロワッサンを食べない
④クロワッサンを食べないときは紅茶は飲まない

ヒント:⒉〜⒌を参考にしてください。

答えは、次回の投稿で解説します。

⒏まとめ

今回は論理的思考についてまとめました。
高校数学の数Aでも学習した内容なので、途中から思い出してこられた方もいるのではないかと思います。
なぜ論理と集合を数学Aで習うのかというと、それだけこの内容が重要だからではないかと思います。
論理的思考やクリティカルシンキングができるようになると、これまで解決できなかった問題を解決しやすくなると思います。
是非この思考法を使って、仕事に取り組んでみてください。

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