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第11回:DTSCエンジン

こんにちは、「DnoteLR⁺」のマーケティング・アプリDnoteLRのモニター、楽しんで頂いてますでしょうか?前回は、製品化への取組みに関しての三つのターゲット・カテゴリーをご紹介しました。製品開発・エンジニアリング営業・マーケティングは、会社にとっては、どちらも無くてはならない重要な活動です。お互いをお互いが尊重してバランスを取らないと行き詰まりますね。さて、今回はDnoteLRのコア技術である「DTSCエンジン」に関して説明します。

スピーカーの振動板の数値エミュレーター

連載第2回で「DnoteLR⁺」の誕生秘話として、

もともとはスマートフォン用の小型のスピーカーでどうやって良い音を出すか?という試行錯誤の末に開発された弊社の「DTSCエンジン」というスピーカーの振動板の数値エミュレーターを「ステレオで使ったらどうなるだろう?」というエンジニアの遊び心から生まれました。

と説明させていただきましたが、「DTSCエンジン」というスピーカーの振動板の数値エミュレーターの説明が全く抜けてますね。今回は「DTSCエンジン」とはいったい何者か?の紹介をいたします。

「DTSCエンジン」は、スピーカーの入力である電気信号から、スピーカーの出力である振動板の動きを計算する数値エミュレーターです。音楽信号を再生しながら、スピーカーの振動板の現在の「位置」「加速度」「ドライブ力」を計算しています。「DTSCエンジン」がスピーカーの出力である振動板の動きを計算することで、次の時刻にスピーカーの振動板が動く「位置」「加速度」「ドライブ力」を想定することができます。

この数値エミュレーターを制御することで、スピーカーの振動板の振動の仕方、つまり音の鳴り方や音色を変化させることが可能になるのです。

TSパラメーター

「DTSCエンジン」は、現代制御理論を使ってスピーカーの電気・機械モデルの状態方程式を解きます。「DTSCエンジン」では、このスピーカーの電気・機械モデルに古くからスピーカーのキャビネット設計に広く使われてきたTSパラメータ(Theile-Small Parameter)を使うところが最大の特徴になっています。DTSCは、Digital Theile-Small parameter Correctionの頭文字から名付けられています。

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上の等価回路に示したTSパラメータをスピーカーの電気・機械モデルにして、現代制御理論からスピーカーの電気・機械モデルの状態方程式を解いて制御する。弊社独自の技術である「DTSCエンジン」特許申請しています。

仮想スピーカー

「DTSCエンジン」を使うと、TSパラメーターの値をリアルタイムに変化させることができます。また、TSパラメーターを別のターゲットのスピーカーの値に近づけることで、スピーカーの鳴り方や音色をターゲットのスピーカーに近づけることが出来ます。

極端な例ですが、左右に口径が異なる違うメーカーのスピーカーをステレオで繋いでも、「DTSCエンジン」を使って仮想的なターゲットスピーカーTSパラメーターを左右それぞれ調整することで、同じ特性のステレオスピーカーとしてデジタル的にマッピングすることも可能なのです。なんか狐に騙されたような話ですが、そんな事を可能にする技術だとご理解ください。

さて、TestFlight の有効期間は、まだ3週間ありますので、もし興味がある方がお近くにおられましたら、DnoteLR のモニターをご紹介ください。

これからも「DnoteLR⁺」技術を、優しく解説していきますので、よろしければスキ&フォローをよろしくお願いします!

アプリのモニター希望の方は、以下の GoogleForm から応募ください!。

https://forms.gle/5UAVmyo2Z7VL6AB76

最後まで読んで頂きありがとうございました。

もっと、詳しい理論的な背景を知りたい場合
以下の LinkedIn のページに技術論文がおいてあります。

https://www.linkedin.com/in/jun-ichi-okamura-6b8bb2b/

それでは、次回のコラムをお楽しみに。





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