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緑茶と認知症

今日のポイント

  • 緑茶は認知症予防に対して有効性が期待できる

  • 1日1杯以上摂取する人は認知機能低下が起きにくい

  • 緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールが認知症予防に良い

参考文献
[Nutrients. 2019 May; 11(5): 1165.]
[Public Health Nutr. 2020 Apr;23(6):1049-1057.]

本文

緑茶は私たち日本人にとって馴染み深い飲み物です。この緑茶には健康に良い効果があり、実は認知症予防にも有効性があるかもしれません。そこで今回は、緑茶と認知症の関係についてお話しします。

緑茶と認知症の関係を調べた研究はいくつかありますが、それらをまとめて系統的にレビューした論文があります。この論文では、2018年までに発表された8つの研究が対象となっています。結果は、6つの研究が緑茶が認知症予防に対して良いあるいは部分的に良い効果があるとしており、残り2つの研究は緑茶と認知症の間に関連性はないとしています。

また、2020年に日本の国立長寿医療研究センターが緑茶およびコーヒーと認知機能低下の関連について発表した論文もあります。この論文では、日本人1305人を対象に平均5.3年間経過を追い、緑茶およびコーヒーの摂取頻度と認知機能低下の関連を調査しています。結果は、緑茶を1日1杯以上摂取する人は認知機能低下の発生率が低いというものでした (1日1杯未満の人に比べて 0.7倍) 。この研究結果からも、緑茶は認知症予防に有効性があると考えられます。

なぜ、緑茶が認知症予防に有効なのでしょうか。それは、緑茶に含まれているポリフェノールの一種であるカテキンが関与していると考えられています。カテキンには抗酸化作用、脳・神経の炎症を抑える作用があり、またアミロイドβといったアルツハイマー型認知症の原因物質の生成を抑える作用もあるとされています。さらに、動脈硬化に対しても抑制的な作用があるとされています。これらの作用により、緑茶は認知症予防に有効性があるのであろう、と考察されています。

緑茶にはカテキンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、認知症予防に対して有効性が期待できるということです。ただし、お茶請けの食べ過ぎには注意が必要かもしれません。美味しい緑茶にこのような効果があるというのは嬉しいものですね。

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