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認知症リスクが高い、避けるべき食品

本日のポイント

  1. 超加工食品は認知症リスクを上昇させる

  2. 超加工食品とは糖分、塩分、脂肪が多く、味や利便性が重視された加工の度合いが大きい食べ物である

  3. 超加工食品を減らし、自然の食材を調理して食べる機会を増やしましょう

参考文献
[Neurology. 2022 Sep 6;99(10):e1056-e1066.]
[JAMA Neurol. 2023 Feb 1;80(2):142-150.]
[Eur J Nutr. 2022; 61(8): 3975–3985.]

本文

健康にいい食品を食べるのと同じか、それ以上に健康にわるい食品を避けることは重要です。今回は認知症になるリスクを上げてしまう食品に関する研究をご紹介します。

最近問題視されている、ある食品とは超加工食品です。聞きなれない言葉かもしれませんが、超加工食品 (Ultra-processed foods) とは、糖分、塩分、脂肪が多く、味や利便性が重視された加工の度合いが大きい食べ物を意味します。具体的には、清涼飲料水、スナック菓子、ケチャップ、マヨネーズ、アイスクリーム、ケーキ、ドーナツ、カップ麺、ソーセージやナゲットなどの肉加工食品、などです。どれも現代社会ではありふれた食品で、言われるまでもなく、手軽で美味しいんだけど体に良くはないだろうな、というものばかりですね。

最初の研究は、イギリスに住む 72083人を対象とし 10年間観察して超加工食品の摂取量と認知症の発症に関係があるかを検討したものです。結果、超加工食品を多く摂取しているほど、認知症を発症するリスクが高いことが分かりました (1日の食事に占める超加工食品の割合が10%増えると認知症の発症リスクが25%増える)。また、超加工食品を 1日あたり 50g減らして (冷凍ピザ 1/3枚、チョコレートバー 1本程度に相当) 非加工食品 (リンゴ半分、とうもろこし1皿程度に相当) に置き換えるだけで認知症の発症リスクを 3% 下げることができる、と著者らは述べています。

次の研究は、ブラジルに住む10775人を対象とし、 8-10年間観察しています。結果は先ほどの研究と似た結果で、食事に占める超加工食品の割合が多いほど認知機能の低下速度が早い、というものでした。

なぜ超加工食品の摂取が多いと認知症になりやすいのでしょうか。その理由として、超加工食品には糖質と脂質が多くタンパク質と食物繊維が少ないため、糖尿病、肥満、ひいては動脈硬化や脳卒中のリスクが上昇し、その結果として認知症リスクが上昇するのであろう、と考察されています。また、超加工食品には食物繊維や必須栄養素が少なく、炎症や内分泌撹乱を引き起こす添加物が多いため、結果として神経炎症が生じやすくなり認知症リスクが上昇する、とも言われています。

超加工食品、というと特殊な食品に思えますが、実際にはコンビニやスーパーで手に入るような食品の多くは超加工食品です。お菓子やインスタントフードを食べる量を減らし、時間と手間はかかるかもしれませんが食材を調理して食べる機会を増やしましょう

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