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動脈硬化の検査 CAVI とは

今日のポイント

  • CAVI は動脈硬化の検査の一つで、動脈の硬さを評価する

  • 検査は短時間かつ負担が少ない簡単なものである

  • 動脈の硬さから血管年齢や将来の重篤な病気のリスクが推測できる

参考文献
[J Am Heart Assoc. 2021 Aug 17; 10(16): e020103.]

本文

動脈硬化がどの程度進んでいるのかをみる検査は複数あり、動脈の硬さ、プラーク (動脈硬化で血管の内側が局所的に盛り上がっている状態)、狭窄や閉塞の評価をするために検査を使い分けます。この中で、動脈の硬さを評価する検査は CAVI (Cardio Ankle Vascular Index の略。キャビと読みます)、PWV (Pulse Wave Velocity)、そして超音波検査があります。今日はこの中の CAVI についてお話しします。

CAVI は心臓から足首までの動脈の硬さを反映する指標で、動脈硬化が進行するほど値が高くなります。検査自体は5分程度と短時間ですみ、痛みなどの身体的負担もほとんどありません。具体的には、ベッドの上に仰向けに寝て、両腕と両足首に血圧計と同じようなカフを、胸に心電図の電極と心音マイクをそれぞれ装着します。そして準備ができたら、血圧と心電図を測るようにして機械が必要なデータを収集して CAVI の検査結果が出てきます。

CAVI は血圧と PWV の値から計算でき、PWV そのものに比べると、血圧による影響を受けにくいというメリットがあります。CAVI の結果からおおよその「血管年齢」をお示しして、検査を受けた人に動脈硬化の程度をイメージしやすく提示することもできます。

CAVI は実際に、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満などがある人では値が上昇していることが分かっています。それぞれの治療を受けたり減量に成功したりすると、CAVI の値が下がることも分かっています。そして、日本人 2938人を対象に約5年間観察した研究では 、CAVI の値が 9.5 以上とかなり高い人は心筋梗塞など心血管病での死亡リスクが高く (低い人の 3.8倍)、脳卒中の発症リスクも高い (低い人の 2.1倍) と報告されました

CAVI は血圧と脈波から算出できる動脈の硬さの指標であり、値が高いと動脈硬化が進んでいる、あるいは動脈硬化のリスクを抱えていることを意味します。そして、実際に動脈硬化が関係する重篤な病気になるリスクを占うこともできる検査だということですね。

健康診断や人間ドックを含め、病院で受けられる検査は色々あります。CAVI を提案された時は、検査を受けてみるのも良いと思います。


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