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考える時の型、持ってますか?〜1分で話せ/伊藤羊一

(本書を読むべき層)
・大学の研究室に配属となったばかり、会社に入ったばかりで「考える」ことが具体的にどんなことなのかがイマイチ想像できていない人
・プレゼンなり上司への提案でつまづきがちな新入社員〜中堅層


店頭で見ていて、ちょっと読んでみたいな〜と思っていたものの、なかなか買うには至らず・・でしたが図書館で偶然発見したので早速借りて読んでみました。

これまでにこの手のプレゼン本・ロジカルシンキング本を読んだことのある方であれば既知の内容が多いかと思いますが、まだあまりそういった類の本を読んでいない方、もしくは読んでも実務に落とし込めていないような感覚をお持ちの方におすすめの1冊。

はじめに目的ありき

んなこたわかってるわい!いいからテクニックを教えてくれよ!
と言う声が伝わってきそうですが、仕事でもなんでも、目的を明確化するのは大事なこと。
本書で対象としてるプレゼン(説明)も変わりありません。
といっても、本書ではその認識の甘さに釘を刺します。

そもそも「理解してもらう」と言うゴールがおかしいのです。
伝える側が聞き手に理解した上で、どうして欲しいのか、君が動くのか、私が動くのかどうすれば良いのかと言うことを必ず考えなくてはならないのです。

多くの社会人にとって、プレゼンの機会は外的に与えられることがほとんどかと。
・上司から会議でとある案件について説明するよう指示があった
・学会に申し込んだらプレゼンしないといけなくなった
こんな時、大抵の人は目的を問われても
「聴衆に理解してもらうこと」
程度の解像度ではないでしょうか。
著者の伊藤さんはここに釘を刺します。学術的なプレゼンであれば、内容を理解してもらうことがゴールなりえる場合もありますが、それにしても、
・対象の徴収はどのような人で、どれくらいの人数が来るか
・伝えたいのは何か
・本発表のゴールは何か
をまずは明確にしないといけない。
と言うのも、これが定まらない限り資料も口頭での発表内容も全然違ったものになってくるからです。
これまで、なんとなく言われた通りに、なんとなく資料を準備してなんとなく発表という方が大半かと思いますが(自分も・・・)、少し認識を改める必要が有馬そうです。

すべてのプレゼンはゴールを達成するためにあります。聞き手のことを考え、聞き手をどういう状態に持っていきたいかを見定めてから、それを実行するために何をすればいいか何を伝えればいいのかお客さんで考えていくのです。

インプットもアウトプットもピラミッド構造を意識

知っている方には耳タコな話ですが、端的にわかりやすい(=本書のタイトルの通り、1分で話す)には、ピラミッド構造を意識することが大事と著者は述べます。

これは、結論に対して、根拠を3つ程度準備し、さらに具体例をぶら下げるという枠のことです。

🔹ピラミッド構造
(結論)ー(根拠①)ー(例えば)
          ー(例えば)
    ー(根拠②)ー(例えば)
    ー(根拠③)ー(例えば)

こんな感じ。
例えば、自分の勤めている会社が好きだ、というのを主張したいのであれば、
根拠① 働きやすい
根拠②一緒に働いている人が素敵
根拠③給料が良い
みたいな感じですね。
他人に説明をするときも、このピラミッド構造を意識しながら順に話をすればよく
「私はこの会社が好きです。なぜなら、根拠①〜③。例えば〜」
みたいな感じです。

で、これは自分の説明の際にも使えますが、他人から情報を得るときにも、正確に理解するために枠として頭に置いておくと良いとのことです。
上述のように整理して話をしてくれる人ばかりではなく、多くの場合主張を言ったと思ったら根拠がないとか、根拠しか喋ってないなんてケースも散見されます。
そんな時には他人の話を聞きながら、
「あ、今ピラミッドのここを話しているのだ」
というのを整理しながら聞いてみましょう。これだけでも、相手の主張がよく理解できるようになりますし、場合によっては主張がなかったことにも気づけるかもしません。

あと、思考整理中の自分への黄金の質問は
・だから何?
・本当か?
・ファイナルアンサー?
の3点だそうで、ぜひお試しください。

軽いけど、正統派を貫く良書です。

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