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幸せになりたい人に推したい本 /99.9%は幸せの素人

私は幸せに生きたいという思いが強いので、こういう「どうやったら幸せでいられるのか」というテーマの本はこれまでもけっこう読んできた。けれど正直、大抵の本は「うん、まぁね」という感じで、大きな発見があったとか、すごく印象に残っているという本は特になかった。そんな中、「あ、知りたかったようなことが書いてある!」と思ったのがこちらの本。


この本では、科学的根拠にもとづき、幸福度を高めるにはどうすればいいのかが解説されている。おそらくたいていの人が幸福になりたいと思っているだろうし、今よりもっと幸福になることを意識しながら少なからず日々努力をしていると思う。でも結局のところ、何をどうすればどのくらい幸福度が上がるかは、よくわかっていないのではないだろうか。実は幸福度とはなにも関係ない、ムダな努力をしてしまっているかもしれない。

たとえばお金と幸福度に関して。
年収が今の2倍になれば、2倍幸福になるかというと、そんなことはなく、年収が今の2倍になった場合の幸福度の上昇率はまさかのたった9%。理由は、現実的に年収を2倍にしようとすれば、ものすごいエネルギーや時間が必要となり、たいていはその分大きな犠牲を払うことになるから。お金に関しては、いくら稼ぐかよりも、どういう使い方をするかということのほうが、幸福度には深く関わってくるらしい。

人間関係と幸福度に関して。
友達の数が多い人と少ない人はどちらが幸せかというと、実は数は関係ない。幸福度に関わってくるのは、友達のタイプの多様性。さまざま年齢の友達、さまざまな職業の友達、さまざまな国籍の友達という具合に、友達の種類が豊富であることが大切になるらしい。

結婚と幸福度に関して。
ズバリ、独身者よりも既婚者のほうが幸せなのか。
これはけっこう気になる人が多いのではと思うけれど、結果は、結婚後の努力次第。
結婚後に努力をしなければ、独身の頃よりも幸福度は下がってしまうというシビアな結果だった。では一体どんな努力が必要かというと、パートナーがしてくれることをあたりまえのことだと思わない努力。人間の脳は順応するようにできているので、何事にも自然に「慣れ」が生じてしまう。その為、ただ自然に任せていると幸福度は独身の頃よりも下がってしまう。だから意識的に、日頃から「慣れないため」の努力をする必要があるということだった。パートナーがしてくれることに感謝の言葉を伝えたり、パートナーの話にしっかり関心を示したり。

ここまで読んでみて、どのような感想を持たれただろうか。
ここに記したのは、本に書かれているほんの一部だけれど、これだけでもなんとなく、「あ、やみくもにがんばって生きているだけでは、なんかズレてきちゃうな」という気持ちが沸いてきたのではないだろうか。私自身はこの本を読んで、けっこう自分の認識がズレていたことに気付かされた。

結局のところ、幸福になる為にはやはり努力は必要だ。

でも幸福度を高めるための行動のひとつひとつは、そんなにハードルの高いものでもない。たとえば、店員さんとコミュニケーションをとる際に、アイコンタクトをして笑顔で「ありがとう」という。これだけでも、人は温かな人間関係を実感して、幸福度を高めることができるそうだ。知ってさえいれば、日頃から簡単に自分をちょっと幸せにすることはできるのだ。

また、これはちょっと恐ろしいが、「幸せは伝染する」ということも、本書には書かれている。
身近な人、友達やご近所さんなどが幸福だと、その影響を受けて、私たち自身の幸福度も上がるということだ。親しい友達が幸せだと、私たちの幸福度は15%ほど上がり、なんと「友達の友達」というほぼ他人では?と思えるような存在の人の幸福度まで、私たちの幸福度に影響してくるらしい。それも8%も!
「友達の友達」が幸福だと、私たちの幸福度は8%上がるわけだが、逆に言えば、「友達の友達」が不幸だった場合、私たちはそのネガティブな影響を8%も受けるのだ。

自分にとって大切な人たちを優先するあまり、「自分自身のことなんて二の次でいい」という発想になってしまっている人も中にはいるのではないかと思う。
けれど、自分の幸せが誰かの幸せにこれだけ影響力をもっているということは、自分の幸せをないがしろにすることは、誰かの幸せをないがしろにすることにも繋がっていくということだ。

だったらもっと、正々堂々と自分の幸せを追求していこう。自分のために。誰かのために。














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