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【69.水曜映画れびゅ~】"The Imitation Game"~最も好きな映画の名言~

突然ですが、皆さんは映画のなかで心に残った名言などありますか?

"Hasta La Vista Baby"アスタラビスタベイベー
(地獄で会おうぜ、ベイビー)

『ターミネーター2』(1991)

"You know what they call a Quarter Pounder with Cheese in Paris?
They call it Royale with Cheese."
(パリでクォーターパウンダー・チーズってなんというか知ってるか?ロイヤルチーズって呼ぶんだぜ。)

『パルプ・フィクション』(1994)

"My mama always said,'Life was like a box of chocolates. You never know what you’re gonna get'."
(ママがいつも言ってたんだ。『人生はチョコレート箱に似ている。開けてみるまで、何が入ってるかわからない。』って。)

『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)

「名作に名言有り」とはよくいったもので、傑作映画には一生忘れられないような名セリフがあることが多いです。それは、シュワちゃんのクソカッコイイ一言だったり、どうでもいいけど妙に引っかかるタランティーノ節から生まれたものだったり、純粋なフォレストガンプの心に響く名言だったり、色々ですね。

映画好きを自負する私も、数多くの作品を観てきていくつもの名言を心に刻んできました。そんな中でも、最も心に響いた名言があります。
それは、2014年公開の"The Imitation Game"イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密からのある一言です。

あらすじ

1939年、第2次世界大戦が始まり、イギリスはドイツに宣戦を布告。ケンブリッジ大学の特別研究員で、27歳にして天才数学者と称えられるアラン・チューリングは英国政府の秘密作戦に参加し、ドイツ軍が誇る暗号エニグマの解読に挑むことになる。解読チームには6人の精鋭が集められるが、他人と協調することを嫌うチューリングとチームメンバーとの間には溝が深まっていく。

映画.comより一部抜粋

今まで描かれてこなかった第2次世界大戦の英雄。

1939年、ドイツのポーランド侵攻を受け、第2次世界大戦に突入したイギリスを舞台に始まる本作。

圧倒的な軍事力でヨーロッパ占領を拡大していくドイツ。
それに対抗するためにイギリス政府は、ドイツが誇る超難解な暗号コード「エニグマ」の解読を目指し、英国各地の学問の天才たちを結集させます。

その一人が、本作の主人公アラン・チューリング
天才数学者でありながら、コンプレックスな性格によりチームの輪を乱しまくり。私なら、会った瞬間から友達になりたくないなって思うような人物として描かれています(笑)。

ただ才能はピカイチで、奇抜な発想ながら暗号解読へ少しずつ近づいていく。また、チューリング自身もある女性との出会いにより少しずつ仲間と心を通わせるようになっていきます。

そんな彼の業績は、戦時中のエニグマ解読への貢献にとどまらず、現代社会になくてはならない存在である、あの機械の基礎となった「チューリングマシン」と呼ばれるものを開発したことも挙げられます。

今まで焦点が当てられてこなかったそんな彼の、第二次世界大戦への貢献と、その後の知られざる苦悩の日々が、本作では描かれています。

今最も旬な俳優ベネディクト・カンバーバッチによる繊細な演技!

本作は、近年で最もハイレベルであったと呼び声高い第87回アカデミー賞にて、作品賞を含む8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した文句なしの傑作。

ちなみにその時の脚色賞のノミネーションは以下の通りで、どれもまた素晴らしい作品ばかり。

『アメリカン・スナイパー』
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
『インヒアレント・ヴァイス』
『博士と彼女のセオリー』 
『セッション』

第87回アカデミー賞 脚色賞ノミネート作品

そんな本作で一際素晴らしいのは、主演を務めたベネディクト・カンバーバッチといえるでしょう。

今や超人気俳優のカンバーバッチ。
昨年は高圧的な男性中心主義のカーボーイを演じた『パワー・オブ・ザ・ドッグ』にて圧倒的な演技を魅せ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。

そのほか、『クーリエ:最高機密の運び屋』(2020)や『モーリタニアン 黒塗りの記録』(2021)といった評価の高い作品を製作及び出演。

また、今年は全世界待望のDr.Strange最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』も公開されます。

そんな今や飛ぶ鳥を落とす勢いの俳優であるカンバーバッチ。そんな彼が初めてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた作品が本作であります。

残念ながらエディ・レッドメインという強敵に阻まれ受賞こそ逃しましたが(しかもレッドメインが演じたのが、以前カンバーバッチも英国製作のドラマで演じたスティーブン・ホーキング博士…)、米タイム誌は「2014年俳優による演技トップ10」で本作のカンバーバッチの演技を一位に選びました。

1.ベネディクト・カンバーバッチ
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

2.ジュリアン・ムーア
『アリスのままで』
3.チャドウィック・ボーズマン
『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』
4.マリオン・コティヤール
『エヴァの告白』
『サンドラの週末』
5.エバ・グリーン
『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』
『シン・シティ 復讐の女神』
6.ジャック・オコンネル
『不屈の男 アンブロークン』
7.デビッド・オイェロウォ
『グローリー/明日への行進』
8.エシー・デイビス
『ババドック~暗闇の魔物~』
9.ジェニー・スレイト
『Obvious Child(原題)』
10.ティルダ・スウィントン
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

「米タイム誌が選ぶ2014年俳優による演技トップ10」
映画.comより

そんな本作の彼の演技の何が凄いかって、とにかく神経質で人を寄せ付けない空気感が絶妙なんですね。加えて、天才ゆえのナルシストな一面も。一方で、天才さに影を落とす過去やコンプレックスがあるという、役柄自体が非常に難しいのですが、ホントに見事に演じています。

その演技はオスカー受賞に値するものといえます。しかし今回のウィル・スミスもそうでしたが、なかなか対抗馬が強すぎるという巡り合わせで、まだオスカー像は獲得していません。

まぁ、ここ数年で100%獲ると確信しています。

心に残る名言:
「誰も想像だにしなかった人間が…」

さてさて映画の紹介が長くなりましたが、今回の記事の本題は、この作品に収められた私の最も好きな映画の名言です。

それが、こちらになります。

"Sometimes it is the people no one imagines anything of who do the things that no one can imagine"
(時に、誰も想像だにしなかった人間が、誰も想像だにしなかった偉業を成し遂げることがある。)

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』より

ベネディクト・カンバーバッチ演じるアラン・チューリングの言葉。
実際にアラン・チューリングが口にしたものなのか、映画のために脚色されたものなのかは定かではありませんが、この言葉は非常に私の胸に突き刺さり、座右の銘にしてます。

アラン・チューリングは今でこそ天才と称されますが、映画では前述した通り、かなりの変わり者として毛嫌いされていた様子が描かれています。しかしその一方で、エニグマ解読に対して最も純粋に尽力していました。そこには、なんと蔑まれようと、難題であろうと、諦めるのではなく突き進む尋常ではない精神力があったのだと思います。
そういった彼の真摯な姿勢がこの言葉に凝縮されており、私もそうでありたい、そうあるべきだと思うようになりました。

実際に私も、私のことを忘れてしまったようなかつての同級生たちなどに「えっ、あいつが!?」と、いつか言わせられるような偉業を成し遂げたいという想いを、ひそかに秘めています。
だからこそ、常にこの言葉を心にしっかり刻んでいます。


※『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』は、現在(2022/04/12)Netflix及びAmazonaプライムビデオにて、配信されています。この記事で興味を持たれた方は、ぜひご覧ください!


前回記事と、次回記事

前回投稿した記事はこちらから!

これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!

来週は、全米で異例の大ヒットとなった2019年公開の映画"The Peanut Butter Falcon"ザ・ピーナッツバター・ファルコンを紹介したいと思います。
お楽しみに!


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