見出し画像

進むべき道はいずれ現れる その為に準備できることは?

今日Twitterで知った、沖縄で弁護士として働く黒人女性のインタビューが素晴らしかったので和訳をシェアします。

アメリカ人男性に捨てられた沖縄の女性と子を助ける為に養育費を取る手続きを25年間800人に対してサポート。しかも最初の10年間、300人は完全なボランティアで行ったとか。


NHKではBS1で26日(日)13時から再放送の模様

ですが、26日を待ちきれずに観た過去の彼女へのインタビュー動画(英語)の要約が以下です。動画のリンクは最後に貼ります。


心に残った言葉


-「自分に出来るわけがない」と思っていた道でも、身近な人が達成することで「自分にもできるかも」と思うきっかけになる。
-周囲をポジティブな声で囲み、ネガティブな声には耳を貸さずに努力すれば良い。
-自分の道は自分の気持ち、周囲のサポート、自分を必要とする人が現れることで開ける

インタビュー要約

弁護士になったきっかけ


・そもそも弁護士を志した訳ではなかった。ただ子供の頃裁判所の近くに住んでいて、母親が時々子供(10人兄妹!)を傍聴席に連れて行った。そこでは裁判官も検察官も弁護士も白人で、被告だけが黒人だった。そのため、法曹界は完全に自分の世界ではないと考えていた。
・ネブラスカで高校教師をしていたところ、友人に連れられてある友人の大学卒業式を見に出かけた。卒業する友人は自分と同じ黒人女性で、弁護士になるという。そこで初めて「私もできるかも」と考えた。
・高校の上司や友人たちも、「あなたならできる」「行くべきだ」と後押ししてくれた。ポジティブな人に囲まれていたことが大きい。ネガティブな親戚の声などはシャットアウトすべき。猛勉強の末、奨学金を得て進学し弁護士になることができた。

進むべき道について


・Calling(天の声、天職、強い希望などの意)を見つけたらこれまでの道は自分ではなかったと考えたらよい。新たな道を周りがサポートしてくれ、自分の助けを必要としている人がいれば進めば良い。しかしそれが本当に自分の正しい道と確信したのは沖縄に来てからだった。何か起こるたび、皆が必要なタイミングで必要な場所で助けてくれた。

沖縄への道~今後



・沖縄に来たきっかけは米軍キャンプ内での弁護士としての数年間の仕事。そこで米兵が沖縄女性と結婚して子をもうけそのまま帰国してしまう問題を知り、本国に帰任して周囲に問題提起をして回ったが誰も動かないので、徐々に「じゃあ、自分が行く・・?」と考え、弁護士として行くことにした。

・日本で弁護士として働く為には弁護士資格やビザが必要だが、前例がない為法務省手続きも障害の連続だった。申請の許可を申請する必要があり、その為に7500香港ドルを払って資格証明書(?)を作ったり、十分な財産を日本口座に用意せよと言われたり、弁護士資格が貰えるかわからないのに申請の為に必要な住居とオフィスの確保、通訳を連れての上京、日弁連への2名の弁護士の推薦状・・と、彼女自身「最初にすべてのハードルが見えていたら諦めていた」という程だったが、「一つ乗り越えたらまた次が現れたので乗り越えられた。それに沖縄の友達が助けてくれた」と。
・日米地位協定を調べ、フィリピン、ドイツにも問い合わせ、最終的にドイツと米国間の地位協定と米国内のチャイルドサポートの仕組みを知る。またDNA鑑定キットを送る資格を取り、養育費の小切手を受けとる手続きなど様々な障害をクリアして今に至る。
・「自分の成し遂げたことを素晴らしいと思うか?」の問いに「Yes!」と力強く頷いていた。一方、5年後には引退していたいが自分が去った後に誰がこの仕事を継げるかが心配とも。

考えたこと:進むべき道に向け準備できることは

この弁護士の方の活動には本当に頭が下がります。一方、インタビューを見ると意外と本人は深く考えずに湧き出る気持ちに押されて動いて来られたようでもあります。この「自分の内側からやりたいと思う動機」を心理学では「内発的動機」といいます。反対に、打算や世間体、親の期待、社会的成功、承認欲求などからの動機付けを「外発的動機」と言います。

現在は「やりたいことを選ぼう」と、建前上は内発的動機からの自己選択が尊重される時代ですが、日本人は学校でも職場でも集団に合わせて行動するよう期待され(外発的動機で)育つ為、「自分のやりたいことを選びなさい」と言われても、自分の意思で考え、選択する場数がどうしても少なく、心の声に突き動かされて行動できる人は少ないように思います。自分自身も、突き動かされた覚えはあまりありません。

また、子育てや自身の進路選択においては、どうしても社会的安定やリスク等を考えてしまうので、結果、社会に出てから、「やりたい事がわからない」と遠回りする人が多いのかなと。

子育てにおいて親がそれを避けるには 「子供のやりたい事を応援する」なのですが、乳幼児期に汚すな、走るなどと色々しつける内に子供もお行儀よく合わせるスキルを身に付けてしまいがちです。

自分自身も、この方ほど崇高な道でなくても「やったほうが良い」「やらなくても良いこと」より、「やりたい事」を選択する(但し選択できるような努力はする)ことで、回り道は減るのかなと思った次第です。

以上つらつらと書きましたが、長文にお付き合いいただきありがとうございます!










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?