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北京のまち歩き 五道営胡同

北京の胡同地区は、年々整備されている。整備、というのは聞こえは良いわけですが、エリアごとごっそり立退きが行われて新しい建物が面的に新築されていく場所もありますし、道路の拡幅や地下鉄敷設のために相当の古い建物が壊されてきた場所もあります。私が北京に住み始めた頃の2010年前後は、この写真展で良く撮影しているエリアの周辺も、かなり壊されていた記憶があります。最近では、景観規制の順守を大義名分に、大規模な外観改修令が出されていて、多くの慣れ親しまれた店舗の外観が変わってしまったこともあります。そういう意味では、純粋な意味での伝統的な建物の保存保全地区ではないのだけれど、そういう場所も混じりながら北京のローカルな雰囲気を残し続けているという、特殊なところがあります。そこが、中国的で面白いと思うところです。

胡同は通りのことを指しますので、さまざまな場所に〇〇胡同という命名がされていて、それぞれに歴史や由来を感じさせる名前がついています。商業的に再生されて住宅が無くなったエリアもありますが、古いまま住宅商業混在の状況を続けているエリアもあり、それらは意図せざる状況というか、不動産事情がそうさせているのですが、生活が垣間見える場所ほど面白い光景が続きます。


五道営胡同。北京を代表する商業活用された胡同。雍和宮の東にあり、非常に賑わっています。


五道営胡同は、明代に設置された36の坊(都市区画の単位)のうち崇教坊と呼ばれた場所にあり、清代に"五道営"と名付けられ、乾隆帝以後から胡同の形となったようです。五道営胡同という名称が使われるようになったのは1965年。632m、道路幅6m。中華人民共和国建国後も、69の中庭があったということです。現在は飲食店、服飾・雑貨店などが立ち並んでいます。お買い物も去ることながら、街角の美味しいお店の捜索は北京で最も楽しいことのひとつ。観光地化されればされるほど、外国人の多いオフィスなどもそうですが、チェーン店や洒落たお店が増えていくのですが、胡同ではローカル感たっぷりの雰囲気のお店で、気に入ったお店を探して食事するのは特に楽しいです。五道営胡同でのおすすめを2店。


麺が売りのお店ではありますが、手作りの自家製餃子が美味しい五道営胡同の小さな食堂。

喰面
北京市東城区五道営胡同30号


自家製ソーセージとクラフトビールのお店。ソーセージも手作り感たっぷりだった記憶。

原素精酿・餐
北京市东城区雍和宫大街五道营胡同26号

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