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海辺のドライブと写真展

リモート会議がリスケになったある朝、ポカポカ陽気に誘われてあてもなく桂浜方面へドライブ。太平洋に面した海岸通りを走っていると「マリーンロード」というレトロな喫茶店に出会した。ちょうどコーヒーが飲みたかったから入る。客はいない。ごちゃごちゃのカウンターに背を向けて向け眼下に広がるは絶景オーシャンビュー。エプロン姿の初老の女性が淹れてくれたコーヒーは薄い。でも美味しかった。居心地良かった。全面ガラス、天井が高くコンクリート剥き出しの空間にはクラシックが流れ、使い込まれた籐の椅子やテーブルが。学生時代を思い出した。村上春樹流に言えば「キュウリのサンドイッチとキリッと冷えたビール」が似合いそうな面影。青い海。

「マリーンロード」のあとは高知県立美術館へ。高知港方面を走ったためダンプやコンテナゴトコンに囲まれる小さなラパン。甫木元空写真展。死に向かう母親と家族の記録。ハーフカメラを使った写真は時系列と言えどもストーリー構成で編集または台割をしている(展示室スタッフに聞いてみた)。
ドキュメンタリーであり、私的で私小説のような、とても良い写真展だった。肉体の終わりに向かう母親の記録。身内に誕生した新しい命。四万十の田舎町の四季の移ろい。すべては生き、すべては散るを繰り返し繋がる。

考えてみたら2024年第1発目のアート鑑賞だ。仕事柄、相当数の展覧会に脚を運ぶ。今年もたくさんのクリエイティブに出会って一つずつ言語化していこう。これってものすごく訓練になるのです、思考や仕事の。


画像は甫木元空写真展入り口。ちゃんと受付の方の了解を得てパチリ。
Photo by Junko Sasanuki





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