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【ギフテッド】宮沢賢治、折口信夫、中島敦、南方熊楠

宮沢賢治、没後90年。
折口信夫、没後70年。

この二人は、
とてつもない広範囲で、
活躍したギフテッドです。 

宮沢賢治はご存じの通り、
童話、小説、詩歌、作曲、
農学、干ばつ予防などなど、
枚挙にいとまがありません。

折口信夫(しのぶ)も、
万葉集や古代文化全般、
ならびに、柳田国男と共に
日本に民俗学を打ち立てました。
その上、短歌を書いたり、
小説も遺していました。

良くない言葉遣いですが、
宮沢賢治も折口信夫も、
いわば「バケモノ」です。

文学オンリーな小説家とは
何かが違います。
一つのフィールドに収まれない
たくましい魂の持ち主なんでしょう。

ちなみに、日本には
こうした多才なクリエイターが
まだまだいます。

一人は中島敦、今年没後81年。
もう一人は南方熊楠、今年没後82年。

この二人も、バケモノです。
どの道や尾根をどうやって
登っていったらいいのか?
あまりに天才過ぎて、
全貌を理解するには、
取り付く島がなさ過ぎます。 

この4人は、日本的小説家とは
あまりに違う、
何かしらエシカルなオーラが
はみ出しています。

中島敦は、
「山月記」など中国の古典に
材をとったイメージが強いですが、
ほかにも『西遊記』を
パロディにした作品や
アッシリアを舞台にした作品、
ポリネシアを舞台にした作品、
また『宝島』『ジキルとハイド』
などを書いたスティーブンソンの
晩年を描いた中篇小説があります。

それから、南方熊楠も、
マルチに活躍した人で、
日本民俗学、民族学、博物学、
粘菌研究、植物学、環境学などなど。
いったい彼はどんなことを
追い求めていたのだろう?

ところで、寿命は
どうだったでしょう?
中島敦、33才。
宮沢賢治、37才。
折口信夫、66才。
南方熊楠、74才。

この4人に共通しているのは、
未完の作品や研究が
少なくないことです。

中島敦や宮沢賢治は
その死が早過ぎるから、
未完があっても仕方ないかも
しれません。

でも、折口信夫にも
未完の作品がままあります。

さらに、南方熊楠になると、
取り組んだ研究テーマで
完成させたものの方が少ないです。

南方熊楠は、
好奇心や行動力があり過ぎて、
一箇所に留まって創作や研究をするには
向いていなかったらしい。

それは、折口信夫も、
よく似ているような…。

彼らに対しては、
神様はあまりに短い人生しか
与えていなかったなあ。

多才さやマルチな才能は、
いっけん羨ましいものですが、
もう少し彼らギフテッドに
長い人生を与えてあげてたら、
日本の文学世界は、
今とは大いに違っていたはずでしょう。
もったいない、ああ、もったいない。

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