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【読書】全集を読もう。そのメリットとは?

読書するなら全集を読め。

私が学生時代には
こうした話が有効に思えたし、
それを実践してる人も沢山いました。
30年前の文学青年青女の間では。
身近にいた友人では、
福沢諭吉全集を読む人や
吉田松陰全集を読む人がいました。

「全集、それも、
個人全集を読みましょう。」

なぜ、そんなことが
広く熱く言われたのでしょう。

全集を読むと
どんなメリットがあったのか?

一人の作家の人生を
まるごと知られるような、
断片的ではなく全体的な理解が
得られるから、でしょう。

しかし、
それはタイパとかコスパとか
現代的な価値観では
「全集を読もう」とは
なかなかならないでしょうね。

そういえば、
最近、全集を読もうなんて
言葉はあまり聞かないですね。

だからか、
出版界でも、
全集の刊行はめっきり減りました。

まあ、夏目漱石や三島由紀夫など
明治や昭和の作家はあらかた、
全集は出てますからね。

あ、そうだ、
最近では、大江健三郎全集が
久しぶりに出版界をにぎわせました。
たしか、大江健三郎作品集、
といったタイトルで。

ところで、
全集を読むとどんなメリットが
あるのかしら?

作品をひとつ読むのは、
恋愛で(笑)たとえるなら、
一度のデートに似ている。
傑作を読んで感動を味わうのは、
そんな感じでしょうか。

全集を頭からお尻まで読むのは、
恋愛にたとえれば、
一度のデートではなく、
もはや、同棲、
いや結婚していることでしょう。

相手(作家)を全体的に理解してる
段階になっていますね。

全体的な理解から、
作品ひとつひとつを読むと、
言葉ひとつひとつが
どんな文脈で読めばいいか
理解が深まります。

それを味わえると
自分の読解力ががぜん
高まった気持ちになるにちがいない。

どうも理解できずにいた
ある場面の解釈についても、
ああ、そういうことだったのか、
と腑に落ちるでしょう。

ただ、令和の時代に、
全集読みはタイパが悪すぎる。
全集読みにチャレンジしている人は
どれくらいいるかしら?

ちなみに、私は
小林秀雄全集を
何度もチャレンジしては
毎回、途中で挫折経験してきましたが、
もうワーカーホリックでも
なくなったし、
久しぶりに全集にチャレンジして
みようかなと思います。

いや、今度は夏目漱石かな。

全集読みって、そう何人も
相手どる訳にも行かない。
やはり、全集読みは
結婚とどこか似ていますね(笑)。

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