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【マイノリティ】障がい者差別はこうして起きる?

私は一度、障がい者差別をした
ことがあります。恥ずかしながら。
20年以上前、30歳手前でしたが、
私は盲人のための点字新聞社で
アルバイトをしていました。
目に不自由な人が半数、
不自由がない人も半数いました。
区の広報新聞を点字新聞にしたり
音源テープにして何百もダビングして
盲人の方々に送るのが仕事でした。

私はアナウンサーの朗読を録音した
音源テープを元に、
一度に20個?にダビングする作業を、
1日数時間繰り返す作業が担当でした。
もう今じゃ、あの作業も、
デジタルになっていたら
盲人の方々に音源データを
メールで一斉に送れれば済むから、
もうあのバイトもないでしょうね。

職場には盲人や弱視の方も
半数はいました。
仲が良い人もできました。
好奇心旺盛な人も多く、
また、味の記憶や音の記憶が
凄い人も何人もいました。

のんびりした職場でしたが、
盲人などの障がい者と、健常者とでは、
当然、仕事の中身は違ってたし、
スピードも違っていました。

月に何日かは〆切の関係上、
かなり忙しい時もありましたが、
盲人の方々は、だからといって
走り回ったりはしないのですが、
私は、スピードアップできる分は
いつもより速くやろうとしたし、
階段も数段飛ばして走りました。

その時、私は優しい上司に、
ちょっとと呼びだされました。
できれば仕事は仮に忙しくても、
スピードを早めないで欲しいと
言われたんです。ビックリしました。
30手前で、元漫画編集者で、
元イタリア料理見習いで、
何でもスピードをあげたくなる私は
スピードをあげないでくれという
理屈がすぐには理解できなかった…。
聡明な方ならもうわかるでしょう。
盲人と健常者が一緒に働くという部分に
その法人の理想的理念があるのならば、
単細胞のせっかちがバタバタと
作業を片してしまうと、
盲人の方々の仕事がなくなってしまう。
だから、ゆっくりとやって、
盲人の方々と一緒に働いていくよう
心がけなくてはいけない…。
それが当時はわからなかった。

私は普通に仕事をしてるつもり。
でも、それでは困ると言われた。

盲人の方々にも、せっかちな人と
せっかちでない人は当然います。
でも、私は単に、一生懸命やるな!
と言われたんだと誤解したんです。
そうして、盲人の人は、
一生懸命働こうという気持ちが
ないのではないか?と決めつけたのです。
それからも、これと似たような
ギャップや溝を感じる場面が
何回かありました。

それからしばらくして、私は皮肉にも、
毎日終電&土日出社も当たり前の
ブラック出版社に入るのですが、
それは点字新聞社で誤った考えを
抱いた報いだったかもしれません。

働き方は、人によって、人の数だけ、
違いがでるし、違いがあっていい。
逆に、働き方がみんな同じでは、
おかしい訳ですよね。。。
…と今なら分かるのですが、
仕事は効率とスピードと結果だと
思い込んでいた当時の私は、
なんとバカだったことでしょう。

当時、ここの人たちはぬるま湯だ、
一生懸命働いていないんだ、と
決めつけてしまった方々に、
本当に謝らねばならないですね。
本当に申し訳ありませんでした。

あれは、障がい者に対する
理解のなさも原因だったでしょう。
ふだんはあまり接点がないから
不自然に尊重し過ぎたりする…
そんなメンタルを健常者は
持ちやすいかもしれません。

ふだんから身近で、
盲人や聾唖の人、車椅子の人と
自然に当たり前に触れ合っていたら
そうはならなくなるでしょうか。

でも、現実はまだまだ、
社会は健常者だけで回るのを良しと
してるように感じてしまいます。

スタバに、コメダに、ユニクロに、
本屋のレジに、コンビニに、
車椅子の人が働いていてもいいのに、
私はまだ、見かけた事がありません。
いつか、盲人はイヤホンで、
聾唖の人は発声器具で
何不自由なくコミュニケーション
できるようになれば、
コンビニやカフェでも本屋でも
ごく当たり前に働けますよね。
そんな時代が早く来ますように。

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