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【言葉】本のタイトルに「閉経」はありか?なしか?

身を削るタイプのエッセイスト。
読んでいるこっちが思わず
目をそらしそうになる大胆さが
彼女の売りでした。
その名は、中村うさぎ。
ご記憶の方も多いでしょう。

今から15年くらい前。
彼女は近々出すエッセイ集の
タイトルについて、
担当編集とバトルを広げ、
その一部始終を連載エッセイに
書いていました。

タイトル案として、
中村うさぎは
「閉経の逆襲」を提案した。
中村さんにとっては
自分にとってタイムリーな
単語だったに過ぎません。
まさか、これが編集部とのバトルに
つながるとは思ってもいなかった。

さて。
「閉経」の文字をタイトルに?!
それはダメでしょ!
大っぴらな場所でその言葉は?
そういって週刊文春の担当は
電話ですぐさまNGをだしてきた。

中村うさぎは、これに対して
「はあ?なに!閉経は
悪い言葉だとでも言うわけ?」

もともとファイティングポーズの
中村さんには、
文春担当の事なかれ主義な判断は
許せなかったに違いない。

別にわいせつな言葉ではないし、
女性がみな通る現象です。

ただ、本のタイトルとなると、
どうだろうか?
品性とか、キャッチーさなど
考えたら、閉経はなしか?

私が文春担当の立場なら、
正直、閉経はゴーサインは
出さないで、「練り直しましょう」
というに違いない。

中村さんからしたら、
私も誤った見識を持ってる日和野郎か
(汗)。

当時は私は40才くらい。
閉経というタイトルがあったら
パンチがあるなと感じるか、
ヤバい本かな?と感じるか?

この中村うさぎと文春編集部との
やり取りはもう何ラリーか続いた後、
結局、中村うさぎさんの言い分が
勝ちました。

女友達に聞いたら、
タイトルに「閉経」とあっても
中身がそういう内容なら、
それは自然でしょうと言われた。

やはり中村うさぎさんは 
間違っていなかったか。

ちなみに今ならどうでしょう?

女性問題の視点から。
また、老化社会の視点から。

たぶん、毎日、加齢や
更年期の話が表に出ている時代です。
隠す必要はない、
むしろ、中身がそうなら、
タイトルもそれに合わせるのが
自然でしょう。

中村うさぎさんは
整形したり、
買い物依存症になったり、
わざと風俗店で働いたり、
女性が気になるテーマについて
体当たりしながら
エッセイを書いていた人で、
私はいつもヒリヒリ、
ハラハラしてました。

今は大変な難病にかかり、
病いと闘っているようですが、
体当たりスタイルの中村さんなら
その大病を治してから、その体験を
また、エッセイにしてくれるに
ちがいありません。

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