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【予言】一億総"作家"時代がやって来る?

「情報産業論」という文明論的な
エッセイにハマっています。

『情報の文明学』(中公文庫)に収められた
文章で、1962年(昭和37年)に発表された
文明産業論です。

著者の梅棹忠夫さんは、
京都大学の自由な学風を代表する
知の巨人でしたが、
この本では幾つもの予言をしています。

この文章が発表された時は
「マスコミ」という言葉が
一般にはまだ馴染んでなかった。
テレビ界はやっと民放が出揃った時代。
そんなテレビ時代の隆盛前夜に
これからはテレビの「情報」が
重要な「商品」になると予言したのです。

それよりもびっくりするのは、
まだインターネットもコンピュータも
政府や軍部のコントロール下にある時代。
いつか、ネットもコンピュータも
一般の人が個人で使える時代が
いつか来るだろう。
そうなれば、一人一人が文章を
書いて発表するようになる、と。

これは、今のブログやツイッターを
梅棹さんは、予見してた訳ですね。

更に凄いのは、
ネット情報ツールを手に入れた人は、
一体誰のために?何のために?
文字を書くか?を語る場面です。

基本的に書物は、読者つまり消費者に
向けて書かれてきましたが、
個人が自分専用の情報ツールを
手に入れたら、
読者、消費者に向けてではなく、
自分のために、自分の生き甲斐のために、
人は小説や日記を書く時が来ると。

一億総作家、執筆家時代が
やって来るというのです。

創作サイト「小説家になろう」が今、
人気となって、
登録者が80万人を越えました。
誰もが創作を発表する時代です。
今はまだ読者のために書かれている
ようですが。

いつか、人は他人に向けてではなく、
自分自身のために「物語」を創り出す。
そんな時代がそこまで来てる…
かもしれません。

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