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【小津映画】小津安二郎を見るなら最初はカラー映画から!?

小津安二郎監督の映画は
お正月気分にはとてもピッタリ。
という訳で、
さっそく『秋刀魚の味』を
観ています。

以前、20代の女子に
小津安二郎を観たことがある?
って聞いたら、
シロクロ映画はさすがにキツい
といわれてしまった。

でも、これは決して、
彼女一人の意見ではなく、
今の20代30代の人に
通じる意見なんでしょうね。

小津安二郎作品は
晩年の5作品はカラーですが、
ほかは全てシロクロ。
代表作の『東京物語』や
『麦秋』『晩春』など
「小津といえば」となる名作は
ほとんどシロクロばかり。

だからでしょうか、
最近ユーチューブを観てたら
『麦秋』のカラー再現映画を
観ることができて、
とても観やすかった。
シロクロの名作が
カラー再現されていくのは、
若い世代に小津安二郎作品が
普及していくには良いでしょう。

私はシロクロ映画のカラー再現、
賛成派ですね。
ちょっとあった敷居が 
なくなる気がして。

さて、長い枕話になりましたが、
小津安二郎作品、
どれから観たらいいか?
勝手にランキングしてみようかと。

①『秋刀魚の味』カラー 1962年
小津マニアにはあまり評価が
高くない作品かもしれませんが、
笠智衆と佐田啓二と岩下志麻
という豪華なキャストだし、
人間の寂しさ、孤独、別離など
小津が得意としたテーマなので、
安心して観られます。
原節子がキャストに加わって
いないのがちょっと残念。

②『秋日和』カラー 1960年
小津作品常連の原節子が主演。
まだお見合いという文化が
当たり前に機能していた頃が背景。
原節子、岡田茉莉子、佐分利信、
佐田啓二らキャストも安定感。
オヤジどもの世話焼きに
若い女性たちが反逆する、
ちょっぴり痛快な小津作品。
おじさんたちの、
女性の幸福は結婚することだ、 
という決めつけには
今ならセクハラとなるでしょうか。
まあ、それは1960年に作られた事を
考えると、仕方なし…でしょうか。

③『彼岸花』カラー 1958年
女性は親が決めた結婚をするのが
一番幸せだという社会背景の中で
周囲の親やおじさんたちが
自由恋愛を前に動揺する物語。
キャストは、佐分利信、佐田啓二、
笠智衆、山本富士子、有馬稲子ら。

④『東京物語』シロクロ、1953年
小津安二郎の最高傑作、  
と評価されている家族ドラマ。
小津を観るなら、やはり
東京物語から入るのがいいと
よく言われますね。
私は『秋刀魚の味』から入るのが
オススメですが。

⑤『おはよう』カラー
これは小津作品では、
もっともテンポのいい
コミカルな家庭ドラマ。
テレビを買うか買わないかで
親と子供が対立するお話。
人生の哀歓とか別離などは
一切出てこない意味では
あんしんして観られますね。

こうしたところかな、 
小津安二郎への
アプローチとしては。
 
他にも『麦秋』や『晩春』など
原節子がもっとも美しく撮影された
美しい映画がありますが、
それは、
小津作品を1〜2本みて、
気にいってからで良いでしょうか。

まだ日本に美しい感情生活が
守られていた最後の時代を、
小津さんは保存してくれた
偉大なクリエイターですね。

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