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話題の映画『アメリカン・ユートピア』見どころ紹介!

いま話題になっている映画『アメリカン・ユートピア』が、めっちゃいいです!
これは映画館でやっているうちぜひ観ておいた方がいいやつです。

このコロナ禍で舞台なんて全然見れないですが、映画館でこういう作品をやってくれると大画面で最高の音響で鑑賞できるのでとってもいいです。
本国アメリカでは、映画館が閉まってしまっているので本作はなんと動画配信だったのだとか。(信じられない!)

日本ではちゃんと映画館で鑑賞することができますので、絶対に劇場での鑑賞をおすすめします。

今回はこの『アメリカン・ユートピア』の見どころを紹介したいと思います!


映画『アメリカン・ユートピア』

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2020年 アメリカ 107分
監督:スパイク・リー 脚本:デヴィッド・バーン
出演:デヴィッド・バーン、他

元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案にしたブロードウェイのショーがまず作られました。
それを、映画監督のスパイク・リーが今回映像化したのが、映画『アメリカン・ユートピア』なんです。

トーキング・ヘッズ時代の曲も含めて全21曲を、様々な国から集まった11人のアーティストたちと繰り広げる魅惑のショーです!

ディヴィッド・バーンが脳について語り出すところから始まり、次々と曲が披露されていきます。
ピタゴラ体操のようなとても奇妙でコミカルなダンスと共に笑
すごくゆるい感じもありつつ、アーティストたちの一糸みだれぬフォーメーションによるパフォーマンスは最高で、かなりメッセージ性も強いものになってます。


本作の見どころ

◎音楽がいい
◎パフォーマンスがいい
◎映画監督スパイク・リーの視点
◎メッセージがすごい

基本的には、コンサート映画なので全編音楽なので、やっぱり音楽がいいんですが、それに連動したアーティストたちのプログラミングされたようなパフォーマンスがまたいいんです。

それに思ってた以上にデヴィッド・バーンのメッセージが込められてました。
そして、なぜスパイク・リー?とも思っていたのですが、納得の演出と彼と組む意味が分かるようなメッセージでした。


Spotifyのプレイリスト

こちらから全21曲がチェックできます。
映画を観てから聞き返すと本当にいいです。予習の意味でも聞いておいてから臨むのもいいかもしれません。


デヴィッド・バーンとは

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劇中でも触れられますがスコットランド出身のアーティストで、1974年〜1991年までトーキング・ヘッズとしてアメリカでロックバンドとして活動していました。
1952年生まれの69歳。現在はニューヨーク在住で、アメリカとイギリスの二重国籍となっています。

自分自身が、外国出身であり移民に対する想いがあることが分かります。

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トーキング・ヘッズ時代

グラミー賞も受賞しており、映画『ラスト・エンペラー』(1987)では、坂本龍一らと音楽を手掛け、アカデミー賞作曲賞も受賞しています。


パフォーマンス

この作品、とにかく11人のアーティストたちによるパフォーマンスが最高です。様々な国から集まったミュージシャンやダンサーらが、パントマイムも含めたダンスパフォーマンスを披露します。

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みんなお揃いのグレーのスーツなのもいい。それに裸足!

デヴィッド・バーンは、演奏以外にパフォーマンスも含めた表現に力を入れていて、過去にも傑作と言われたコンサート映画を作っています。

それが、『ストップ・メイキング・センス』です。

この作品の監督は、なんと『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミです!
元々トーキング・ヘッズのファンでコンサートを見にきていたジョナサン・デミの方からこのツアーを映画化したいと持ちかけたのだとか。
そしてバンドメンバーの自費(!)によって制作されたそうです。
結果、ミニシアター系を中心に大ヒット!


映画監督スパイク・リーの視点

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そして、今回の映像化を手掛けたのが映画監督のスパイク・リーです。
『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』などが有名で最近ではNetflixで『ザ・ファイブ・ブラッズ』『ブラック・クランズマン』ではアカデミー賞にも絡んでいて、現役バリバリです。

今回の『アメリカン・ユートピア』でボクが感じた視点ですが、カメラワークが印象的でした。

◎舞台の真上からの視点
◎舞台側から観客を映す視点

大きくはこの2点が特徴的だなと思いました。
もうホントに観ていただくのが一番なのですが、舞台真上からのカメラアングルのシーンが結構あります。
それによって、ステージを縦横無尽に、しかも計算され尽くしたフォーメーションで移動するパフォーマンスがすごくよく見えるんです!

そして、舞台側から観客を映すカメラアングル。これはパフォーマンスしている側でないと見えない景色なんですが、そこも入れてくることでめっちゃ盛りがってるお客さんの感じが分かって、一緒にライブで見てる雰囲気になってきてすごいテンションもアガる!

この辺りは『ストップ・メイキング・センス』とも違うポイントかなと思います。


メッセージがすごい

これも観ていただくとすごく感じ取れるところなのですが、デヴィッド・バーンが発するメッセージがかなり明確でこのパフォーマンスを通して訴えかけたいことが伝わってきます。

◎分断社会に対する危機感

BLM、移民問題などトランプ政権下で分断が進んでしまった社会に対する危機感が強く感じられます。
(選挙の話が出るのもこの作品が作られた当時はまだ大統領選の前なのでトランプが再選する可能性があった頃)

BLMについて言及されているのも、だからスパイク・リーなのかと納得させられました。

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そして、この「アメリカン・ユートピア」というタイトル。
ユートピア(理想郷)って言ってるけど、デヴィッド・バーンの発するメッセージを聞くと、どんだけ皮肉が込められているのかと思ってしまう笑

しかも気づいちゃいました。「UTOPIA」の文字が逆さなんです。
これは、本来のアメリカの理想とは違う方向に進んでしまっている現状を憂いつつも、これから理想に向かって自分たちが変えていくんだという思いにも感じ取れました。

本当に最後まで楽しいし、観終わった後も考えさせてくれます。

めっちゃおすすめなので映画館で鑑賞できるうちにぜひ観てもらいたいです。

▼上映スケジュールはこちらから


最後に

なかなかコロナ禍で、映画館に行きづらい日々が終わらないですが、今回のは本当に映画館で観ないと後悔しちゃうと思うので、大きなスクリーンといい音響で楽しんでもらいたいです。
ストレスも発散できますw

トーキング・ヘッズやデヴィッド・バーンを知らなくても全然関係なく楽しめますので、最近行けてないライブの代わりぜひ楽しんでください。


最後までありがとうございます。



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