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褒め上手は愛され上手

承認欲求という言葉を耳にする機会も多いこの数年。あまり良いイメージで使われないことが多いのですが、人は誰でも認められたいものです。例えば仕事のスキルを高く評価されたり、料理の腕を褒められたり、飛びぬけて歌が上手いと言われたり、あの時のとっさの行動は立派だったと言われると、素直に嬉しいだけでなく、幸せな気持ちになるのだそうです。褒めるのが上手い人がモテるのは、そういうことが関係しているのでしょう。


褒めるが定着しつつある?

今もまだ日本人は褒めるのが下手と言われますが、心理学が広く一般的に知られるようになったり、企業で行われる研修も大きく変化したこともあってか、褒めることに抵抗を感じる人は少なくなったように感じます。

企業からのご依頼で互いを褒めあう研修を行いますが、とても上手く言葉を選んで褒める方が増えました。褒められる側も、素直に喜ぶ人、照れながらも嬉しそうな表情をする人と様々ですが、謙遜する人を見かけることは滅多にありません。十年くらい前ならまだ、何を褒めていいかわからない、褒められても素直に受け入れられず謙遜する人はいましたが、今は滅多にありません。褒めることの大切さが理解され、褒めること、褒められることに多くの人が慣れてきているのかもしれません。


褒められると幸せな気持ちになる

褒められると、人の脳はドーパミン(快感、やる気を向上させるホルモン)や、セロトニン(リラックス効果のあるホルモン)といった物質が多く分泌されると言われています。だから人は褒められるとテンションが上がったり、満たされたような幸せな気持ちになるのです。

反対に否定されると、感情を不安定にするノルアドレナリンという物質が多く分泌されるため、イライラしたり怒りやすくなったりします。幸せな気持ちにはほど遠い感情です。これでは人との関係を上手く築くことができませんが、社会に出ると怒られたり文句を言われることはあっても、褒められる機会はそうそう多くないのが現実です。

まして日本は他国に比べると、子どもの頃から褒められる機会が少ないからか、自分に自信のない人が多い。いわゆる自己肯定感が総体的に低いと言えます。だからなるべく意識して、人を褒める必要がまだまだあるように思います。とは言え以前より、褒めること、褒められることが定着しつつあるのを実感するこの頃、もう一歩踏み込んだ褒めかたを紹介します。


具体的にピンポイントで褒める

一歩踏み込んだ褒めかたとは、具体的にピンポイントでスキル褒めること。そう聞くと難しいと感じるかもしれませんが、実はそうでもありません。

例えば
 ・自分にはない視点をもっている
 ・自分が気づかなったことに気づいた
 ・自分が知らなかったことを知っていた

こういったことは日常よくあることだと思います。

これは立派な褒めポイントなのですが、感情を言葉にするのが苦手な民俗性から、「へぇ~」「まぁまぁ、そういう考えもあるよね」「う~ん…」で反応してしまいがちです。もしくは「でも」「それはどうだろう」というように最速で否定してしまいがちなところに、一言はさむだけでも変わります。

「そういう視点は大事だね」
「どうすればそんなことに気づけるの」
「そういう考えかたがあるのを今まで知らなかった」
など、自分にはない視点や考えを素直に伝えれば、立派な褒め言葉に変わると思いませんか。こういったことを会話のなかにとても上手に折り込んでいるのが、銀座や新地、祇園などで働く人たち。仕事で関わることはないですが、おつき合いでご一緒したことのあるお店では、彼女たちの褒め上手さに感心しきり。その様子を見ていると、褒めるのが上手な人ほど愛されるのがよくわかります。


グローバル時代の魔法の言葉

具体的にピンポイントで相手を褒めるのは、欧米などではいわばあたりまえの感覚です。自分にはないスキル(視点の違い、考えかたの違いなどもスキルの一部)なので、それを否定せず認める姿勢を示すのが、円滑なコミュニケーションをはかるうえで大事なことだからなのだそうです。

他国に攻められ領土を奪われる、統治権を奪われる。そういったことが何千年と繰り返されていた大陸の国々では、敵意がないことを互いに示し、相手の価値観などを認め理解しようとする姿勢を示すことが、良好な関係を築くために必要だったからなのでしょう。島国で他国に統治された経験のない日本では、その感覚がありません。ですが他国の人との接点がさらに増えるであろう今後、ピンポイントで相手を褒めるスキルがあると可能性は広がるように思います。

子どもを褒める時、夫や妻、パートナーを褒める時、友人知人、同僚や部下を褒める時など、あらゆるシーンで幸せな気持ちにさせる魔法の一言。活用できると、自分自身の幸せにもつながっていきそうです。

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