見出し画像

どうしてドキュメンタリー映画を撮るんですか?

以前「どうしてドキュメンタリー映画を撮るんですか?」と某役者さんに聞かれました。確かにドキュメンタリーは金にならないし、美人と仕事出来ないし、人脈も出来ないから次の仕事にも結び付くことがありません。加えて私の場合、制作はキャスティング(被写体が決まるまで)に半年以上かかります。かと思えば、全部一発撮りだから撮影直前まで緊張とストレスが半端ないです。撮影は完璧にうまくいった事が一度もありません。

でも私が「人生で面白かった瞬間はなんですか?」って聞かれたら私生活を除いたら間違いなくドキュメンタリー映像やノンフィクションものばかり思い出します。

たとえば、島田紳助の映画メイキングでバイクにシールを貼り忘れたスタッフにガチギレするところとか、「We Love Television?」で萩本欽一が「かかとを使いたい」ってノートに書いたのとか、カタモミ女子のファンが運営元スタッフに「痛いのと痛いのどっちがいい?」って殴りかかりに行った瞬間とか、徹子の部屋のさかなクン回とか、万引きランナーが更生して無事ランナー復活したと思いきや取材中も共同生活の冷蔵庫の鶏肉盗みまくってた大オチとか、僕らの音楽でイチローが椎名林檎に喧嘩売りまくるところとか、極楽とんぼ10年ぶりの共演とか、フロントガラス叩き割る木崎容疑者とか、青汁劇場とか、NHK一期一会「ニート×酪農家」の企画でニートが数日間酪農体験する予定が札幌到着翌日の朝に「たった数日で牛愛せますか?」って言って企画のすべてが終了したアノ現場の雰囲気とか、日テレ討論番組ジェネジャンで及川奈央にガチ説教くらった援助交際JKが「てか、お前にだけは言われたくないわ」って反論したやりとりとか、桜宮高校バスケ部主将が体罰を受けて自殺したニュース番組でゲストの戸塚ヨットスクールの校長が「実に体罰は良い事です」ってコメントしちゃった時とか、清純派ロリ巨乳としてデビューしたAV女優くるみひながデビュー作のインタビューで「経験人数は100人越えで初体験はレイプです」って言っちゃうところとか、、、、、

もしかしたらうまくいってない瞬間にこそポカポカ・キラキラ・イキイキとしたドキュメンタリーの神髄はあるんじゃないか?って思ってみたり。

明日、「天秤リストカット」というドキュメンタリー映画を高円寺で上映します。本作の主演であり親友の鈴宮しいなさんも登壇してくれます。この映画は26歳のときに撮影・編集したデビュー作です。どうせやるならとやりたい事を全部詰め込んだせいでバランスもヘチマもない作品です。でも面白いです。私が人生で面白かった瞬間を思い出したときに出てくるドキュメンタリーシーンたちのように、観てくださった方の中で何かしらの形で脳裏に残ってもらえたら私はすごく嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?